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なぜ労務職を新規採用するのか?

2013年08月25日

 今回行われた総務文教委員会の中で、総務課から「労務職の定員管理計画」について報告がありました。これは、事務事業の見直しに際して「総人件費の削減」を目的に労務職の削減も行ったところですが、「このままでは労務職場の業務運営に支障を来すことが懸念される」として、改めて見直しをかけるとしています。

 この中で委員会では、今回の採用試験での労務職の採用について話題になりました。

 今回、田川市は労務職の職員登録試験を実施します。採用人数は4名程度を記載されていますがここには「ごみ収集業務などの業務に従事します」とあるだけで、詳細な記載はありません。

 しかし、今回の資料では「環境対策課清掃係」の正規職員が平成26年度に前年の11名から13名に2名増員となること、「水道課工務係」の正規職員が平成26年度に前年の4名から6名に2名増員となることが示されています。以上の点からも今回の「4名程度」採用が、ごみ収集業務2名と、水道課業務で2名の計4名と見ることが出来ます。

 さて、その2つの業務に関して、今回の「労務職の定員管理計画」でこの2つの業務は、大きな体制変更を行うことを明記しています。

 まずごみ収集業務に関しては、新ごみ処理施設が本格稼働する平成28年度からは「新たな方針に基づいた取り組み」を実施することになっています。よって「新ゴ未処理施設が建設されるまでの間は、現行体制とする」とも付記されています。

 よって、当分の間はごみ収集も直営とするものの、新ごみ処理施設の完成後は組織体制を変えることも視野に検討することとなります。

 また水道課工務係業務に関しては、より明確に「平成30年度から業務委託の実施、もしくは指定管理者制度を導入する」と書いています。

 では、なぜ今後、組織体制の変更がされることが執行部側から明記されているにも関わらず、40年近く採用する必要が生じる正規職員を採用する必要があるのでしょうか。その点について総務部長に質問したところ「まだ具体的なことは、はっきりとしていない」と答弁しましたが、だったら、なおさらなぜ正規職員が必要なのか、分かりませんでした。

 では、最初に執行部が示したように「このままでは、労務職場の業務運営に支障を来すことが懸念される」との現状を打開するために採用するという理由が考えられます。

 しかし、ここで違う疑問がわきます。田川市は、平成10年度から労務職を段階的に一般行政職へ職種変更しているのです。その数は延べで32名。伊藤市長が市長に就任した後も行っています。なぜ支障が来すことが容易に判断できる状況(正規採用の場合、定年まで在籍すると仮定して10年単位の職員管理が可能です)なのに、32名も労務職を一般行政職に移動したのでしょうか。

 またごみ収集業務に関しては、そもそもごみ収集業務の組織改編と新ごみ処理場の建設がなぜ関係性があるのか、私には分かりません。ごみを収集し運搬する業務とごみを焼却する業務は、全く別物だからです。

 この労務職のあり方については、他にも色々分からない点が多々あります。このような数々の疑問に対し、執行部は明確な理由説明が必要です。なぜなら正規職員は今後40年近く雇用をした場合、おそらく2億円近くの税金をその人に生涯賃金で投入することになります。労務職に限らず、職員採用は充分精査した上で雇用することが求められると思います。

 

 以上の点から改めて整理すると、私の疑問は以下の通りです。

 

  • 清掃部門は組織体制の見直しを言及し、水道課工務係は民間委託等を明記し、少なくとも5年以内にはいずれの組織についても、体制変更が示されているにも関わらず、なぜ40年近く雇用する正規職員をそれぞれ2名ずつ採用する必要があるのか。

  • 労務職の現状について「このままでは、労務職場の業務運営に支障を来すことが懸念される」と言いながら、執行部はこれまで32名もの労務職を一般行政職に移管している。その事実と今回の採用との整合性はあるのか

 

 この件については、9月議会の会期中に、別の日程を取り、集中論議をすることが決まりました。今後もしっかり勉強して臨もうと思います。

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