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炭坑住宅は世界遺産登録に「必須」

2009年04月21日

「まこと通信」の発送のご連絡をしたら早速数件のメールが来ました。いろんな方々からご愛読されているんだなあ、と改めて感じました。ありがとうございました。

 

今日は連日の獅子舞や「まこと通信」の作成などでバタバタしていたので休もうと思ったのですが、結局一日いろいろしていました。。。と言ってもいつもよりはゆっくりできました(^^)夕方からはまた用事でしたけどね・・・。

 

話は変わり・・・

 

先日、再び海外の専門家が来田し、松原炭住などを視察したという記事が出ました。以下は引用です。

 

世界遺産推進協 松原炭住など調査 田川視察の海外専門家 再び「貴重」と絶賛

 世界遺産の国内暫定リストに入った「九州・山口の近代化産業遺産群」の関係6県1市でつくる「世界遺産登録推進協議会」(会長・伊藤祐一郎鹿児島県知事)の諮問機関・専門家委員会は19日、田川市伊田の「松原炭鉱住宅」など田川地区の産業遺産を調査した。海外専門家が以前保存の必要性を指摘した同住宅について「貴重な文化遺産だ」と再度評価した。

 調査には、国際記念物遺跡会議(ICOMOS)のマイケル・ピアソン氏と、英国の世界遺産専門家・バリー・ギャンブル氏たちが訪れた。

 同住宅で2人は、炭鉱長屋や共同トイレなどを視察し「共同で使っていた名残があり、当時の生活を伝える本物の素材」と絶賛。「旧三井田川鉱業所伊田坑第一・第二煙突(通称二本煙突)と竪坑櫓(やぐら)とともに、炭鉱文化を知る具体的な場所として紹介されることは間違いない」と話した。

 「移築や代替地で対応できないか」と提案する市関係者に対して、「本物が残っていることに価値がある」と強調。「壊す前に、海外や国内の人が何に興味があり、何を見たいのか考えた方がいい」と語った。

 これに対し、伊藤信勝市長は「ほかの近代化遺産との関連を考えながら(炭鉱住宅を保存するか否かを)検討したい」と話した。

 この日、2人は福智町の「旧三菱方城炭鉱坑務工作室」(現九州日立マクセル赤煉(れん)瓦(が)記念館)や、香春町の旧アサノセメント香春工場なども見学した。

=2009/04/20付 西日本新聞朝刊=

(引用終了)

 

改めて世界遺産に登録を進めるには松原一区の炭坑住宅が「必須」であるという見解が出されました。複数の専門家が同じことを言っているのですから、世界遺産登録の際にもこのことは必ず求められるでしょう。

 

この世界遺産登録に関して執行部は、平成21年度予算の文化課予算において世界文化遺産登録に関する委員会の必要経費を数百万円計上しています。その上で、今回の世界遺産登録に関する執行部の見解として

 

「世界文化遺産の取り組みについては(中略)伊田竪坑櫓と二本煙突に対象資産を中核に・・・」

 

と述べています。

 

これらを整理すると、

 

「世界遺産には登録できたらいいけど、松原炭坑住宅は取り壊すよ」

 

と言っている、ということになります。もしそうだとしたら以下の点から大きな問題だと思います。

 

そもそも世界遺産は、「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」に基づき、「顕著な普遍的価値」を有するものを後世にまで保護しようという趣旨で登録をするものです。その上で海外の専門家は「顕著な普遍的価値」の構成遺産として松原炭坑住宅は必須である、と以前もそして今回も述べています。

 

しかし必須のものを取り壊しながら世界遺産をください、という話ですから、海外の専門家からは世界遺産の趣旨をまったく理解していない中で申請をしているというとらえ方もされかねず、田川市のイメージ低下にもなってしまいます。

 

それらの点から執行部側の世界遺産に対する認識の甘さをとても感じてしまうのです。

 

しかし現実的にあれだけ老朽化した建物を保存するのは並大抵ではありません。個人的にはNPOなどを作ってトラストなんかできないか、とも考えましたが、いろんな法律にも縛られている建物でもあり、民間レベルで保存運動をしたとしてもなかなか簡単にはいかないだろうと感じています。

 

問題は様々ありますが、執行部として世界遺産登録に向け予算を計上し、また市役所には世界遺産登録の決意を書いた横断幕を掲げている(はず)以上は、しっかりした対応が求められます。

 

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