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首長提案を否決

2009年03月25日

そして24日に提案された条例案・及び補正予算案について以下報告いたします。議案の内容については、3月19日のブログに書いていますので、ご参照ください。

 

議案第33号  田川市職員の退職手当に関する条例等の一部改正について

 

議案第34号  田川市行政改革推進委員会設置条例の一部改正について

 

議案第32号  平成20年度田川市一般会計補正予算

これは伊田保育園の建物改築に対する繰越明許費(翌年度まで予算執行を伸ばすこと)を設定するものです。

 

まずこの議案に対して社民党市議団の香月隆一市議が本会議場で、「当初予算にかかわる議案を当初予算を通した直後に持ってくるなど、明らかにおかしい。この議案は議会ルールを無視している」と訴えました。周囲からも「その通り」と声が上がっていました。

 

そして議案第33号、34号が私の所属する総務文教委員会に付託されました。以下はその報告をします。

 

まず議案第33号について、議員からは「田川市が退職金を払う必要はないのか?」と他の議員が質問。人事課からは「払う必要はない」という返答でしたが、「田川市立病院で退職した場合は、退職金が生じる」という発言をあとになって付け加えてきました。ある議員からは「なぜ最初からその話をしないのか」と指摘されもしてましたが、この件については別段異議なく承認されています。

 

次に議案第34号「田川市行政改革推進委員会設置条例の一部改正について」審議されました。まずこの提案は以下のような改正内容になっています。

 

新体制

【総務部】

総合政策課--①政策推進係②秘書係③合併推進室

【総務部】

行政改革推進室

 

詳細

①企画課の機能分化により総合政策課と行政改革推進室に改編

②総合政策課は主にシンクタンク機能、重要政策立案機能等を担う

③行政改革推進室は全庁的な行革の迅速化等取組強化と進行管理及び今後設置予定の市立病院のあり方に関する審議会について審議

④グループ制の廃止

 

また生涯学習課のグループ制が廃止されます。

 

そして放課後児童クラブをこれまでの子育て支援課から学校教育課へ移管することも出ています。

 

まず「行政改革推進室」について私が「部課長会議や庁議(部長級職員と執行部との会議)にかけたのか?」と質問。すると「部課長会議にも庁議にもかけていない」という答えが返ってきました。

 

これには正直面食らいました。課長職を新たに設けるような機構改革などは最低でも庁議での審議事項であるのが本来の形です。それを部課長会議にも庁議にも報告や審議すらせず、いきなり出してきたというのは、まず庁内の手続き的にも瑕疵があるとしか思えません。

 

また手続き的なのを抜きにしても、そもそも職員全体で行政改革を行っていきたい、といつも言いながら、なぜ部課長会議にも庁議すらかけなかったのか、というのが疑問です。手続きを異例な形で省き、議案提案しなければならない理由はなんなのか、それらもまったく示されませんでした。第一このようなやり方で本当に市長や副市長が言う「行政改革の断行」ができるのかと思います。

 

またこの総合政策課と行政改革推進室の役割分担についても、総合政策課が「主にシンクタンク機能、重要政策立案機能等」を担い行政改革推進室が「全庁的な行革の迅速化等取組強化と進行管理及び今後設置予定の病院のあり方に関する審議会について担う」とあります。

 

しかし具体的な事務分担がどうなるのか、庁議にも部課長会議にも示していないということは、おそらく具体的な分担の決定はされていないのだろうと容易に考えられます。そもそもそれらの事務分担について一定の形を決めて機構改革を行うのが本来の機構改革の流れなのでしょうから、この件を考えても、なぜこうも急ぎたかったのかという点で、なにか違う意図でもあるのではないか、とまで考えてしまうぐらい不思議です。

 

もちろん議会にも行政改革や重要政策立案にかかわる部署の機構改革ですから、十分な説明があってしかるべきです。これをこのような形で示されても議員は納得しないと思います。

 

また、グループ制の廃止」に関してもどのような総括をしたのかほとんど示されないままでした。私や他の議員から総括した文章があるのか?と言われて出してきました。しかしこれも十分な説明はないままでした。

 

そして「放課後児童クラブの教育委員会への事務移管」について話し合われました。執行部としては

 

放課後児童クラブはこれまで市長部局(子育て支援課)が所管していたが、学校は教育委員会の所管のため、その弊害が出ていた。よって教育委員会に持っていきたい。

 

というのが説明でした。

 

しかし先の本会議で教育長は今回の案件について「協議は受けておりません(中略)戸惑っております」と香月議員の質問に答えています(教育長の発言内容が間違っていたので訂正します)。事実、議長などに今回の追加議案を説明する直前の3月14日(土)に総務部長から教育長に説明があったとのことで、そのとき教育長は「このことは決定か?」と聞いたら「決定である」と返答したとの教育長の説明がありました。その後教育長が電話で担当部長と課長に電話をした際、部課長とも初めて聞いたということだったとの説明もありました。

 

