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問題だらけの教育総務課補正予算

2008年09月18日

今日の総務文教委員会は、教育総務課における審議を行いました。以下は審議内容です。

 

教育総務課

 

補正予算では、

 

  • 金川小学校民有地購入費950万円、弓削田小学校国有地購入費50万円の公有財産購入費1000万円
  • 大浦小学校校舎、田川小学校屋内運動場耐震診断の実施費1320万円
  • 中学校ランチサービス事業の実施のための弁当箱購入費で42万1千円
  • 田川中学校校舎耐震補強改修工事の中止5760万円の減額

  

が計上されていました。

 

今回は特に田川中学校校舎耐震補強改修工事の中止に関して、田川中学校の保護者や関係者が20名近く傍聴する中での委員会でした。

 

また最初に委員長より「中学生の傍聴が求められているがどうするか?」という発言があり、他の議員からは「それはおかしい」ということで、傍聴を許可しないという結果になりました。私自身も今日は学校の授業時間であり、学校の授業を休んで市議会の傍聴に来ることは、田川中学校側はどうOKを出したのか知りたかったのですが、やはりその点をきちんと説明しないといけないのではないか、とは思います。

 

まず学校敷地内の公有地購入では、学校敷地内に市有地以外の土地があること自体よくないことではないかと指摘し、他の民有地等に関しても適切な処置をすべきと述べました。ちなみに残りは1箇所(40㎡)だけあるとの説明でした。

 

次に中学校のランチサービス事業実施に関しては、以下のような内容で実施したいと説明がありました。

 

  • 利用率:全生徒の30%(392人)
  • 保護者負担:400円以内
  • 1食あたりの市負担額:行わない
  • 注文方法:1ヶ月単位で注文をとる。当日注文も可能にする
  • 栄養士の雇用:現在雇用している栄養士を活用
  • 配膳員の雇用:現行の学校事務補助員で対応
  • 保温庫・保冷庫設置:設置しない
  • 中学校配膳室整備:整備する
  • 実施期間:平成20年度中に鎮西中・弓削田中で試行実施し、平成21年10月以降に中学校8校で実施。

 

この件に関しては、8月に行われた総務文教委員会の際「次に報告する際は、『今から決めます』という内容は一切ないようにすべき」と言っていたのですが、今回の説明では例えば食中毒の対応などでも「対応マニュアルを作成したい」と今から決めるような内容にしているなど、ずさんな報告になっていました。

 

また、食中毒の対応では大量調理衛生マニュアルでも

 

「配送過程においては保冷又は保温設備のある運搬車を用いるなど、10℃以下又は65℃以上の適切な温度管理を行い配送し、配送時刻の記録を行うこと。また、65℃以上で提供される食品以外の食品については、保冷設備への搬入時刻及び保冷設備内温度の記録を行うこと。」や

 

「共同調理施設等で調理された食品を受け入れ、提供する施設においても、温かい状態で提供される食品以外の食品であって、提供まで30分以上を要する場合は提供まで10℃以下で保存すること。この場合、保冷設備への搬入時刻、保冷設備内温度及び保冷設備からの搬出時刻を記録すること。」

 

など、温度管理に関してかなり厳しい規定がされていますが、田川市ではこのような温度管理は行わないまま運搬する計画になっていますし、保温庫保冷庫の設置も行わないことになっています。

 

それについて食中毒の観点からおかしいのでは、と問いただしたところ執行部からは「大量調理施設衛生管理マニュアルは1食当たり300食または1日750食以上を提供する施設に関しての適用なので、今回は適用ではない」という説明が。では300食以下だったら温度管理しなくても食中毒は発生しないのか??と問いただしましたが、答えは返ってきませんでした。しかも今回の田川の場合、全中学校8校で行った場合の利用率試算は392人ですから、「300食以上」という規定にも当てはまります。

 

また「当初は教育委員会としても保温機の購入などを検討していたが、財政問題でこのような形になって」という趣旨の発言を執行部がしていました。しかし、財政問題を理由に結果食中毒にでもなったとしてら、どうするんですか??と質問。答えは出ないままでした。

 

食材については、現在問題になっている汚染米などの混入に対し、どのように対応するのかも質問。執行部からは「栄養士が対応する」と言っていましたが、それは無理ではないか、と問いただしました。第一、農林水産省職員すら対応できなかったのに、どうやって栄養士が対応するのんですかね??

