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2019年12月 定例会

2019年12月定例会

2019.12.10:令和元年12月定例会(第9日)本文

◯副議長(原中 誠志君) 佐々木允君。(拍手)
*佐々木(允)議員質問

◯二十二番(佐々木 允君)登壇 改めまして、皆さん、こんにちは。ただいまより、我が会派としては最初の一般質問をさせていただきます。民主県政クラブ県議団、佐々木允です。今回は、本県の財政運営のあり方、とりわけ臨時財政対策債について御質問をいたします。
 臨時財政対策債は、臨時的かつ例外的な地方債として二〇〇一年度から始まりましたが、今日までこの制度は継続をされ、地方債の増大を生み出しています。平成三十一年度版地方財政白書によれば、二〇一七年度末における全国の臨時財政対策債残高は五十三兆九百十一億円に上り、これは地方債全体の三六・八%にまで膨らんでいます。また、これは十年前の臨時財政対策債残高二十一兆五千七百四十五億円の二・四六倍に上っています。臨時財政対策債の元利償還金相当額については、その全額を地方交付税の基準財政需要額に算入し、交付税措置することになっており、簡単に言えば、国から来るお金を地方自治体が一旦借金をして立てかえるかわりに、その後分割払いで全額払いますというものであります。臨時財政対策債のあり方についても、地方債全体に占める割合がこれほど大きくなった今、早急にこの制度そのものの解消を地方六団体もたびたび要望しています。この点について、知事も引き続き、強く国に働きかけていただきたいと思います。
 臨時財政対策債については、過去においても我が会派の代表質問、一般質問でたびたび取り上げ、その適正な運用に向けた知事の認識をただしてまいりました。今回は改めて、本県の臨時財政対策債の発行や積み立て、償還などのあり方について現状を確認しつつ、今後、将来世代に負担を残さない規律ある財政運営の推進を求める立場から、以下知事に質問をいたします。
 まず、臨時財政対策債の発行及び元利償還費の現状についてお聞きします。臨時財政対策債については、先ほど述べたように元利償還相当額を後年、分割払いで全額交付税措置をされています。そして、そのお金を減債基金公債管理特別会計分として積み立てて、将来の県債償還に備える必要があります。要するに、立てかえた分について国は分割で県にその費用を支払うわけでありますから、支払ってきた分をそのまま積み立てておけば、その後県債を償還する際、財源不足はおおむね発生しないということになります。逆に、全額交付税措置をされたお金を全額積み立てない、積み立て不足がある場合は、基金以外からの財源、一般財源を用いて償還しなければならず、歳出の圧迫を招きます。
 そこで一点目に、本県の臨時財政対策債について、二〇一八年度末現在の発行総額をお答えください。
 また、本県は地方交付税の基準財政需要額に算入された臨時財政対策債償還費の累計額と比較して、臨時財政対策債の元利償還額の累計額が少ない基金積み立て不足の状況にあると聞き及んでいますが、二〇一八年度現在、総額で幾らあるのか、またその額の多さは全国比較が可能な二〇一七年度現在、全国第何位なのか、それぞれお示しください。
 その上で、なぜその不足額が発生しているのかについてもお答えください。
