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2016.03.04 : 平成28年2月定例会(第12日) 本文

◯議長(井上 忠敏君) 佐々木允君。(拍手)
*佐々木(允)議員質問


◯三番(佐々木 允君)登壇 皆さん、おはようございます。民主党・県政クラブ県議団、田川市選出の佐々木允です。朝二番ではありますが、爽やかに進めたいと思います。どうぞよろしくお願いをいたします。
 まず、本県汚水処理の早期概成に向けた取り組みについて御質問いたします。現在、国による新たな汚水処理構想策定が要請されているところでありますが、まずこの構想について、現在までの進捗状況についてお尋ねをいたします。
 また、この構想では、汚水処理の未整備地域につきましては、今後十年程度で汚水処理施設の整備をおおむね完了させることを目標としていることが最も大きな特徴であります。確かに本県の汚水処理率は、直近二〇一五年三月のデータでは九〇・五%となっており、全国平均とほぼ同率です。一方、私の地元田川市は五九・二%、田川郡に至っては、川崎町二三・五%、添田町二九・二%など、いずれも県内平均を大きく下回っています。しかも、二〇〇九年に策定した現在の汚水処理構想では、今から十年後となる二〇二五年においても、先ほど述べた川崎町や添田町では汚水処理人口は四〇%前後しか伸びないとしています。要するに、現在残っている九・五%の未処理区域の多くは、田川地域など汚水処理が地域全体で進んでいない地域と言えます。これらの地域での汚水処理概成は極めて困難な作業となることは容易に想像できるところです。
 そういった中、県汚水処理構想における十年概成には県は大きな役割がありますが、本県汚水処理を新しい汚水処理構想の策定後、どのようにして十年概成を達成されるおつもりなのか、知事のお考えをお示しください。
 また、十年概成のためには、相当な政策推進体制がなければ達成が困難であり、計画開始と同時に計画達成のための推進体制の構築や施策の実施が不可欠ではないでしょうか。この件に関する知事の認識について具体的に答弁を願います。
 続いて、合併浄化槽による汚水処理の推進についてです。まず、汚水処理構想における十年概成の実現において、下水道未整備地域や管渠設置に相当な時間が生じるような地域において、合併浄化槽による汚水処理の重要性はますます高まっています。知事の合併浄化槽の重要性に対する認識について明快に御答弁願います。
 そもそも汚水処理未整備人口とは、現在単独浄化槽もしくはくみ取りとなっている家屋にお住まいの方々でありまして、この方々への合併浄化槽転換、下水道への接続推進が汚水処理率向上の大きな鍵となります。一方、現在も浄化槽設置の補助金は県内全域で整備をされており、現在合併浄化槽を設置していない家庭は、そういった現在の補助制度を積極的に活用、選択していない家庭であると言えます。要するに、現在の補助制度のままでは単独槽やくみ取りの家庭の多くを合併浄化槽に転換することはなかなかできないということは自明の理であります。
 知事は、汚水処理構想の推進に責務を負った立場として、また来年度に策定される新たな汚水処理構想を前に待ったなしの状況であることからも、合併浄化槽設置促進へ大きく政策誘導するための新たなインセンティブ、補助制度の創設なくしては十年概成はおぼつかないのではないでしょうか。このことについて知事の積極的な答弁を求めます。
 この項の最後に、合併浄化槽設置促進に向けた広報啓発についてお尋ねします。御存じのとおり、合併浄化槽は、広範囲に整備を進める下水道とは違い、最終的に個人が設置を決めることに設置促進の難しさがあります。よって、合併浄化槽の役割や必要性などについて十分周知されることが設置促進の第一歩であります。まずは汚水処理率の低い地域を対象に、合併浄化槽の意義や補助制度の概要などについて、わかりやすく県民に周知する取り組みを市町村や関係団体と共同で行うべきと思いますが、知事のお考えはいかがでしょうか。明快な答弁をお願いします。
