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2019年9月 定例会

2019年9月 定例会
2019年09月24日:令和元年9月定例会(第13日)本文
◯副議長(原中 誠志君) 佐々木允君。(拍手)
*佐々木(允)議員質問

◯二十二番(佐々木 允君)
◯二十二番(佐々木 允君)登壇 民主県政クラブ県議団の佐々木允です。ただいまより通告に従い、農林水産物の輸出について知事に質問をいたします。
 私の地元田川地域は、旧産炭地ではありますが、もともとは名前のとおり、田と川が多くある風光明媚な田園地域です。英彦山、福智連山、香春岳と三方を山で囲まれた田川盆地は夏季と冬季の寒暖の差が大きく、田川市は米穀データバンク米マップ二〇一九において、福岡県内で最もおいしいとされるAランクに指定をされています。また、若手農家の中には、無農薬、減農薬栽培でグリーンコープと提携し栽培面積をふやす方、二十五ヘクタールを超える水稲栽培を行いながら雇用型農業に取り組む方など、農業に果敢に挑戦する若手農家も多数いる地域であります。こういった若手農家の皆様からいただく声の中で近年聞かれるのが販路拡大、とりわけ海外市場への挑戦です。御存じのとおり、現在、日本は急速な人口減少社会を迎えており、農林水産業は所得確保と生産基盤を維持強化するため、輸出に新たな活路を見出す必要があります。そのため、農林水産省を中心に取り組みを強化しており、二〇一九年度、本年度中には輸出額を一兆円以上にすることを目標に掲げています。
 二〇一八年における農林水産物、食品の輸出額の国・地域別の上位十位を見ると、一位の香港、二位の中国を初め台湾、韓国、ベトナム、タイ、シンガポール、フィリピンと、本県と直行便のある、また距離としても近い国・地域が上位を占めており、農林水産物輸出に大きな可能性がある地域と言えます。本県における二〇一八年度の農林水産物の輸出額は三十三億五千七百万円余と、統計をとり始めた二〇一一年度から見て最大となっており、今後もその増加が期待をされるところであります。県庁も、二〇〇八年度から農林水産部に輸出促進室を、二〇一六年度から輸出促進課を設置するとともに、県議会としてもさきの六月定例会において、農林水産物及び食品の更なる輸出拡大を求める意見書を提出しており、農林水産物の輸出促進は県議会、執行部双方にとって重要な目標となっています。農林水産物の輸出促進の現状について、改めて知事の思いや現状について確認をしつつ、今後の取り組みを一層加速していくための方策などについて、これより知事をただしていきたいと思います。
 そこでまず、本県の農林水産物の輸出を牽引していると言われている九州農産物通商について質問をいたします。九州農産物通商については、二〇〇八年十二月、麻生県政時代に新たな販売ルートの確保、安定的な販路の構築を目的として、JA福岡中央会を初めとした農業団体、九州電力など民間企業を初め本県も出資者としてかかわり、福岡農産物通商株式会社を設立したのが始まりです。二〇一四年十月には、九州の自立を考える会による九州の成長戦略に係る政策提言の柱の一つである農林水産業の経営力強化に関する提言に基づき、九州農産物通商の設立を提言し、その後、福岡農産物通商が九州農産物通商に衣がえしています。なお、知事は同社の顧問を、農林水産部長は取締役に就任をしています。
 そこで、九州農産物通商について知事はどのような役割があり、何を期待をしているのかについて、この場で改めて県民に披瀝していただきたいと思います。また、本県及び九州産農林水産物の輸出促進に向けて、どのように取り組んだのかについてもお聞きします。
 次に、九州農産物通商の取引の実態についてです。同社の取引額の推移は、二〇一三年度の三億六千五百万円余から、二〇一八年度は七億五千百万円余と着実に増加をしているところであります。
