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自動車産業の影には

2008年10月22日

福岡県が「北部九州自動車150万台生産拠点推進構想」を打ち上げて以来、福岡経済や雇用が自動車産業にシフトしてきました。

 

もちろん産業が発展することは雇用創出などの面でうれしいことなのですが、一方毎週のように求人広告にでてくる自動車部品加工などの派遣社員募集の欄を見ながら一抹の不安を持っていました。車が売れるときはいいのだが、売れないときはすぐに切れる仕組みだな、と。

 

それが現実のものになっています。トヨタ自動車九州工場では6月と8月に約800人の契約社員を契約解除にしています。また残る1400人の契約社員の削減も検討しているとのことですし、日産自動車も九州工場の生産削減を打ち出し、規模は明確にしていないものの派遣社員の削減も表明しています。

 

私が住む田川地域も自動車関連の社員や派遣社員が多数いますがその方々もいつ切られるのか、という不安な毎日を送っているだろうと思います。事実、数日前も知人で夫が自動車産業に働いている方が、残業が無くなって生活が大変になってきたので、どんどん働かないといけなくなった、と言っていました。

 

市長は平成20年度市政所信の中で

 

「我が国経済の景気の好転や「北部九州自動車150万台生産拠点推進構想」により、県北部では自動車産業関連企業が集積する中、まさに現在、本市にとって企業誘致の大好機が到来しているものと考えます。」

 

と述べています。しかし、私は以前より立地面や物流面などで難しいのではないか、と訴えてきました。公共投資が財政的に選択と集中を迫られている中、企業誘致より住環境整備・子育て環境整備に公共投資をあてるべきだと思っています。

 

また労働が商品になるような仕組みは変えなければならないと改めて思います。800人が有無を言わずばっさり切られ、それに不服も言えない仕組みはやはり健全な労働環境ではありません。

 

また「月給30万円可」という触れ込みの派遣社員の求人広告も、残業や休日手当てがつけれるだけつけられての金額です。先ほど紹介した知人の例のように、派遣社員の給与体系は基本的に残業がないと生活できない仕組みになっています。これも使用者側にとって一人でも少なく雇用したほうが、雇用保険や社会保険などが浮くという仕組みが生んだものだとも考えられます。

 

このような状況におかれている多くは20代から30代の若年層です。私も若年層の当事者として解決していくことが、政治の場にいる私の責務です。

 

今回の問題については10月19日の朝日新聞に特集が組まれていました。「朝日がなくなれば世の中のためになる」と言ったどこぞの知事がいますが、そう権力者に言わしめるぐらい権力を監視し、批判する報道機関こそ必要なんだと再認識されました。

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