 二点目に、今後の元利償還に係る積み立て不足額の推移について質問いたします。元利償還に係る積み立て不足額については、今後どのように推移するかによって、県の財政運営にも大きく影響してきます。そこで、基金積み立て不足について、二〇一九年度発行可能額、これは七百五十二億円でありますが、これと同等で推移して、かつ交付税算入額及び利率が二〇一八年度交付税算入条件と合わせた場合、基金積み立て不足額がピークになるのは何年度で、その総額が幾らと想定をされるのかお聞きします。
 また、その後、交付税算入見込み額と元利償還額との差がマイナスになる、いわゆる積み立てより返済額が大きくなり財政上の影響が具体的にあらわれるのは何年度からで、かつそのピークの時期、そして額は単年度で幾らになるのかについても、それぞれお答えをください。
 さて、臨時財政対策債の基金積み立て不足というのは、極めて簡単に言えば、国から返済のために立てかえたお金をもらったのに、県は積み立てずに違うことに使ったということの性格と同義であり、事実上の流用であります。このことは国においても問題視されており、二〇一五年五月に開催された財政制度等審議会分科会において、「臨時財政対策債については、その元利償還金に相当する額が基準財政需要額に算入されているが、現実には、その額の全ては償還(減債基金への積立を含む)に使われていない」とした上で、このことを「他の歳出に流用」と、はっきり述べています。その上で、「基準財政需要に算入された元利償還分は、確実に償還(又は減債基金への積立)に充てられる仕組みとすべき。」とも述べています。なお、知事は就任以降今日まで、交付税算入見込み額をそのまま積み立てていません。その上、このような指摘を二〇一五年に受けてもなお、本県は積み立て不足を拡大し続けています。
 そこで三点目に、知事は今日まで積み立て不足を生じさせてきた結果、将来の財政運営に大きな影響が生じることを認識して積み立て不足を継続させてきたのか質問します。
 また、そもそもなぜ臨時財政対策債の交付税算入見込み額、いわゆる立てかえ分として配分されたお金を、そのまま基金充当しないのでしょうか、お答えください。
 また、一方二〇一六年度以降の発行額については、二十年償還と三十年償還が五対五に改まっており、二〇一八年度まで継続していますが、改めた理由についてもあわせてお答えください。
 四点目に、臨時財政対策債の積み立て不足に対する今後の取り組みについてただしておきたいと思います。本県は二〇一八年度だけを見ても、実に六十四億円もの流用を行っており、この状況を続けてしまえば、今後も返済財源の不足については拡大をする一方であり、またその結果、将来世代に負担が先送りされてしまいます。
 そこで、償還財源の流用という財政規律の観点からも問題である現在の状況を改めるとともに、今後の基金積み立て不足を少しでも抑えるためにも、臨時財政対策債については、本県の返済計画とは別に、交付税算入見込み額をそのまま基金積み立てを行う方式に変更すべきだと思います。知事の認識をお聞きします。
 最後に、本県は今後、臨時財政対策債の積み立て不足によって、近い将来、大幅な財源不足が生じる危険性が迫っています。この基金不足に対する代替財源を知事はどこで捻出しようと考えているのか、お答えください。
 また、今後、将来に負担を残さない観点から、規律ある財政運営をどのように取り組んでいくのか、知事としての決意をお聞きします。
 以上、よろしくお願いをいたします。(拍手)

