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2017.12.12 : 平成29年12月定例会(第12日)


◯議長(樋口 明君) 佐々木允君。(拍手)
*佐々木(允)議員質問


◯三番(佐々木 允君)登壇 民進党・県政クラブ県議団の佐々木允です。今回は二点にわたって質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、応急仮設住宅についてです。ことし七月に発生をした九州北部豪雨では、県内における家屋被害が全損、半壊を合わせ、十二月十一日現在千九十八戸にも上り、多くの方が住む家を失い、ふるさとに帰れない状況となっています。そういった中、必要となってくるのが応急仮設住宅です。今回の災害では、朝倉市、東峰村に延べ百七戸を建設をしているところです。地震に限らず、風水害などさまざまな災害において、住む家を失いながらも地域の中で暮らし続けていくためには、応急仮設住宅の計画的かつ早期の整備は必須であります。また、その建設が被災者に寄り添ったものとなり、災害によって停滞するであろう地域経済や、そこで働く労働者にもプラスになることが大切です。
 これらの視点から、以下知事に質問をいたします。まず、本県における地震等の災害時における応急仮設住宅の必要数をどのように想定しているのかお示しください。
 また、そのうちプレハブ仮設住宅と木造仮設住宅の供給体制はどのようになっているのかも、あわせてお答えをください。
 さて、九州北部豪雨の応急仮設住宅については、百七戸全てが木造による建設だったとお聞きしています。木造仮設住宅は断熱、防音にすぐれる上、自宅再建がおくれた場合でも長期に住めるメリットがあり、東日本大震災のときは二五・六%、熊本地震においても一五・九%が木造で建設をしているところです。特筆すべきは、熊本震災での取り組みです。熊本震災では、地震発生後、関係団体と木造仮設住宅建設に関する協定を締結、地元工務店を中心に九州各県から職人の皆さんが応援に入り、急ピッチで作業に当たりました。また、地震発生前の二〇一二年には熊本県木材協会連合会と木材供給の協定を締結していたことから、木造仮設住宅に関する木材供給が全て県産木材で賄われています。
 以上のことを踏まえ、知事に質問をいたします。まず、今回の九州北部豪雨で朝倉市、東峰村の要請に基づいて木造による仮設住宅を建設していますが、木造仮設住宅のメリットをどのように認識をしているのかお聞きします。
 また、現在朝倉市、東峰村の木造仮設住宅に入居されている皆様の反応についても、あわせてお示しをください。
 次に、木造仮設住宅における県産木材や県内資材の使用の必要性についてです。さきにも述べたとおり、熊本県は地震発生前の二〇一四年六月に、熊本型木造仮設住宅用木材の確保に関する協定を締結しています。そこには、木造仮設住宅百棟分を流通しながら備蓄すること、年二回の在庫量確認を実施するなど、細かい規定を設け、実効性を高めています。また、それらの取り組みの成果が、熊本地震での全て県内木材を使用した木造仮設住宅の利用につながっているところです。
 そこで質問をいたします。仮設住宅の建設に関しては、林業振興や公共建築等における木材の利用の促進に関する法律の趣旨、災害発生時における経済低迷に応える必要からも、県産木材や県内資材を仮設住宅に積極的に使用する際の経済効果、そのことについて知事としてどのように考えているのかお聞きします。
 また、これらを推進するための今後の取り組みについても、あわせてお答えください。
 続いて、木造仮設住宅の建設に向けたマニュアルの見直しについてです。本県は、二〇一二年度に応急仮設住宅建設・管理マニュアルを策定していますが、熊本震災や今回の九州北部豪雨の経験や教訓などが反映されたものにはなっておらず、先ほど来申し上げております木造仮設住宅建設を想定した内容にはなっていません。
 そこで質問をいたします。現在策定している応急仮設住宅建設・管理マニュアルの見直しについて、知事の認識と今後の取り組みについてお答えをください。
 また、今回の朝倉市、東峰村の要請でもあったように、災害時、木造仮設住宅の建設について、円滑に行うための市町村の認識の高揚やマニュアルの見直し時期など、今後の取り組みについてもお答えをいただければと思います。
 次に、応急仮設住宅建設に携わる労働者の待遇についてです。応急仮設住宅を早期に建設していくには、多くの建設労働者が必要となり、熊本震災でも、県内のみならず九州各県から多くの建設労働者が従事をしており、またその方々は仕事を延期した上で集まったとお聞きしています。また、建設はタイトなスケジュールをこなす必要があり、非常に負担の多い仕事になるのは容易に想像できます。応急仮設住宅の建設という性格はあるものの、その建設に従事する建設労働者への配慮も十分に行うことが大切だと考えます。