 続いて、本県流域下水道事業における地方公営企業会計の適用について質問いたします。総務省は二〇一五年一月二十七日に、公営企業会計の適用の推進についてとの大臣通知を行いました。その中で、下水道事業を地方公営企業会計適用の重点事業と位置づけて、その推進を図ることを各自治体に要請をしています。といっても、この話は昨年一月が初めてではありません。さかのぼること七年近く前である二〇〇九年六月に地方公営企業会計制度等研究会が提言を行って以降、二〇一四年六月に出された骨太の方針二〇一四では、下水道事業等に対して既に公営企業会計の適用を推進することが述べられています。しかも、先ほど述べたように、一年以上前には、下水道事業の地方公営企業会計の適用を重点事業に位置づけ、昨年四月からは重点取り組み期間ということを総務省は既に明記しているところであります。しかも、この移行のための必要な予算は、元利償還金に対して普通交付税が措置されるという財政支援まで行われているところです。このような国の動きの一方で、知事は本県の取り組みを県民や県議会へ具体的に示されたことは残念ながら一度もありません。国が昨年十月一日に行った調査では、下水道事業を地方公営企業会計へ適用済み、もしくは適用に向けて取り組みを行っているのは下水道事業を行っている四十二都道府県中二十四団体、全体の五七・一%と過半数を超えていますが、福岡県は、検討中とだけあるのみです。県内を見ても、下水道事業を行っている四十九自治体中、既に地方公営企業会計に適用済みの自治体だけで二十団体、取り組みを行っている自治体も十六団体あり、合わせると率にして七三・五%にも上ります。本県の地方公営企業会計適用に向けた一連の動きが全国や県内に比べても、いかにおくれているかが一目瞭然です。この地方公営企業会計適用は、持続的な財政運営において極めて重要であることを知事はよく御理解のことだと思います。にもかかわらず、重点取り組み期間が一年過ぎようとしている今日にあっても、その方針さえ出されていないということは極めて憂慮すべきことであります。
 まず、知事は国がなぜここに来て下水道事業の地方公営企業会計への適用を強力に推し進めようとしているのか、その狙いについてお答えください。
 あわせて、知事は、本県の流域下水道事業の地方公営企業会計適用の必要性について、どのような認識をお持ちなのでしょうか。この点についても明確な答弁を期待します。
 また、現在までの検討内容などについてもあわせてお示しをください。
 最後に、介護職員の多忙化解消に向けた本県の取り組み強化についてお聞きをいたします。本県の介護職員不足は年々深刻化しています。三月一日に福岡労働局が発表された雇用失業情勢によると、本年一月の新規求人数四万一千九百人のうち、実に九千五百八十四人が医療、介護の分野でした。率にして二二・九%、新規求人数の五人に一人以上が医療、介護分野に占められていることになります。同じく福岡労働局が発表した本年一月現在の介護サービスに関する有効求人倍率は、全体平均一・一六の二倍以上に当たる二・四三にも上ります。有効求人倍率全体が高くなっていることは喜ばしいことかもしれませんが、事介護職員に関しては、それを通り越して、深刻な人材難となっております。介護分野の人材不足の要因は、給与、待遇、仕事内容などさまざまな課題が挙げられていますが、その中でも現在課題となっているのは、介護記録等での必要な各種書類の多さであります。一つの介護サービスを行うにも、介護サービス計画に始まり、その後の記録、介護給付費請求書はもちろん、各種加算にもそれぞれの届け出書や記録があり、苦情や事故の記録等も入れると膨大な資料が生じます。そして、これらの書類が不十分の場合は、監査指導の対象となり、返還金の発生や、最悪の場合、事業の指定取り消し等も可能となります。これらの書類はその多くが任意の様式となっており、サービス内容についてもどこまで書けばよいのか明確でないことや、それぞれに本人の印鑑が必要など煩雑なものも多く見受けられます。厚生労働省もこの介護に関する文書の多さについては問題としており、塩崎厚生労働大臣も昨年十一月二十七日の大臣会見で、文書量を半減することによって仕事自体の負担感を減少させるということを述べられ、現在、具体的な取り組みを行う予定としており、国の来年度予算にも事務軽減の取り組みを行うための関連予算が計上されています。
 このように、介護にかかわる事務改善は国を挙げて取り組むことになっていますが、まず介護職員の事務作業の負担軽減の必要性について、知事として基本的な認識をお聞きしたいと思います。
 また、国が進める介護事務の文書量半減ついて、どのような狙いがあると知事はお考えなのでしょうか、あわせて明確な答弁を求めます。
 最後に、過去において国は都道府県や市町村などに対して、書類の統一化や項目の削減、簡素化などを要請している経過があります。この件に関して、本県としても介護職員の労働環境の改善と介護サービスを支える人材の確保につながるよう、独自の取り組みを各保険者や事業者などと一緒に検討する時期に来たのではないでしょうか。この件に関する知事のお考えを明快にお答えください。
 以上、答弁をよろしくお願いをいたします。(拍手)