 そこで、取引額における福岡県内産及び九州産の農林水産物の取引額及び割合について明らかにしてください。その上で、それらの現状について知事はどのように認識しているのか、どのような課題があるのか、そして福岡県内産、九州産の農林水産物の輸出取引額の増加に向けてどのように取り組むのかお聞きします。
 さて、九州農産物通商の二〇一八年度における純利益は百二万円余となっています。しかし、当社は八名の従業員のうち二名が研修目的で県職員が派遣されている状況です。その人件費は約一千二百万だとお聞きしています。そして市場調査に係る委託事業として二〇〇八年度から毎年二千万円以上が支出をされており、合計すると約三千二百万円以上が支出をされていることになります。しかも、この金額を除き、農林水産物の輸出取引だけで見ると、福岡農産物通商として設立して以来、一度も黒字化されていないのが現実です。一方、この点については二〇一一年七月に行われた県議会予算特別委員会において、自民党県議団栗原渉議長の質問に対して当時の農林水産部長が、輸出部門のみで黒字経営を実現する旨の発言を行っています。
 そこで、輸出部門での黒字化が達成できていない要因は何か、また輸出部門、農林水産物の直接取引での黒字化の必要性について知事はどのように認識し、その実現にどのようにして取り組むのかお聞きをいたします。
 なお、九州農産物通商については、二〇一六年六月定例会において私自身が質問をした際、同社のホームページの更新が滞っている点について指摘をし、知事も、充実強化を図ることを答弁をしていますが、その後どのように充実強化したのか、このままでいいのか、お聞かせをください。
 また、知事は顧問に就任をしていますが、どのような役割があるのか全くわかりません。そもそも顧問としてどのような役割を担っているのか明確にされるとともに、九州農産物通商に赴き、何かしらの役割を果たされた実績はあるのか、端的にお答えください。
 さて、農林水産物の輸出に関して、検疫などの手続を初め文化の違う国との商取引や継続的な取引が難しい場合が多いことなど、国内出荷とは大きく異なるリスクが指摘をされています。
 そこで、本県の農林水産物の輸出全体について、知事はどのような課題があると考えているのか、また今後輸出の増加が期待できる品目は何かをお聞きをしたいと思います。
 また、そういった輸出の増加が期待できる品目があったとしても、生産者自身が栽培、生産に取り組まなければ意味がありません。しかし、積極果敢に輸出に取り組みたいと思っても、国内出荷とは大きく違うシステムの熟知や、そもそも本県は大消費地を抱えており、県内や圏域での消費が多く見込まれるため、その推進には県の積極的な支援が欠かせません。
 そこで、今後生産者向けの取り組みを強化することについて、知事はどのように取り組むのかお聞きをいたします。
 知事は、さきの知事選において、大切な農林水産業を守り収益力のある産業にするため、農林水産物の輸出促進を公約に掲げており、農林水産物の輸出に並々ならぬ思いを持っていると推察いたします。さらに、本県は九州最大の空港である福岡空港が県内にあり、東南アジア各国への旅客便が空輸機能としても活用できます。その点も他県にはない利点と言えます。その福岡空港の貨物ターミナルは、二〇一八年二月に滑走路増設工事に支障となったため別の場所に移転、新設され、冷凍、冷蔵施設の容積が旧施設の五倍となったものの、現在半分程度しか稼働していないとお聞きしています。
 そこで、今後、農林水産物輸出先進県福岡と言われるような県にしていただきたいと強く願うところであります。知事の農林水産物輸出に対する強い決意をお聞きし、質問といたします。
 ありがとうございました。(拍手)