 そこで質問をいたします。応急仮設住宅の建設に従事する建設労働者の待遇について、県の認識と今後の取り組みについてお答えください。
 最後に、木造仮設住宅の供給体制の充実強化についてです。朝倉市、東峰村の事例でもあるように、災害発生時には、これまで以上に木造仮設住宅の需要が高まることが予想されます。そのためにも、安定的かつ早期に物資と人員を確保するため、新たな協定の締結や連携の充実が必要と感じます。
 そこで質問をいたします。木造仮設住宅の供給力を高めるため、より多くの関係団体との協定の締結や、また連携を推進することの必要性について、知事の認識と今後の取り組みについてお答えをください。
 続いて覚醒剤犯罪対策について、以下警察本部長にお聞きをします。薬物犯罪の中で最も多いのは覚醒剤事犯です。警察庁組織犯罪対策部による平成二十八年における組織犯罪の情勢によると、覚醒剤事犯による検挙者数は、二〇一六年、全国で一万四百五十七人、再犯率六五・一%となっており、再犯率の高いのが特徴です。また、検挙者のうち暴力団構成員等が四八・五%と半数近くを占めており、暴力団とのかかわりが強い犯罪であるのも特徴であります。覚醒剤事犯は被害者なき犯罪であり、非常に潜在性も高い犯罪でもあります。また、暴力団の収入源としても非常に重要視されており、売る側の摘発も暴力団撲滅に大きな効果があると考えます。現状の数値を分析し、またとりわけ密売組織、密売者の壊滅に視点を置きつつ、以下質問をいたします。
 まず、本県の覚醒剤検挙人員は、二〇一六年七百八人と、五年前の八百四十八人に比べやや減少しているものの、全国同様下げどまっている状況にあります。一方、総務省統計局社会生活統計指標によると、人口十万人当たりの覚醒剤取り締まり送致件数は、二〇一四年で十八・五件と、四十七都道府県中、大阪府に次いで福岡県はワースト二位であり、その順位は十年前のワースト三位より悪化をしています。また、最少である島根県と比較をすると、覚醒剤取り締まり送致件数の差は実に十四・二倍にも上り、極めて憂慮すべき状況であります。
 これらの状況について警察本部長としてどのように認識をしているのか、まずお答えください。
 また、これまで県警察として覚醒剤犯罪対策についてどのように取り組んできたかも、あわせてお示しください。
 続いて、覚醒剤事犯と暴力団とのかかわりについてです。先ほど述べたように、覚醒剤の検挙者の実に半数近くが暴力団関係者となっており、暴力団が覚醒剤を主な収入源としていることは容易に想像できます。また、本県においては、二〇一六年における本県の覚醒剤事犯検挙者数の実に七六・八%、四人に三人が暴力団構成員等で占められています。全国平均の四八・五%と比較しても突出して高い状況です。福岡県暴力団排除条例や県警察での暴力団撲滅に向けた強力な取り締まり等により、暴力団員はこの五年で四分の三に減少し、暴力団の大きな収入源であった民間企業や個人からのみかじめ料や恐喝などによる収入の減少が顕著であると推測されます。こういったことから、これまで以上に覚醒剤が暴力団の資金源として重要視されている傾向になっているのではないかと感じるところです。事実、本県の犯罪認知件数自体は、二〇一二年の七万二千二百四十件から二〇一六年の四万六千六百十九件と三五・四%も減少していますが、本県の覚醒剤検挙者数は、この五年で一六・五%の減少にとどまっているのが現状です。今後、暴力団が覚醒剤をこれまで以上に有力な資金源として市民社会を侵食していくことが懸念されます。
 そこで質問いたします。本県における覚醒剤事犯と暴力団との関係について、また覚醒剤をこれまで以上に活動の資金源としていく可能性について、県警本部長の認識をお答えください。
 さて、そもそも覚醒剤を使用する人は、どこから入手するのでしょうか。それは、先ほど述べた暴力団を中心とした密売組織からであります。まさに覚醒剤事犯の源流である密売者の取り締まりは、覚醒剤事犯そのものの減少に大きな意味があると考えます。
 そこで質問いたします。本県における覚醒剤の密売関係事犯の現状及び検挙者数の推移をお示しください。
 その上で、とりわけ覚醒剤の密売者、密売組織壊滅に向けた県警察の取り組みの強化についても、あわせてお答えください。
 我が福岡県は、二〇一四年十二月定例会において、議員提案条例で、福岡県薬物の濫用防止に関する条例を制定いたしました。そして、その第一条には、「福岡県において薬物の濫用による被害が深刻化している状況」と明記をしております。しかし、条例制定から三年が経過した今日においても、薬物事犯は目に見えた減少はされておらず、大麻事犯においては二〇一四年から二〇一六年の三カ年で二・四倍に膨れ上がっています。条例の趣旨と目下の情勢に鑑み、県警察として特段の取り組みを強く期待するところです。
 そこで質問をいたします。覚醒剤はもとより、薬物犯罪の根絶に向けた県警本部長の力強い決意をお聞かせください。
 以上で終わります。ありがとうございました。(拍手)