◯議長(井上 忠敏君) 小川知事。
*知事答弁


◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
 まず初めに、福岡県汚水処理構想の策定状況でございます。福岡県汚水処理構想は、下水道、浄化槽等の各種汚水処理施設のそれぞれの特性を生かし、その効率的な整備と管理運営を計画的に実施していくことを目的として策定するものでございます。現在、県構想のもととなります市町村が策定をいたしました汚水処理施設の整備方針につきまして、庁内の関係各課で構成をしております福岡県汚水処理構想策定委員会、ここにおきましてそれぞれの内容を確認をさせていただいているところでございます。今後十年程度で汚水処理施設の整備をおおむね完了させていくためには、県と市町村がその課題や目標について認識を共有し、連携してこれに取り組んでいくことが重要であります。そのため県の策定委員会におきまして、市町村と協力をし、来年度を目途に県の構想を策定いたしますとともに、その構想策定後におきましても、その進捗管理にこの策定委員会を活用するなど、全庁挙げて汚水処理施設の整備を進めてまいります。
 次に、浄化槽の整備についてお尋ねがございました。浄化槽は、住居が散在し下水道や農業集落排水施設といった集合処理が非効率な地域に最も適した汚水処理施設であると考えております。また、設置の際には、その地形の影響を受けにくいこと、短期間で設置できるといった特徴がございます。汚水処理施設の未整備地域の中には、こうした集合処理の非効率な地域もございまして、今後十年程度で汚水処理施設の整備をおおむね完了させていくためには、この浄化槽の整備を進めていくことが重要であると考えております。
 浄化槽の整備にかかわる今後の取り組みについてでございます。浄化槽につきましては、これまで汚水処理構想に基づき必要な予算を措置させていただき、市町村を通じて、その設置者に補助を行うことによって整備を進めてきたところであります。一方で、し尿処理のみを処理する、みなし浄化槽、単独浄化槽でございますが、それやくみ取りによる処理を行っておられる世帯が約一割程度残っているわけでございます。このうち集合処理が非効率な世帯につきましては、生活排水とし尿とをあわせて処理ができる合併浄化槽への転換をいかに図るべきか、これが重要な課題であるというふうに考えております。
 そのために、住民の皆さんへの周知でございます。浄化槽の整備を一層進めていくためには、住民の皆さん方に、その浄化槽の設置によって衛生的で快適な生活環境が確保できること、ひいては河川の水質改善が進むこと、また短期間で設置できること、設置には補助制度があること、そういった浄化槽についての理解を深めていただくことが重要であると考えております。そのため、こうした浄化槽設置の意義でありますとか、補助制度について、県の広報紙、ラジオ、チラシ、これらを活用いたしまして住民の皆様への周知を図ってきております。また、住民の皆様への周知をさらに効果的に進めていくためには、関係の市町村や関係団体と連携してこれに取り組んでいくことが必要であります。このため、平成二十四年度からでございますが、市町村の担当職員や事業者、これらを対象としたシンポジウムを市町村、関係団体と連携して開催をさせていただきまして、浄化槽にかかわる国の施策の動向や先進的な自治体の取り組み事例等について情報提供を行っているところであります。今後とも、市町村、関係団体と緊密に連携をしながら、特に、浄化槽の特徴が生かせる地域に重点を置いて、浄化槽の意義や補助制度などにつきまして、地域住民の皆様への一層の周知を図ってまいります。
 次に、流域下水道事業への公営企業会計適用についてでございます。下水道事業は、今後、施設の老朽化に伴う更新投資の増大、人口減少等社会情勢の変化に伴う料金収入の減少というものが予想されることから、経営基盤の強化やその健全化に対するさらなる取り組みが必要になっていると考えております。これらの取り組みが的確に推進されるよう、国のほうでは昨年一月でございますが、地方公営企業法の財務規定等を適用していない公営企業に対して、公営企業会計の適用について要請があったところでございます。このため県といたしましては、これまで先進事例も調査しながら、去年の暮れ、十二月でございますが、国土交通省が改訂をいたしました下水道事業における公営企業会計導入の手引き、これに基づきまして、県内八カ所ございます流域下水道事業の資産評価の方法、また移行スケジュールなどについて整理を行ってきておりまして、来年度前半を目途に、県としての方針を定めさせていただきます。
 次に、介護職員の事務作業の負担軽減の必要性と国が進めております文書量半減の狙いについてお尋ねがございました。介護保険制度におきましては、介護報酬請求などに当たりまして、利用者ごとの個別サービス計画やサービス提供記録を初め多くの資料というものを書面で作成し、保管することとなっております。これらの事務作業が介護サービスを提供される職員の方々にとって負担になっているものと考えております。国におきましては、この業務上の書類の削減、ICTを活用したペーパーレス化による文書量の半減に取り組むことといたしております。先ほど、塩崎大臣の記者会見のお話をされました。具体的には、来年度、全国十地区におきまして国ではモデル事業を実施し、その検証結果を踏まえ、自治体や事業者向けに、業務効率化のための手引というものを策定することといたしております。これによりまして国のほうでは、介護者の負担軽減を図り、介護分野の人材の確保につなげようとしている、このように受け取っております。
 次に、書類削減や様式の統一化の検討についてお尋ねがございました。県では、毎年、事業者指導を行う県や保険者の担当者を集めて会議を開催をいたしまして、指導方針の統一を図ってきているところであります。今後、この会議におきまして、実地指導の際に事業者に作成を求める文書について、どれが簡素化できるか、そういった意見交換をさせていただこうと思っております。この意見交換の成果と、平成二十八年度中に先ほど申し上げました国から示される予定の業務効率化のための手引、これも踏まえまして、事業者、介護福祉士会など関係団体の御意見も聞きながら、介護保険サービスにおける関係書類の削減、様式の統一化について検討を進めてまいります。
 失礼いたしました。浄化槽整備に関する今後の取り組みについて、取り組みの部分が完全に答弁漏れでございまして、失礼いたしました。先ほど申し上げました重要な課題であるという認識のもとで、今後の取り組みでございますが、現在、汚水処理構想の見直し作業を県のほうでは進めておりまして、来年度を目途にそれを策定することといたしております。この見直しの中で、浄化槽への転換が促進されるような対策についても検討し、その整備を一層推進したいと考えております。失礼いたしました。


