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一般質問

2017年09月20日

 今日は私の一般質問。県議会では10回目、市議時代も含めると41回目となります。
 今回は「病院以外で最期を迎えるための各種取り組みについて」および「社会的養育」についてそれぞれ質問しました。
 以下、概要です。
【病院以外で最期を迎えるための各種取り組みについて】
 内閣府が2012年に行った「高齢者の健康に関する意識調査」では、「最期を迎えたい場所」として75歳以上の63.9%の方々が病院以外で最期を迎えたいと答えているなど、病院以外(在宅や老人ホームなど)で最期を迎えたいと希望している方はとても増えています。
 一方、日本において病院以外で最期を迎える方は、全国平均22.19%ですが、福岡県では、それを大きく下回る15.97%と47都道府県のうち45位とワースト3位と極めて低い状況です。福岡県はこれまで10年以上にわたり2ワーストが続いている状況であり、病院以外で最期を迎えたい、と多くの方が思う現状と大きくかい離しています。

 ただ、福岡県は、病院以外の場所で最期を迎えるに当たって必要な医療資源が他都道府県より充実しています。
 2014年現在、在宅療養支援診療所の対人口比を見ると、本県は全国平均の1.68倍、訪問看護ステーションは同じく1.2倍、訪問薬剤指導実施薬局は1.88倍と、全国平均より充実しています。また高齢者施設においても、この10年で特別養護老人ホームで7751床増、有料老人ホームにいたっては2万41室増と、10年前の2.77倍となっており、施設面での充実も顕著です。
 また、高齢者人口の増加によって、日本は「多死社会」と呼ばれるようになっています。事実、本県の死亡者数は年々増加し65歳以上の死亡者数は
2005年:3万5681人
2016年:4万5410人(+9729人)
2025年:6万人超
 となります。
 一方、このたび策定した福岡県地域医療構想では、県内の総病床数を2015年の6万8291床から2908床減少する構想を打ち出しました。特に死亡する場所として多いとされる慢性期病床および急性期病床を1万4364床も減少させるとしています。これは現在の全ベッド数の2割にものぼっています。
 このような現状を見ると、病院以外で最期を迎える体制と取り組みについては、今後本県は、質と量の両面で相当の施策充実が図られないと、「終末期難民」を生み出すのではないかと危惧しています。
 以上の点からも福岡県における取り組みの強化を訴えました。
 服部知事職務代理者(小川知事は病気療養中のため代理となっています)からは、
〇訪問看護体制の連携強化
〇介護施設管理者等への看取りに関する研修会の実施
などをおこなっているが、それらの内容充実、参加場所の再検討なども含め、さらに看取り可能な体制づくりを進めると答弁がありました。
 また在宅死亡率等、数値目標の設定の必要性についても、今後検討を始めることが言及されました。
 【佐々木はこう思う】
 色々やってきたことを述べてきていますが、結局10年以上ワースト2位である実態からすれば、それらの施策が本当に充分だったのか、と思わずにはおれません。
 これまで述べてきたように、相当の努力がないと、今後、在宅死亡率の大幅な増加は見込めないと思います。執行部の姿勢を見るような答弁でしたが、いずれにしても今後取り組みのさらなる推進が言及されましたので、今後の動きを引き続き注視したいと思います。

【社会的養育について】
 自分の家庭で過ごすことのできない子どもは、2016年においては、全国で4万5212人、本県では政令市と含め2074人となっています。
 このような中、国は2016年に児童福祉法が大幅に改正し、すべての子供の育ちを保証するとともに、そのために社会的養育の充実とともに、家庭的養育優先の理念を規定しました。

 さて、県内の里親委託については、政令指定都市においてはその権限が市に移管されております。特に福岡市の里親委託率は2015年に33.3%と都道府県・政令指定都市の合計69団体中、第8位と極めて高い状況にあります。一方福岡県は2015年度に19.4%となっており、13.9%と大きな差が生じています。
 同じ福岡県にも関わらずこのような大きな差があることは、施策面で本県の取り組みに何らかの課題があるのではないか、と感じます。

 またこの数字の差を施策の面で物語っているものの一つが、政令市と県との独自助成の差です。
〇高校等に入学する際、国の助成6万1030円に加え、
福岡市 :公立5万円、私立は15万円
北九州市:公立2万5千円、私立は10万円
〇大学等進学では、国の8万1260円に加え、
福岡市 :4万5千円
北九州市:32万5千円(祝い金含む)
〇就職時は国の助成8万1260円に加え、
福岡市 :4万5千円
北九州市:3万5千円(祝い金含む)
の独自加算をそれぞれしています。
 しかし、本県においては、大学進学時の受験料及び入学金があるのみです。
 いずれにおいても、福岡県の一層の取り組みが急務です。その点を質問しました。
 服部知事職務代理者からは、これまで児童相談所の体制整備や里親専門職員の配置等で、全国平均を超える里親委託率になっているが、今後、他の自治体の取組みを踏まえながら、里親の皆様からの意見もお聞きした上で、子どもの将来にとって、どのような支援が効果的かについて検討していくことが言及されました。
 
 また、今年8月、厚生労働省の検討委員会で「新しい社会的養育ビジョン」がとりまとめられました。
 このビジョンでは、改正児童福祉法の理念を具体化するために、詳細かつ網羅的にその工程も含めて示されています。具体的には3歳未満の児童については5年以内に、就学前については7年以内に里親委託率を75%以上にし、学童期以後の児童については10年以内に50%にするという目標などが示されています。
 これらの目標はこれまでにはなかった数値目標であり、県行政においては、ビジョン達成に向け児童相談所の更なる体制整備や各種施策の充実が必要となっていきます。
 そこで「新しい社会的養育ビジョン」の達成に向けて、本県としてどのように取り組んでいくのか、今後の取り組み推進もあせて質問しました。
 服部知事職務代理者からは、国では、現在、このビジョンを受け、各自治体の里親推進の取組み状況を聞き取りながら、新たな目標や自治体への支援策等について検討している段階であること。県としては、家庭的な環境で児童を養育する観点から、引き続き、里親委託を推進してまいるが、今後の取組みについては、まずは、こうした国の動きを把握した上で、判断していくことが言及されました。
【佐々木はこう思う】
 確かに全国平均より里親委託率は高いとは言え、まだ2割程度であり、先ほど言及したように福岡市とは13%以上差があります。
 全ての子に家庭のあたたかさを提供出来るよう、県行政は特段の取り組みをより強化してもらいたいと強く要望していきたいと思います。
 
 2枚目の写真は守谷正人副議長。我が会派の先輩県議です。



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