◯議長(樋口 明君) 小川知事。
*知事答弁


◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
 まず初めに、応急仮設住宅の建設戸数でございます。本県におきましては、平成二十五年三月に作成した福岡県応急仮設住宅建設・管理マニュアルにおきまして、建設型の応急仮設住宅の必要戸数は、最大約七千六百戸と想定をいたしております。
 その供給体制でございますが、プレハブ造の応急仮設住宅については、平成七年に一般社団法人プレハブ建築協会と協定を締結しておりまして、着手後一カ月で二千七百戸、着手後二カ月で一万戸の供給が可能となってございます。また、木造の応急仮設住宅につきましては、昨年六月、県内の建設業三団体で構成をしております福岡県建築物災害対策協議会と協定を締結をし、一カ月に二百戸を供給できる体制を確保しているところであります。
 木造の応急仮設住宅のメリットでございますが、木造の応急仮設住宅は、適度な湿度、温度が保たれ、結露も起こりにくく、また木のぬくもりを感じられる等のメリットがございまして、入居者の方々からも住み心地がよいと、そういう評価をいただいているところであります。今回の応急仮設住宅は、県産の杉材、畳など県産資材の使用に努め、また県内の中小工務店により建設をいたしました。このように県内の資材、企業を活用することによりまして、地域の経済の振興にもつながっていくものと考えております。
 そのマニュアルの見直しについてお尋ねがございました。今回の木造仮設住宅建設の経験を今後に生かしていくため、先月、建設に携わられました県内中小工務店二十四社に対しアンケート調査を行い、意見交換を行いました。工務店の皆様からは、施工をスムーズに行うため、施工しやすいよう細部のおさまりを工夫する、部材の種類を減らし資材調達を容易にする、また県産木材や県産資材の利用促進のため協力事業者のリストを作成する、そういった御提案を受けました。現在、それを受けまして、マニュアルの見直し作業に着手しており、来年の梅雨前までに改定をしたいと考えております。また、これまでも市町村とは必要戸数の算定、また建設候補地の選定など連携を図ってきているところでございますが、今後も市町村が応急仮設住宅についての認識を高め、また災害時に県に対し建設要請を円滑に行えるよう、改めてプレハブ造、木造、それぞれのメリットや県の供給体制について情報提供を行い、説明を行ってまいります。
 次に、応急仮設住宅に携わる労働者の待遇でございます。応急仮設住宅は、被災者の居住の安定を図るため、速やかに設置することが求められます。一方で、それを実現するためにも、建設に従事する労働者の待遇を確保することは重要であると、このように認識をしております。今回の建設に当たりましては、被災地での建設であること、一カ月という短期間での工事であることを考えまして、工事に必要な労働者を適切な賃金で確保できるよう、協議会から見積もりを徴取して予定価格を決定をいたしました。今後も、こうした形で労働者の待遇の確保に努めてまいります。
 次に、木造の応急仮設住宅の供給体制の充実でございます。木造の応急仮設住宅につきましては、県内の建設業三団体で構成をしております、先ほど申し上げました福岡県建築物災害対策協議会、ここで一カ月に二百戸供給できる体制を確保しております。先月には、この供給能力を高めるため、タマホーム株式会社と協定を締結し、現在その供給可能数について協議を行っているところでございます。さらに、新たな団体につきましても協定締結に向け協議を進めているところでございまして、引き続き、その供給体制の充実を図ってまいります。