 

ちなみに学校給食法に基づいて実施する学校では福岡県学校給食会がチェック体制を構築したり、米は県産品を使用したりという体制が出来ています。

 

市の弁当代補助に関しても福岡県内でおなじランチサービス方式を実施している大野城市・太宰府市・新宮町でも50円~100円の費用負担をしているのに対し、田川市は負担がないことを指摘する議員もいました。1食400円の弁当を果たして頼むのか、という点です。

 

また、配膳員の雇用に関しても前述の3市町ではすべて配膳員を独自に雇用しているのですが、田川市では雇用せず現行の学校事務補助員で対応することとしています。しかし同期の議員で太宰府市に視察に行った際「最初は事務補助員で対応することにしていたが、結果対応できなかったため、独自に雇用した」という答えもあったように、実際は事務補助員が対応できないのではないか、という質問もあっていました。

 

今回上程している弁当箱購入費でも、ごはんの弁当とおかずの弁当の2つの容器を買うことになっています。しかし太宰府市の場合、①ごはん②温かい副食③冷たい副食④汁物、の4つの弁当を使っています。田川市が計画する2つの弁当では足りないのでは、と質問しました。

 

やはり私が8月21日の総務文教委員会の報告で書いたブログ

 

「この問題は、行うことが先走りすぎて検討項目の精査が十分でない気がします。」

 

と書いたのですが、まさにその通りの結果になってしまいました。これだけ問題点がある中で実施すれば、必ず実施しているときに大混乱になってしまいます。「このままではこの予算には賛成できない」という議員もいるのが事実です。

 

次に田川中学校耐震工事の中止に関して審議。これも問題点の多い内容になっています。

 

簡単に言えば、

 

  • 田川中学校の耐震化工事を中止し、そこであまった予算で学校の耐震化診断を行いたい
  • すべての小中学校の耐震診断が終わりIS値がでたあとに、低い順から工事を実施していきたい

 

というものです。

 

では、まずすべての小中学校の耐震診断の結果がでるのはいつか、と聞くと「来年の秋ごろ」という答えが返ってきました。学校の耐震化工事は夏休み中に行わないといけないので、これだと今年も、来年も耐震化工事は実施されず、田川中学校の耐震化工事は早くて今年も入れて3年後しか工事ができないということになってしまいます。

 

教育委員会も当初予算で耐震化工事を行わないといけないと認識しているのだから予算に計上したはずです。しかし、それが3年後となると、それに関してどのような説明をするのだ、と問いただしました。

 

また教育委員会はしきりに「先に耐震診断を行い全学校の耐震化がどうなっているのか調べたい」と言っていますが、そう言うのなら田川中学校の耐震化工事に加えて耐震診断の実施費用を増額補正すべきです。そういう形で補正予算を計上した場合、1300万円程度新たな費用がかかるのですが、その1300万円がおしいから、耐震上問題がある田川中学校の耐震化工事を行わないでいい、ということになるんでしょうか??また今回の補正予算総額約5億8千万円から考えれば、1300万円が財政問題で計上されない、というのは市民に対して明確な説明となっていない、と指摘しました。

 

議員の大勢が「この予算編成はおかしい」という意見でした。最終的に他の議員より「もう一度執行部と協議して、その結果どうしていくのかまた違う日に報告せよ」という発言もあり、今日はここまでにして明日14時から総務文教委員会を再開することになりました。

 

今回の予算に関する審議を聞いていても、まず教育委員会と市町部局との協議がしっかりされているのかとても疑問です。また教育委員会自身も当然指摘されるであろう質問にも明確に答えられない状況が続いた点からも、十分な議論がされないままに今回の補正予算をだしてきたとしか思えません。そんな中、予算を議会に提出していること自体大きな問題ではないかと思います。

 

ということで、明日14時から総務文教委員会が行われます。傍聴も可能ですのでぜひお越しください。

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