◯副議長(原中 誠志君) 小川知事。
*知事答弁


◯知事(小川 洋君)
◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
 まず初めに、九州農産物通商の役割と輸出の取り組みでございます。九州農産物通商、これは産地に近い輸出事業者といたしまして、アジアを中心に福岡県産、九州産の農林水産物の輸出拡大を図っていき、生産者の所得向上を目指すことを目的に設立されております。また県といたしましては、他の事業者に先駆けまして、新たな輸出が解禁された国や品目、その輸出に取り組むという先導的な役割も同社に期待しているところであります。九州農産物通商は、設立当初から、まだ認知度が低かった香港向けのあまおうの輸出拡大に取り組んでまいりましたほか、最近におきましては、アメリカ向けのあまおうや柿、タイ向けのミカンなど、これまで輸出実績の少ない国、また新たに輸出が解禁された国への輸出にも積極的に取り組んできているところであります。また、各県及び関係団体に九州一体となった輸出の取り組みというものを働きかけまして、九州産イチゴなどを集めた九州フェアをタイで開催をしたりしております。
 次に、九州農産物通商の輸出額における福岡県産及び九州産のものの割合でございます。九州農産物通商の輸出額は、五年前の平成二十五年の約三億四千万円から、三十年度は七億二千万円と増加をいたしているところであります。一方で、県産のものの輸出額は二十五年度の六千五百万円から三十年度は五千三百万円、割合は一九・二%から七・四%と減少いたしております。これは、あまおうの台湾向けの輸出に当たって残留農薬が指摘されまして、香港への輸出も減ったりしたためだと理解しております。また、九州産の輸出額は、二十五年度の一億一千万円から、三十年度は一億六千万円と増加をしているところでありますが、割合は三二・八%から二二・三%と減少いたしております。
 この九州農産物通商でございますが、設立当初からの累積赤字を解消し、その経営の安定を図ることが最優先、このように考えておりまして、そのため取引先のニーズに応じて、福岡県産のものだけではなく他県産のものも組み合わせることで、農産物全体の取扱量というものをふやしてまいりました。これによりまして、二十九年度は累積赤字は解消されたところでございますけれども、一年間にわたって周年的に供給できる青森のリンゴや北海道の長芋などの取扱量が大きく伸びているために、結果として県産や九州産のものの取扱量は、傾向としては維持、拡大しているものの、割合は相対的に低下をしてきているところであります。今後は、経営の安定を図ると同時に、県産あるいは九州産のものの取扱量をさらにふやしていきたいと、このように考えております。このため現在、同社は県内及び九州各県の産地に出向きまして、輸出向けの産地づくりというものを働きかけてきております。県といたしましても、県産農林水産物の輸出の拡大を図るために、動植物検疫や残留農薬基準に対応する産地づくり、この支援に取り組んでいるところでございます。
 次に、九州農産物通商の輸出部門の黒字化についてお尋ねがございました。九州農産物通商は、農産物の輸出業務や海外の市場のマーケティング等輸出に関する幅広い業務を行っております。また、県からの委託を受けまして、新たな販路開拓に必要な輸出先国の状況や消費者のニーズなどにつきまして把握をするための調査などを実施しております。九州農産物通商の全体の収支でございますが、黒字化を達成しておりますが、この委託費にかかわる経費は共通経費として処理をされておりまして、その区分を行っていないために、輸出部門のみの収支を明確にお示しすることができません。しかしながら、ただ同社からの聞き取りによりますと、この委託費を除きますと全体の黒字額は減少すると、このように考えております。また、現在派遣をしております県職員でございますけれども、輸出振興にかかわる企画、立案や実務というものを学ぶための研修生として県から派遣をしているものでございまして、同社の収支に直接影響を与えるものではございません。いずれにいたしましても、経営を継続していく上では黒字の拡大が必要であると、このように考えておりまして、今後とも、輸出の拡大による経営の安定というものを図ってまいります。
 次に、九州農産物通商のホームページについてお尋ねがございました。ホームページにつきましては、一昨年の一月、英語版を作成し、その充実を図りました。また、昨年の八月には、トップページを見やすくし、写真を全部張りかえるなど更新をさせていただきました。さらに、先月は中国語版を作成したところでございます。しかしながら、私どもチェックいたしますと、英語版と中国語版の一部に日本語の表記が残っておったりしておりまして、今後それらの改善や内容の充実というものを同社に促してまいります。
 次に、顧問としての私の役割についてお尋ねがございました。九州農産物通商の顧問は、同社の取締役が必要に応じて意見を伺うことができる機関として設置されたものでございまして、発起人でもあるJA福岡中央会の会長と知事の私が就任をいたしているところであります。現在、議員も御指摘になりましたように、農林水産部長が同社の取締役に就任しておりまして、経営方針の検討にかかわっております。私といたしましては、顧問の立場としても、必要に応じて、取締役であります県の農林水産部長を通じて、同社の経営や事業の内容について指示や助言を行っているところでございます。
 次に、農林水産物輸出にかかわる課題でございます。農林水産物の輸出におきましては、御指摘のとおり動植物検疫条件や残留農薬基準などを満たす必要がございます。これらは輸出先国、そして品目ごとに異なっておりまして、検疫証明書や園地の認可取得が必要となる場合や、日本で登録された農薬が使用できない場合、そういったケースが考えられるわけであります。
 次に、輸出の増加が期待できる品目についてでございます。これまで各国において市場調査を実施してきておりますが、その結果、輸出が解禁された米国向けのミカンと柿、ベトナム向けの梨、日本料理店で需要が高まりつつありますシンガポールやベトナム向けの水産物、現地での需要が高まっております中国、韓国向けの県産製材品といったものが期待できる品目と、このように考えております。
 生産者向けの取り組みの強化についてお尋ねがございました。県におきましては、輸出に関心のある生産者やJAに対しまして、今まで申し上げました各国の動植物検疫条件の現状や先進的な産地の取り組み、また国際的な認証制度でありますHACCPやグローバルGAPなどにつきまして、セミナーや勉強会というものを開催してまいりました。また、輸出先国の残留農薬基準に対応した生産を行うための現地の実証でありますとか、また防除機械の導入などにつきまして支援を行っているところであります。今後とも、こうした取り組みを実施するとともに、産地などに赴くさまざまな機会を捉えまして、輸出先国の動向やバイヤーのニーズなどについての情報の提供に努め、輸出向け産地の拡大というものを図ってまいります。
 次に、輸出拡大に向けての決意でございます。県におきましては、これまで輸出拡大に取り組んでまいりました結果、先ほど申し上げましたように、昨年度の輸出額は三十三億六千万円となってございまして、五年前と比べまして約七〇%、十四億円増加、過去最高となっておるところでございます。人口減少や少子、高齢化による国内需要の減少が懸念をされております中、将来を見据えて海外への販路を拡大していく輸出の取り組みは重要であると、このように考えております。私は、福岡県の農林水産業は輸出拡大のポテンシャルが高いと、このように思っておりまして、今後とも九州農産物通商、JA及び生産者の皆さんと連携をいたしまして、福岡産を初め九州産の農林水産物の輸出の拡大に努めてまいります。


