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法政大学勉強会 自治基本条例と議会の関わり

2009年10月20日

まず法政大学の講義の報告を・・・

 

2日目初日は、新潟県の石平春彦上越市議会議員による「わがまちの憲法をつくる 自治基本条例 そして議会の関わり」と題して講義が行われました。

 

まず自治基本条例の必要性について第1に都市型社会の成熟の面から、第2に市民の自治活動、自治体の自主自立の取り組みの進展、第3に地方分権改革の具体化、をあげ必要性を述べられていました。

 

またこの自治基本条例は日本地方自治の権威、松下圭一法政大学名誉教授が1994年当時より述べられていたことも紹介されました。

 

その上で、自治基本条例の定義として石平氏は「自治やまちづくりに関する基本的な事項を定めるとともに、住民や議会、長の権限(権限)と責務、行政運営等の仕組みを明らかにする自治体の憲法(最高規範)である」と述べられていました。

 

その上で現在全国で進められている自治基本条例については大きく①理念型②総合型③個別型の3つに分類をしています。

 

また条例案の提出主体(首長か議会か)、条例案の策定主体(公募市民のみ、自主参加市民のみ、公募市民と職員、公募市民と学生と職員、公募市民(比較多数)と指名委員、公募市民(比較少数)と指名委員、指名委員のみ、議会の特別委員会、庁内特別委員会)など細かく分類し、各自治体が制定した自治基本条例の背景を分析しています。

 

その中で多くの自治体が、公募市民を中心としたワークショップ等を通じて白紙から開始し、策定過程で、随時一般市民を対象とした説明会や懇談会などを行っていることなども報告されました。

 

上越市の自治基本条例については、全国最多の14市町村合併後の新しいまちづくりのために自治基本条例の検討を市長が表明、その後、市民学習会や公募市民による「みんなで創る自治基本条例市民会議」の発足と素案作成、議会のなどを通じ、全会一致で制定されたことが紹介されました。

 

特に上越市の場合は、自治の再構築やそれにおける市民の役割、都市内分権(地域自治区制度の創設)などを列挙しています。また市民投票に関する規定も導入されていました。

 

問題提起として石平氏は、

 

1、自治のそれぞれの主体が自治の仕組みの再構築のための物語を一緒になってつくること

2、自治体の最高規範としての民主制と厳格性、及び進化する自治体法としての柔軟性を併せ持つ手続きを考えること

3、制定した条例を生かし、より良いものとする不断の努力を重ねること

4、関連する個別条例の整合と新たな条例整備を図ること

5、特に議員・議会としては、自治基本条例の本旨を踏まえた議会基本条例の制定を進めること

6、自治・分権をすすめるために国の法体系・法制度の改革・改正を求めていくこと

 

などを述べた上で、いずれにしても、議員の日々の研鑽が必要であり、今日のような全国的な研究交流活動に参加したり、公共政策系の大学院への入学なども考えてはどうかと述べていました。

 

私の感想・・・

 

まずこの話を聞く前は「どんな新進気鋭の若手議員だろう」と思ってたら、なんと6期目&議長経験2回というベテラン議員でした。そのような先輩議員から「政策法務が・・・」「住民とのパートナーシップが・・・」などの言葉を聞かされ、最初はあっけにとられていましたが(笑)、最後は本当に尊敬すべきすばらしい先輩議員の一人だ、と思うようになりました。

 

また現職議員ですので、自治基本条例に対す議員や議会の役割もとても細かく述べられていました。

 

他の自治体でのこの手の条例制定過程を見ていると、今回の上越市のように合併というのが一つの契機になっていることは確かだろうと思います。かといってこの自治基本条例は全ての自治体に導入すべきものだとも思います。

 

その中にあってわが田川市のように合併という地殻変動のない地域で、どのように自治基本条例の制定を目指すのか、仮にできたとしても有効性のないものにしないためにどうするか、有効性のある条例でも活用するための具体的な仕組みづくりはどうするか、などを考えていく必要があるだろうと思います。

 

残りはまた明日に・・・

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