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社民党の政権離脱について

2010年05月31日

 今日、私が所属する社民党が政権与党から離脱するということを決定しました。よって辻元清美国土交通副大臣も辞任することになります。私自身も取材を受けたり、いろんな人から「社民党はこれからどうする?」などの質問を頂きました。

 

 今回の政権離脱は、社民党にとって一丁目一番地と言っていた沖縄の基地問題に関わることであり、辺野古に基地をつくると明文化されたものを賛同することも、そして政府として決めることも出来なかったのも社民党にとっては当然の動きです。とはいえ政権離脱は並大抵では決断できないものであり、また特に閣内にいた辻元清美国土交通副大臣などは忸怩たるおもいであるはずです。

  

 しかし野党になっても辺野古問題は継続します。よって与党時代とは違った戦略で辺野古に基地をつくらせない行動を展開する必要があります。また今回をきっかけに、民法改正や永住外国人参政権、後期高齢者医療制度、労働者派遣法など数多くの政策課題に与党として携われなくなる危険性もはらんでいます。もっとも大きな問題は憲法改正に関して、これまで社民党が与党にいるから改正議論を議論遡上に載せることはさせなかったものが一気に進む、という危険性は極めて近い将来に起きうる問題です。

 

 与党離脱とは言え、民主党・国民新党の与党の動きすべてに反対していく姿勢はとらないことも確認されています。政策的連合は十分に可能ですし、もし実現すれば新しい与野党という枠組みを超えた新しい国政の枠組みが出来るかもしれません。しかしこのような動きを社民党自身が戦略的に国政内でとれるのか、というのが問われますし、私自身も危惧するところです。

 

 そして自戒を込めて申し上げれば、社民党は単なる護憲政党ではなく、社会民主主義の実現をミッションとしている政党であり、あるべき国家像、あるべき次の社会像をより明確に発信する責務を社民党は怠っていると感じます。社会民主主義は最低でも小さな政府という選択肢はとりません。特に社会保障という観点では少子高齢化は数十年間避けられない構造であり、社会民主主義的政策の実現のためには民間セクターから政府セクターへの資金移動を加速することは喫緊の課題です。逆に言えばその動きを行っていないから国債発行残高が増え続けるのであり、もはや次の社会ではなく極めて近い時期の話とも言えます。

 

 所得税の累進税制の問題等や法人税見直しなどがありますが、それらも短期的な問題であり構造的な問題を解決するものにはなっていません。私自身は消費税議論を党内で行うべきと思っています。また政府セクターへの資金移動は、政府セクターの信頼確保が絶対です。国や自治体においてその信頼確保のために不断の努力を行うことが求められますし、社民党議員はその信頼を勝ち得るための方策を徹底して追求することが、社会民主主義にとって必要な要素の一つです。

 

 私自身、様々な形で行動を提起していきたいと思っています。

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