◯副議長(原中 誠志君) 小川知事。
*知事答弁

◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
 まず初めに、臨時財政対策債の発行総額と交付税の算入額についてでございます。平成三十年度までの発行総額は一兆六千二百九十三億円でございます。返済総額は四千二百六億円、これに対する交付税算入総額は四千八百七十七億円となってございまして、六百七十一億円の差が生じております。また、一年前、平成二十九年度までのこの差額は六百七億円でございまして、全国と比較しますと、全国で三番目となっております。
 この差が生じる理由でございます。地方交付税の算入に当たりましては、臨時財政対策債の返済にかかわる二十年返済と三十年返済の割合が、全国一律に五対五というふうにされております。一方で私ども福岡県におきましては、金利の動向に加えまして、市場における福岡県債の評価あるいは投資家の御意見、これらを十分踏まえた上で、最も有利と考えられる借り入れを行いました結果、その割合が二対八と、一年当たりの返済額が二十年返済よりも小さくなる三十年返済の割合が高くなりまして、この差が生じているものでございます。
 返済計画の見直しと差額の将来見込みでございます。臨時財政対策債につきましては、交付税の原資不足により、平成十三年度に三年間の時限的な特例措置として導入されたものでございますけれども、その後、今年度まで六度にわたり延長がされております。本県におきましても、多額の発行を余儀なくされておりまして、実際の返済額と交付税算入額との差の累積額が拡大傾向にありました。この臨時財政対策債の発行というのは、これからもしばらくは続くと、このように見込まれますため、平成二十八年度から毎年度の返済額が大きい二十年返済の割合、これをふやしまして、二十年返済と三十年返済の割合をおおむね五対五とする見直しを行ったところでございます。
 差額の将来見込みでございますけれども、今後も今年度と同額を発行し、同じ条件で償還すると仮定をし、試算をいたしますと、返済総額が交付税算入総額を下回る額が最大となりますのは令和五年度で、その累積額は九百十一億円程度になる見込みでございます。その後、令和六年度からは単年度の返済額が交付税算入額を上回り、令和十八年度にはその差額が百三十二億円程度と最も大きくなる見込みでございます。今申し上げました試算におきましては、先ほど申し上げました返済計画の見直しによりまして、令和五年度の差額の累積額が二十二億円程度圧縮をされ、令和六年度以降の返済額が交付税算入額を上回る期間も十八年から五年間短縮をされているところであります。
 差が生じていることについての認識でございます。地方交付税につきましては、人件費、社会保障費、臨時財政対策債の返済など約五十項目ごとに国が定める基準に基づき算定をされております。そのため、項目ごとに差が生じるのは制度上あり得ることでございます。交付税は、地方固有の自主財源でございます。その使途は地方自治体が地域の実情に即してみずからの判断で決定すべきものであるというふうに考えております。本県におきましては、厳しい財政事情の中、その時々の喫緊の課題に対応していくため、この自主財源を有効に活用いたしまして、優先度の高い施策を展開をしてきているところであります。
 返済計画とは別に、交付税算入見込み額との差額を基金に積み立てる方式、これに変更したらどうかという御指摘でございます。先ほど申し上げましたように、返済額と交付税算入額との差額の累積額は令和六年度以降減少に向かうことになってございます。返済額と交付税算入額との差額を別途積み立てる必要はないと、このように考えております。
 今後の財政運営でございますけれども、将来に向けて持続可能な、また安定した運営ができるよう、中小企業の振興、先端産業の育成、企業の誘地の推進などによりまして税源の涵養を図っていくとともに、財政改革プランに沿って人件費の抑制、事務事業の見直し、財政収入の確保など財政の健全化に全力で取り組んでまいります。

◯副議長(原中 誠志君) 佐々木允君。

◯二十二番(佐々木 允君)登壇 知事からそれぞれ答弁がありました。以下、知事に要望させていただきたいと思います。
 今回は、いわゆる問題提起という立場で質問させていただきました。知事の発言にもありましたとおり、今後もこの臨時財政対策債があるといったことになれば、今後もこの返済について、年々その償還額がふえていくわけでありますので、本県財政に与える影響は年々増してくるということになります。かつ、この流用額が二〇一八年度末現在六百七十一億円に上っていて、また試算では二〇二三年度には流用額が九百十一億円まで膨らみ、五年後二〇二四年度以降は一気に元利償還額と交付税算入額の見込み額がマイナスになるということも明らかになりました。しかも、その額は、流用を行っている二十五道府県の中で第三位と突出をしています。
 知事は、二十八年度から五対五に変更して、その差が縮まったということの成果も披瀝をされたところでありますが、現在もなお続くこの流用を、今後も続けることも今回明言されました。そうなれば、試算ベースではありますが、その流用総額は二百四十億円になるわけでありますから、これは新たな将来負担としてのしかかってきます。
 また、臨時財政対策債の発行自体が長期化し、発行額が多額になったから差がふえた、こういう趣旨の発言をされておりますが、多額であろうが、流用せずにそのまま積み立てておけば差は広がらないはずであります。なので、その理由は当てはまらないのではないでしょうか。交付税であり項目ごとに差が生じることはあり得るという発言もありました。しかし、臨時財政対策債は赤字地方債で、かつ国から元利償還金の全てが算入をされており、地方交付税とはいえ、その性格は全く異なります。そのことは財政制度等審議会分科会でも、本来は減債基金に積み立てておくべきということで言われています。交付税は使途に自由がある、みずからの判断で自主財源を有効に活用したとありますが、自由だからといって、本来ためておくべきお金に手をつけて、将来に対して相当期間のツケ回しをするといったことになりますので、財政規律の観点からも極めて問題だと感じます。確かに知事三期目の間、この流用額は、流用することによって増加という形で県財政に貢献をします。しかし、知事三期目の任期満了後ほどなくして、この流用したツケがやってくるわけであります。いま一度、臨時財政対策債の償還のあり方については早期に議論を惹起させて、財政規律の確立をしていただきますよう強く要望をして、私の一般質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

福岡県議会議員
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