◯副議長(原中 誠志君) 佐々木允君。

(佐々木 允君)
(佐々木 允君)登壇 御答弁をいただきました。知事に、以下要望を申し上げたいと思います。
 まず、九州農産物通商についてですが、直近の取引額のうち県内産は全体の七・四%程度、五千三百二十三万円で、この数字は過去七年間で最低であります。九州産を含めてもわずか二割程度であり、取引額全体の八割近くが九州以外の農林水産物となっていることが明らかとなりました。知事の答弁にあった、九州農産物通商の福岡県産、九州産の農林水産物の輸出拡大という目的に対して、これでは残念ながら実態が伴っていないように思います。
 また、知事は県職員を研修生として派遣していると言いましたが、毎年九州農産物通商が出している事業報告書をごらんになったかと思いますけれども、県職員は従業員の扱いとなっており、二名の職員がいなければ、運営そのものに影響を与えるのは明白で、事実上の従業員補填に見えます。委託調査事業も二〇〇八年度から十二年連続で続け、しかも競争のない特命随意契約にしていますが、他県での同様の事業は公募型コンペ方式にしているところもあります。いずれにおいても、これらの費用がなければ、知事は黒字額が減ると言いましたが、実態は大幅な赤字会社であるのは明白です。しかも、輸出部門での黒字化を明確にできないのであれば、県議会での当時の農林水産部長の発言は、一体何だったのかと思います。
 このような実態は、福岡県内産の農産物の輸出拡大に夢を託したJAなど多くの出資者の思いに背くとともに、県内農家の期待にも応えておらず、一体どのようなためにこの会社はあるのかと素直に疑問に思う県民も多くいるはずであります。知事は九州農産物通商における福岡県内産、九州産農林水産物の取引額増の必要性について答弁で言及をされました。今後、結果が伴うよう、知事として力強いリーダーシップを果たしていただきたいと思いますし、農林水産物の輸出拡大の可能性を実績として形にしていただくことを強く要望し、終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

福岡県議会議員
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