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職員給与2%カット、市長給与10%カット等、否決に

2010年09月21日

 今日は総務文教委員会2日目でした。以下の通り詳細を報告致しますね。

 

 人事課

 

 人事課からは、職員給与の2%カットに関する議案について、15日の総務文教委員会で他の議員から「わたり的運用」に関して十分な説明を求められていたので、関係資料が提出され、報告されました。

 

 そもそも地方公務員法24条1項では「職員の給与は、その職務と責任に応ずるものでなければならない」定められています。

 

 その中で田川市では職務の級として1級(主事)2級(主事)3級(主任)4級(係長・事務主査・技術主査)5級(課長補佐・参事補佐)6級(課長・参事)7級(部長・理事)という級が分かれています。またそれぞれの級にも年齢によって「号級」が付けられています(1級00号といった形)。よって、例えば1級29号の場合現行では178,800円が支払われていることになります。この号級は毎年4号ずつあがっていく仕組みになっています。

 

 田川市の場合行政職・労務職・医療技術職・看護職・医師職がそれぞれあります。国の基準ではそれぞれに給料表が独立して定められています(行政職には行政棒給表1、労務職には行政職棒給表2など)。

 

 しかし田川市の場合は、医師職を除いた「行政職・労務職・医療技術職・看護職」についてはすべて同じ「行政職俸給表(1)」という棒給表を使用しています。簡単に言えば、人事課で働いている方も、労務職で外回りをされている方も、市立病院で看護師として働いている方も同じ給料表に基づいて給料が支払われていることになります。

 

 労務職については昭和48年4月1日に、看護職については昭和49年4月1日に、医療技術職については平成4年4月1日にそれぞれ労使合意がされ、行政職棒給表に統一される規則改正が実施されています。

 

 また「わたり的運用」については、例えば職務上は係長だけど「課長補佐相当職」として給与では位置付け、課長補佐級の給与を支払っている規定を田川市も作っています。その割合は

 

 ● 行政職:23.2%

 ● 労務職:78.8%

 ● 医療技術職:50.0%

 ● 看護職:50.0%

 

に及びます。

 

 特に職務としては非管理職(主事・主任・係長)だけど、給与上は管理職である係長補佐級と同じ給与を支払っている人は全体で52名おり、その方々は管理職相当の給与を支払われながら、管理職には現在支払われていない残業手当も支払われていることになります

 

 また職務上は主事ですが、給与上は課長補佐級である方も全体で7名いらっしゃいます。

 

 それらによって国家公務員基準より多い給与額が支払われている事になっています。多い方で国家公務員基準より10万円程度多い給与を支払っている場合もあります。

 

 (続きは後で書きます)

 

 以上、職種上と給与に違いがある「わたり的運用」及び「職務職階制度」に関して、多くの委員から指摘がありました。

 

 まず梅林史議員からは「そもそも41の提言や第4行政改革実施計画にも職員給与の適正化がうたわれ、総務文教委員会でも職員給与制度はわたり運用も含め、抜本的に見直すと言ってきたではないか。」という趣旨の発言がありました。

 

 それに対して市長からは「来年3月の抜本改正の前座として2%カットを行った。」との発言もありました。またが市長に「抜本改正とは、職務職階制の国基準へ見直すことと、わたり運用を是正することととらえていいのか?」と聞いたところ「そうだ」とうなずきながら答えています。

 星野一広議員からは、以前から職務職階制の是正を言ってきた立場から、梅林議員と同様の発言を行ったところ、市長「それは個人的見解でしょ」と挑発するような発言まで飛び出し、委員会も騒然となりました。

 

 私自身の考えとしては以下の通りです。

 

 まず、そもそもこの議案が中途提案で出てきた時点で、手続きとして非常に問題ではないかと思っています。事実、市職労が臨時大会で市長に給与カットについての見解を提出したのが8月20日、その後9月8日の議会初日までには相当の時間があります。しかし労使確認は9月10日に行い、9月12日に関係議案を議会上程しています。そして15日には審議してくれ、という話ですから、非常に乱暴な提案であることは一目瞭然です。

 

 また私が一般質問でも述べてきた「代休取得および代休手当ての適正支払い」「サービス残業の適正化」など、本来支払われるべき事案を全く手をつけていないまま、2%カットがだけが提案されるのは、本末転倒であり、不公平感はとても感じると思います。

 

 当該提案が財政再建を考えているのなら、中長期的な財政推計が2%カットでどのようになるのか、など財政全体と給与のバランスをしっかり考えた上での提案でないとならないはずです。しかし今回はそのような提案も全くされていません。

 

 以上の点から私自身も、職員給与2%カットの議案には賛同することができませんでした

 

 しかし、なぜこれだけ問題点を指摘されている中、市長はこの議案提出を急いだのかはわかりませんが、私の指摘した部分や、他の議員から指摘のあった「わたり的運用」及び「職務職階制」も含め、説明に欠いた提案であるのは明らかです。

  

 しかも職員給与という職員の生活に関わる大切な議案を、恐らく多くの職員は理解すらしていない中、中途提案という強行提案に近い方式で行うには、やはり無理があります。本来政治的にも「反対」というカードを切るのを嫌う保守系の議員の皆様も、多くが反対したのは、そういった説明不足も大いに関係していると思います。

 

 最終的には、

 

 賛成1名・反対5名 (1名欠席)

 

 で総務文教委員会としては否決すべきと判断しました。

  

 また市長給与10%カット及び副市長・教育長給与の5%カットの議案にも同時に審議。

 

 この議案について私の見解は以下の通りです。

 

 そもそも市長や副市長は特別職であり、その給与については自ら提案できる側として恣意的な運用をするのを避ける目的から、給与の額に関しては「田川市特別職報酬等審議会」を開催し、その意見を聞かなければならないことになっています。関係法令は田川市特別職報酬等審議会条例第2条の「市長は、議員報酬の額並びに市長及び副市長の給料の額に関する条例を議会に提出しようとするときは、あらかじめ、当該議員報酬等の額について審議会の意見を聞くものとする。」です。

 

 この条文では「ただし、減額する場合は開かなくてもよい」と書いてはおらず、減額する場合も開かないといけないことになります。取り扱いを確定する際に用いる法律用語「ものとする」という言葉がある以上、いずれの場合も公平な機関の意見が必要なのです

 

 この給与減額に関しては3月議会でも私が審議会開催を求めていました。しかし今日まで開かれはおらず、本会議で市長「私の意気込み」と言ってます。ただ意気込みがあるからといって脱法・違法行為をしていいという法律は国にも田川市の条例にもないのですから、なんら理由にはなりません。

 

 こういう手続き的に大いに問題がある中提案された議案では、市長給料を上げる下げる以前に、受け入れることはできません。よって私は反対としました。他の委員からも同様の意見が出ていました。

 

 最終的には

 

 賛成1名・反対5名 (1名欠席)

 

 で総務文教委員会としては否決すべきと判断しました。

  

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