◯議長(井上 忠敏君) 佐々木允君。


◯三番(佐々木 允君)登壇 知事から答弁をいただきました。
 答弁をもとに知事に一点、御指摘をしたいと思います。それは、合併浄化槽のさらなる整備に向けた対応策についてです。知事は答弁の中で、浄化槽への転換が促進されるような対応策について検討するという考えを初めて明らかにしました。その点について若干データを示しながら御指摘を申し上げたいと思います。知事、来年度の当初予算での合併浄化槽の設置数は予算上三千五百十五基分措置されていることになります。そして、直近のデータでは、汚水を処理していない方々は県内に四十八万五千二百六十八名いらっしゃいまして、本年二月に出された国勢調査速報値による本県の平均世帯数二・三二人で割ると、未処理世帯は二十万九千百六十七世帯に上ります。ざっとその六割程度の世帯に浄化槽設置が必要だと仮定しても、今の設置数三千五百十五基のままでは、実に三十五年かかってしまいます。あくまでも概算ではありますが、今のままの取り組みと予算規模で、知事がおっしゃられた汚水処理の十年概成はなかなか厳しいということがこの一つをとっても明らかだと思います。しかも、県が進める下水道事業と浄化槽整備事業を比較しますと、来年度当初予算の流域下水道の建設費総額は七十五億七千万円余、一方、合併浄化槽設置に係る予算は四億四百万円余、その差は実に十六・九倍にも上ります。これまでるる申し上げて知事もおわかりになっているとは思いますが、来年度に合併浄化槽の設置促進の新たな対策に対しては、これまでのままの補助金メニューを変えて、新たな補助メニューをつくることしか私はないと思います。ぜひ、今後の対策について、この点を十分に踏まえて御検討願いたいと思います。
 最後に、知事は汚水処理について、全庁を挙げて推進するという決意を述べられました。また、他の部分のいずれにおいても前向きな御答弁をいただいたところであります。このことは市町村においても大きな朗報だと思いますが、その中にあって、今後の九・五%の未処理世帯の多くが合併浄化槽による汚水処理地域であるということは容易に想像できる中、今後の汚水処理整備は環境部の取り組みにかかっていると私は思っています。今後の環境部の取り組みを心から期待するとともに、一日も早く汚水処理が概成され、もって本県の河川環境が良好なものとなることを期待して、一般質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

福岡県議会議員
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