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下田川塵芥処理センター有価物分別業務に関する行政監査の軌跡

2011年05月10日

 今日は朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、西日本新聞の各紙で昨日の記者会見の様子が掲載されました。朝日新聞はこちらに毎日新聞はこちらに、それぞれネットでも記事配信がされています。

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 こちらは読売新聞。

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 こちらは西日本新聞です。

 

 そもそも今回の結果は、私が田川地区清掃施設組合の監査委員として下田川塵芥処理センターの資源回収施設業務委託に関して、行政監査を行ったことから起因します。

 

 この行政監査の指摘は大きく以下の通りでした。

 

 1,随意契約締結が地方自治法及び契約事務規則違反

平成2年度からA社との随意契約となっている。ここで、特定の業者と随意契約を行う場合、地方自治法施行令第167条の2第1項各号に該当する場合に限って認められる。また、田川地区清掃施設組合契約事務規則が準用することとなっている田川市契約事務規則第25条になるべく2人以上の者から見積書を徴さなければならないこととされている。

 本委託業務の契約は、それらに該当しないにもかかわらず随意契約で締結されており、地方自治法および、事務規則に違反している。

 

 2,委託契約見積書が労働基準法違反の恐れ

 事業者が組合に提出した見積書には、労務単価計算に「男:16000円」「女:12000円」との記載があり、男女同一賃金の原則と性別による差別的取扱いを禁じた労働基準法第4条に違反するおそれがあり、是正を指導すべきであった。

 

 当時出された見積書はこちらです(行政監査結果報告書に添付されていますので、当然公開することが出来ますが、業者名は差し控えます)。

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 3,見積書の検討が不適正

 本委託業務の委託料の算出のため、事業者から見積書を提出させているが、平成17年度のみ3業者から見積りを取っているものの、他の年度は、現行契約の事業者からのみの見積りによるものであった。また、見積書の額がそのまま委託料となっていた。よって、委託料の算定にあたって十分な検討がなされたとは認められず、不適正。

 

 4,有価物売り払い価格差が最大6.5倍もあるのは不適正

 田川市川崎町清掃センターの有価物売り払い単価と下田川塵芥清掃センターの有価物売り払い単価を比較した結果、最大で6.5倍(平成20年度3月の鉄二級)もの単価の差が発生していることが判明した。売り払い事業者によっては多少の価格差は発生することもあるが、前述のように著しく価格差が発生していることは明らかに不合理。現実には組合に報告した価格より高い価格で売却していたことが、強く推定される。

 事業者の報告した有価物売り払い収入額は不合理に低廉であり、適正な額とは認められなかった。組合においては現実の売却収入額を調査し、有価物売り払い収入額が不足していた分について、地方自治法第236条第1項による時効にかからない過去5年間分の収入を確保されたい。

 

 5,組合の事務体制が不適正

 田川地区清掃施設組合は、平成13年4月1日に旧田川市川崎町清掃施設組合と旧下田川衛生組合が合併し設立されたものである。施設二課の業務は、旧下田川衛生組合の下田川塵芥清掃センター(ごみ処理施設)及び下田川クリーンセンター(し尿処理施設)の維持管理事務を行い、事務執行体制は、少数の職員が多岐にわたる事務を行っている状況にある。今回の委託業務契約の基本決裁や関係事務全般において、関係法令に基づかない事務運営がなされていることが散見された。また施設二課における重要決裁は、組合合併時に副組合長が専決できる特例決裁を設けており、このことが施設二課における事務執行体制の大きな問題点と考えられる。

 早急に事務執行体制の整備を図り、田川市川崎町清掃センターと下田川塵芥清掃センターの事務執行の差異に関する調整を急ぐべきである。

 

 詳細は以下の添付ファイルをご覧下さい。

 

 田川地区清掃施設組合行政監査結果報告をダウンロード(2.6M)

 

 さて、これに対して清掃施設組合としては、有価物の価格差の調査と差額の徴収は行わない、事務体制の変更は実施しようとしたものの、福智町・糸田町の議員で構成する運営委員会で反対となり、実施されず、という結果になりました。

 

 ただ契約関係については、全面的に見直し競争入札を実施する事を決定。その結果、今回指名競争入札が行われる運びとなりました。

 

 まず前提として述べるとすれば、私が行えるのは監査での勧告のみで、これには法的拘束力は現在の地方自治法には持ち合わせていません。執行部側がやらない、と言えば我々は太刀打ちできないのです。よって、今回の指名競争入札は清掃施設組合による実施となります。

 

 今回はこれまでの入札方式と大きく契約内容が変わった点があります。それは有価物売り払い代金をこれまでの田川地区清掃施設組合に納入する方式から、委託業者が収入してよい、という点です。これで事務組合としても事務負担軽減になります。

 

 その落札結果は以下の通りです。

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 結果としては、これまでとは違う会社が0円で応札、決定しました。この業者は田川市川崎町清掃センターの資源回収施設業務委託も受けています。今回は地方自治法施行令及び契約事務規則を遵守した適正な入札が行われました。

 

 また結果としては、これまで有価物納入金を差し引いても約2000万円の委託料がかかっていたものが0円になり、大きな税負担の軽減となりました。

 

 ただ今までかかっていた高額な委託料はなんだったのか、という疑念は政治家としてはどうしてももってしまいます。

 

 特に今回はこれまで委託業務を行ってきた業者が入札に参加していますが、

 

 平成21年度実績

委託料:約2749万3200円 有価物売払料総額:332万1834円

 差し引き:2417万1366円

 

 という状況の中で、今回は195万円で入札しています。仮に昨年度の有価物売払料837万8967万円が全て入ったとしても、その合計は1032万8967円となります。平成21年度の実績から見ても、そして現状の鉄スクラップ市場の動向から見ても、劇的に有価物売払金が増加するとは思えません。

 

 今回丁寧に説明しようと長文になりましたが、今回の一連の出来事はやっぱりおかしい。最低でも適正にやってます、とは法律違反の時点で到底言えないですし、価格も今回の結果でいろんな疑念が出てきます。これまでの見積書はなんだったのか、そして監査での指摘通り、施設組合側が見積書を十分なチェックができていなかったのではないか、という点はどうしても感じてしまうのは私だけではないはずです。

 

 もちろん、監査の結果適正な入札を組合が行ったのはとてもよかったと思っています。ぜひ法令遵守の体制をこれからも強化してもらいたいと思っています。

 

 今回の市議選で、私は街頭演説を80回行いましたが、その演説での最初の言葉は「これからも税金の使い道をしっかりチェックしていきます」でした。2期目がスタートした今日、改めてその気持ちをしっかりもって議会に臨もうと思いを強くしています。

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