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議会側提出の予算修正案が委員会可決!

2010年03月15日

「賛成多数で可決されました」

 

という委員長の言葉を聞いて、今日ほど議員という立場の大切さを実感した日はありませんでした。

 

今日、総務文教委員会で市内小学校の1年生から3年生までの学級について、35人以下学級を実施するために必要な予算を増額(1438万円)する修正案が賛成6,反対1の賛成多数で可決されました。

 

その反対をした共産党も「この少人数学級の実現は絶対進めてもらいたいが、他の予算案で反対があるため」という事での反対なので、事実上総務文教委員会の総意として、増額修正が行われたことになります。よって本会議では総務文教委員会による増額修正案の提出ということになります。

 

もともと35人以下学級の実現については、かなり以前から総務文教委員会や議員の一般質問でも指摘をされ、教育長(当時)も答弁の中で「切に望む」と発言していました。特に総務文教委員会の中では、早く具体的に実現に向けた調整を行うべきだと訴えていきました。

 

しかし、一方で市長などは9月に行われた一般質問の答弁でも「まず教育の機会均等を求めて国に要望してまいりたい」と述べるにとどまるなど、消極的な発言に終始していました。

 

12月議会で社民党の石松議員が少人数学級の実現に向けた一般質問を行った際も「平成23年度から実行できるような体制づくりを考えてまいりたい」とあくまでも考える程度にとどまっています。

 

その結果、執行部は平成22年度当初予算案ではこの35人以下学級実現に向けた予算を具体的に計上はしませんでした。

 

この修正案の発議については、私を始めいろんな議員が、先週より具体的に議員間の調整を行い、また修正案の骨子づくりを行いました。

 

もちろんそのことは市長部局にも耳に入ったみたいで、総務文教委員会の当初予算案説明の冒頭でも市長が少人数学級の件について言及しました。直接担当となる学校教育課でもかなり想定問答を練った上で臨んでいるようでした。

 

学校教育課の説明は「調整に時間がかかる」という発言でした。しかしそもそもそういう問題を解消するために以前から実現に向けて議員が訴えてきたのですから、なぜ以前から準備ができなかったのかを他の議員は指摘していきました。

 

また教育長は「教員採用に関する規則を一学期かけてつくり・・・」など言っていましたが、この教員採用に関する規則は、ほとんど件の公立学校教員の採用に準じたり、市職員の規定を準じたりするなど、調整はほとんど必要のないものばかりです。

 

もちろん来年度からの教員確保が具体的な課題ですし、教育委員会には頑張って頂かなければなりません。

 

見込み通りの場合、

 

● 弓削田小学校2年生

● 後藤寺小学校2年生

● 大藪小学校2年生

● 田川小学校3年生

 

で少人数学級が来年度より実施される予定です。もちろん予算執行は教育委員会側が行うので、もしかしたら状況は変化するかもしれません。

 

今回の議会の増額予算提出については地方自治法第97条2項に「議会は、予算について、増額してこれを議決することを妨げない。但し、普通地方公共団体の長の予算の提出の権限を侵すことはできない。」という規定に基づき行いました。

 

特に後段の文章は気になりますが、これについても旧自治省通達で、増額修正をしようとする内容規模等個々の事例に即して判断しなさい、とされています。その点で今回の増額修正案は、個々の事例を見ても旧自治省通達からは逸脱していない、と考えます。

 

市長の当初予算に問題があるということで議会側が発議したのは田川市議会始まって以来初めてだと思います。その点でも非常に画期的なことです。

 

市長提案に関しては、いろんな意見がありながら最終的には可決していくことが多いのが現状でした。しかし今回のように、市長提案に関しても問題があれば否決や修正をしっかり示していくことこそ、日本の地方自治制度における二元代表制のあり方にとって重要なことであると思っています。

 

議会改革で先進的な取り組みをしている三重県議会のHPには二元代表制について以下のように記載されています。

 

二元代表制の特徴は、首長、議会がともに住民を代表するところにあります。ともに住民を代表する首長と議会が相互の抑制と均衡によってある種の緊張関係を保ちながら、議会が首長と対等の機関として、その地方自治体の運営の基本的な方針を決定(議決)し、その執行を監視し、また積極的な政策提案を通して政策形成の舞台となることこそ、二元代表制の本来の在り方であるといえます。

 

今回の増額修正は、まさに二元代表制における緊張関係と、積極的な政策提案の結果生み出されたものです。この経験は今後の議会運営においてもとても大切にすべきことだと思います。

 

本当は他の所管課の審議も書きたいのですが、取り急ぎこの点についての報告をしました。

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