◯議長(樋口 明君) 高木警察本部長。
*警察本部長答弁


◯警察本部長(高木 勇人君)登壇 初めに、覚醒剤事犯の現状認識についてお答えをいたします。県内の覚醒剤事犯の検挙人員は、最近の推移を見ますと、平成二十四年は八百四十八人でありましたが、二十七年は七百八十一人、二十八年は過去五年間で最も少ない七百八人と減少傾向にあるものの、他県と比較すると高い水準であり、依然として厳しい情勢にあるものと認識をしております。
 次に、覚醒剤事犯対策への県警察の取り組み状況についてお答えをいたします。県警察におきましては、末端乱用者の徹底検挙に努めるとともに、供給の遮断対策として、平成二十八年には税関、海上保安庁などの関係機関と連携し、神戸山口組傘下組織幹部らによる船舶を利用した大量覚醒剤密輸事件、二十九年には工藤會傘下組織幹部らによる覚醒剤営利目的所持事件及び六代目山口組傘下組織幹部による覚醒剤営利目的所持事件を検挙するなど、密輸、密売の検挙に努めているところであります。
 次に、暴力団の覚醒剤事犯への関与などについてお答えをいたします。議員御指摘のとおり、覚醒剤事犯による検挙人員の七割以上を暴力団構成員等が占めている現状にあります。また、暴力団の資金源という観点から申し上げますと、建設業等からの暴力団排除などの取り組みの進展により、暴力団の資金獲得活動が困難化する一方で、伝統的資金獲得犯罪である覚醒剤事犯への関与を一層強めていく可能性も考えられることから、県警察といたしましては、暴力団対策の重要な柱として、覚醒剤事犯の取り締まりを強化していく考えであります。
 次に、覚醒剤の密売関連事犯の現状等についてお答えをいたします。密売関連事犯である営利目的所持及び譲り渡しの県内における検挙人員について過去五年の推移を見ますと、平成二十六年までは二十人台で推移していたものの、二十七年には三十三人、二十八年には三十九人と増加傾向にあります。また、その手口については、他人名義の携帯電話を使用したり、インターネットを利用するなど巧妙化、秘匿化するとともに、覚醒剤の密売の広域化に拍車をかけているところであります。県警察といたしましては、街頭における職務質問はもとより、検挙した末端乱用者の薬物の入手先の捜査やサイバーパトロール等による薬物密売情報の収集などから密売人の取り締まりを徹底するとともに、密売組織の実態解明に努め、その摘発を推進してまいります。
 最後に、薬物犯罪根絶に向けた決意についてであります。薬物乱用は、乱用者自身の精神や身体をむしばむばかりでなく、幻覚、妄想等により乱用者が凶悪な事件や交通事故等を引き起こすこともあるなど、社会の安全を脅かす重大な問題であるとともに、暴力団対策の観点からも、その対策を強力に推進していくべきものと認識しております。県警察といたしましては、密売人に対する取り締まりや、背後で暗躍する暴力団などの密売組織の摘発を進めるとともに、末端乱用者の取り締まりを徹底するほか、薬物乱用対策推進本部などの関係機関、団体と連携した広報啓発活動を行い、社会全体から薬物乱用を排除する機運を醸成するなど、薬物の供給の遮断と需要の根絶を両輪とした総合的な薬物犯罪対策を強力に推進してまいります。


◯議長(樋口 明君) 佐々木允君。


◯三番(佐々木 允君)登壇 御答弁をいただきました。
 知事に要望したいと思います。木造仮設住宅の供給体制について、知事は一カ月で二百戸の供給が可能だということを述べられております。一方で、プレハブ造については、一カ月で二千七百、二カ月で一万戸が可能だということも明らかになりました。ということは、二カ月でプレハブ造が一万戸、木造が四百戸ということになります。今回の朝倉市、東峰村での木造仮設住宅の建設要望や熊本震災の状況などを考えると、今後の災害においては、木造仮設住宅の建設を要望する自治体は極めて多く、それに対して木造仮設住宅の現在の供給体制は明らかに低いと言わざるを得ません。
 今回知事は、供給体制の充実を明言し、現在もさまざまな協定を締結して、その拡大に対する取り組みがされていることは発言がありましたけれども、協力したいという多くの団体と、今後もしっかり協定を結び、もって木造仮設住宅の供給体制を確立することを、まず要望いたしたいと思います。
 また、県産木材や県内資材の推進についても、今後マニュアルに明記をしていく意向も明言をされました。明記のみならず、その実効性ある取り組みも、あわせて要望したいと思います。
 また、木造仮設住宅にせよ、プレハブ造にせよ、その建設は、被災をした自治体との連携をかなり密にしないといけないというのは、今回の事例でも明らかになったのではないかと思います。この今回の七月の経験を、ぜひ今後の木造のみならず仮設住宅建設を初めとした災害対策に生かすためにも、マニュアルの周知や、また説明という答弁がありましたけれども、ではどのように建てられたのかとか、どういう仮設住宅では準備が必要なのか、また自治体としてどういう心構えが必要なのかということも含めて、ぜひ県として伝えていく、そしてそのことから連携を深めていく、そういった取り組みをぜひ強く要望して、私の一般質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。(拍手)

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