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視察3日目 北杜市甲陵高校、中学校

2013年10月24日

 

 視察3日目は、北杜市立甲陵高校と中学校の視察を行いました。

 まずここは、昭和32年に5年後に公立移管するということで設立。43年から一部事務組合立高校になっています。中学校ができたのは平成16年からとのことです。また少子化の中で高校の生徒確保(中学生はそのまま高校に行くため)の面も議論に出たとのことでした。

 中学校は受験制度はおこなえないため、作文、面接、適性検査3つをかしています。教科としては、算数、社会、理科ですが、いずれも文章を書く方式。となっており、集団討論や面接を行うそうです。校長先生からは「義務教育の範囲内ので、学力だけでないところを伸ばしたい。」という話をもらいました。

 中学校の倍率は4倍弱。一学年40名で120名程度の生徒がいます。中学校は併願は可能で、山梨大学付属中学校との併願が多いそうです。ただし、今年は入学辞退はなかったそうです。

 募集資格としては、以下のどちらかがあればいいということっです。

 1,通学時間が1時間以内

 2,入学時に北杜市に保護者とともに居住していること。

 中学生の居住状況は、北杜市民が半分、市外が半分です。

 教員は、県費教員で移動があります。その点では普通の中学校教員と何ら変わりません。

 課題としては、教員の人員確保野天をあげられており、非常勤を6名を配置してもらっているもののいつまで続くか心配であることが述べられていました。また中学2年生は海外語学研修で毎年オーストラリアに行く事になっています。しかし近年は30数万円の費用がかかっており(すべて保護者負担)、費用面の課題が出てきているそうです。

 

 

 つづいて高校です。高校としては、山梨県枠として40名、県外で40名、そして中学校からの入学で40名の計120名が定員です。高校は国語、算数、英語、面接の試験です。試験難易度が高いため、5教科だと負担が重いというのが理由だそうです。県立高校との併願はできないとのことで、昨年の倍率は実質1.2倍(前期後期を両方受ける人がいるので実数計算)、前期、後期とも同じ人数を募集します。

 学生の居住については、北杜市30%、ほか山梨県30%、長野県が40%とのこと。北杜市が長野県と県境のため、このような数字になっているとのことでした。

 特徴的な授業としては、進学実績を上げるために、予備校との連携を行ったり、90分授業にしたり、先生を生徒が選べる方式を採用したりしています。以前はかなり成績も厳しい高校だったそうですが、校長先生いわく、平成10年代からかわったそうです。特に進学に力を入れている点をハード面、ソフト面で重視した事が原因とのことでした。

 高校の先生は、移動はなく、ずっとこの高校で過ごします。また部活動は人数の問題で、大きな成績という形までいたっていないとのことでした。近年は、「スーパーサイエンスハイスクール」として理科教育にも力を入れています。

 高校であるような定期テストは行っていませんが、毎週必ずテストがあるそうです。成績も廊下にはりだされていたのがとても印象的でした。

 中学校としてはまだ歴史が浅く、また学力だけを追いかける形を取っていないというのがとても印象的でした。一方高校は進学に強い意志がある運営をしており、高校生は大変ですがかなり成績が伸びる結果をつくっていました。

 ただ市町村合併で今は北杜市立中学校・高校となっており、一部事務組合立であった時期からすでに10年が経過しています。一部事務組合立時代からいる先生に聞いても、教員としては組織形態の違いで運営に変化はなかったと述べられていました。

 なおこの一部事務組合立中学校も設立してわずか2年(設立は平成16年、平成18年に市町村合併によって北杜市立となる)で一部事務組合立中学校は消滅していることからも、この学校をもって一部事務組合立中学校の組織的な観点からの先進事例というのはかなり無理があるように思います。

 やはり組織形態ではなく、今ある学校も含め、どのような運営を考えていくのかをしっかり考え、行動することが大事なんだと再認識しました。今後の組合立中学校の運営にも大きな参考になりました。
 



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