私はこれが今回の問題の一番大きな部分であるのだろうと思います。放課後児童クラブの教育委員会への事務移管自体は問題のあることではありません。事実教育長も「事務移管されれば一生懸命がんばっていきたい」と答えていますし、総務文教委員のすべての委員も同じ意見だと思います。

 

しかし、教育委員会は独立機関として首長部局とは対等の関係であり、本来事務移管に関しては教育委員会と首長部局の十分な議論がされるべきものです。しかし総務部長が教育長へ「(事務移管は)決定です」と述べたように、協議はまったくないまま進めたことになります。特に定例教育委員会や3月23日に行われた臨時教育委員会でもこの案件は出ていないということは、教育行政に関する最高意思決定者である教育委員にもこの話はいっていないということになります。

 

この一連の動きこそ、首長部局が教育委員会を事実上の首長部局の一部署としか考えていないという証左だろうと思います。私が以前、田川中学校耐震工事に関して教育長が事実上の「処分」を食らったときも、教育委員会の独立性について市長部局は明らかに越権行為をしている、と追求しました(そのときのブログはこちら)が、今回はこれを一段を明確にしたという感じを受けます。というか教育委員会の独立性を根本から揺るがす問題です。

 

この件について市長は「事務移管については、(職員から)あがってこなかったので私が英断を下した」という趣旨の発言をしていましたが、では子育て支援課長が言っていた「これまで教育委員会ともずっと話し合いを続けてきた」という意見とは矛盾しています。もし矛盾していないとすれば、職員は議論をしていて、市長にはその意見があがらない何かがあるのだろう、ということになります。そうだとしたらもっと問題です。

 

しかも教育委員会への移管を教育委員会側に話をせず「英断」でに市長が決めたということですから、なおさら教育委員会への市長の介入となりますので、これは地方自治法の趣旨や地方教育行政の組織及び運営に関する法律に規定してある業務への介入であり、脱法行為ともとられます。

 

最後に市長は「子どものためにも承認してほしい」と述べていましたが、このような中ではなおさら子どものためにはならないと私は思いますし、もう一度教育委員会と十分に議論してもらいたいと思っています。

 

またこの議案そのものは、行政改革推進室の設置に関する「田川市行政改革推進委員会設置条例の一部改正」ですから、副市長から「行政改革を進めるためにもぜひ承認を」という趣旨の発言がありましたが、私は前述のことからも賛同できなかったので、反対としました。

 

総務文教委員会としては

 

賛成2 反対

 

で、賛成少数で否決となりました。

 

本会議では議案第33号、平成20年度田川市一般会計補正予算については簡易採決でした。

 

しかし議案第34号「田川市行政改革推進委員会設置条例の一部改正」については

 

賛成5 反対14 (欠席1)

 

で賛成少数で否決となりました。私は委員会でも本会議でも反対の立場としました。

 

今回新聞各社では「議会の説明がなかった」という趣旨で報道されています。それだけ見ると悪く言えば駄々をこねてるともとられかねないのですが、議員として総務文教委員会及び本会議にいた人間としては、このような顛末であったという点で反対をしました。その点を市民の皆様にはご理解していただきたいと思います。

 

私が田川市議会議員となって初めて首長提案が否決された瞬間でした。もちろん行おうと思えば、放課後児童クラブの事務移管や行政改革推進室の設置は人事政策上は可能ですが、今回の議会決定は、それらについて拙速だという点で否決したのですから、簡単にできるものではないし、してはならないと思います。

 

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夕方は総務文教委員会主催で「退職者を送る夕べ」を開催しました。課長級以上(だったはず)の方を対象に毎年実施されるもので、今回は総務部長、会計課長の2名が対象者です。また総務文教委員会所管の部課長もほとんど勢ぞろいでした。もちろん自腹です(^^;

 

このような審議がされたのでどうなることか、と思いましたが、悪い雰囲気はまったくなく、終始なごやかな雰囲気でした(^^)どうしても議論でぶつかればあとも悪くなるのが民間・行政問わず間々見られることですが、今回のように議論が終われば一緒に笑いながら飲めるというのは、本当にすばらしいことです。

 

ちなみに私の話になるとこのブログの話にいつもなります。皆さん気にされているんだな、と改めて感じました(^^;しかし所詮私のブログは私の意見を書くだけなので、その点ではこれがすべてではありません。本当は他の田川市議や執行部がそれぞれの意見をHPにだして、いろんな視点から田川市を論じてもらえれば、と思っています。

 

また人事異動についてもいろんな議論がありました。もちろんだれがどうなるというのは私にとっては関心外です。しかし人事異動の内示に関しては本来は3月末より1週間前ぐらいには公表すべきものですが、田川市は毎年遅くなっているとのことです。3月末ギリギリで内示されても、自分の机の片づけで精一杯でしょうし、事務引継ぎなんかもできっこありません。それは市民にとっても行政サービス低下を招く危険性もあります。市民と職員のことを考えると、もっと早くに内示してもらいたいと思います。

 

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