男女共同参画、抜本的見直しを言及＆臨時嘱託職員、試験制度導入へ

2011年12月09日

　今日は私の一般質問でした。

　まず臨時嘱託職員の試験制度の導入については、これまでの履歴書と面接のみの試験からパソコン操作（Ｗｏｒｄ、エクセルなど）を見る試験を導入することが示されました。

　田川市だけで２６６名の臨時嘱託職員が雇用され、その人件費６億２千万円も使われています。公正公平な採用を図るためにも、採用もクリアにすべきだと思っていましたが、まずは第一歩が踏み出せたと思っています。

　また男女共同参画に関しては、まず市長の基本的な考えを聞きました。市長からは「より多くの啓発が必要」と述べた上で、「現状は十分とは言えない」と付け加えました。この現状の認識認識は今後の具体的施策の推進においても大事なキーワードになっていきます。

　田川市の男女共同参画については男女共同参画センター「ゆめっせ」がその推進組織として活動しています。・・・、と言いたいところですが、実態は非常に伴っていない状況になっています。

　ゆめっせが事業として行っているのは「女性相談事業（ＤＶ相談など）」と「登録団体業務」の２つのみで、「ゆめっせフェスタ」は人権同和対策課の男女共同参画推進室がになっているのが現状です。また予算は今年度４９３万円が計上されていましたが、臨時嘱託職員の人件費を除いたら２８３万円、また男女共同参画後期プランの策定関連費１６２万円や広報紙の印刷費などを入れると、新規事業費は全くない状況です。

　具体的に言えば、出張費は１１万９千円ついていますが、講師交通費として７万円が差し引かれるので、男女共同参画推進室としての出張費は５万円にも満たない状況です。男女共同参画に関しては対外的な活動に積極的に関わり、先進事例を持ってくることが大切です。これだけ見ても現状がいかに光が当たっていないかが分かります。

　市長からも「男女共同参画に関する事業全体を抜本的に見直していきたい」と述べ、予算面や人員配置についても言及がありました。ぜひ来年度にはよりよい形が見えるようにして頂きたいと思います。

　また市役所内に男女共同参画に関する推進委員会が設置されていますが、その委員は全員男性、という状況です。男女共同参画を標榜しながらこれでは大きな問題があると思います。改善を要望しました。

　職員の役職登用での男女比も指摘しました。田川市役所の５０歳以上の職員のうち、男性は９６．４２％（５６名中５４名）が課長補佐級以上の管理職に処遇されているのに対し、女性は２３．３３％（３０名中７名）しか処遇されていません。これに対して市長は「男女関係なく適材適所で」と述べていましたが、７０％以上の差異があって適材適所はないだろう、と思います。第一このデータを見れば女性より男性のほうが管理職として適材である、と述べているようなものです。この違いは明らかに人事施策上の問題にあると思います。今後の人事施策ではこの差異の解消も大きなテーマとしていただきたいと思っています。

　男女共同参画プランについても指摘。現在作られている年次報告書は多くが達成できているとして「Ａ」を付けていますが、たとえば「各種審議会等における女性登用率を促進する」を平成２２年度はＡと評価しているものの、審議会の女性登用率は県内２８市中２８位と最下位です。ほかにも法令上行うべきことをしている施策を取り上げてＡとつけているものもあり、この年次報告書はあまりにもズサンな指標になっていることを指摘しました。今後は大きく改善することを望みます。

　また現在策定が進められている後期計画について、パブリックコメントを来年１月中旬には行うことが言及されました。

　今回の男女共同参画に関する一般質問では、執行部側から抜本的な見直しを行うことや、現状の問題点を認識していることが言及されたことは、今後の男女共同施策を推進していくうえで大きな成果だと言えます。

　ただ男女共同参画に関する分野は広くて深いものがあり、あれもこれも、と手を広げすぎるのではなく、田川市の一番の課題は何か確認し、優先順位をつけることや、そのための効果的な手段が検証されるか、など選択と集中が大きく求められると思います。

　田川市の９７の行政区長のうち女性区長は１名、市立小学校・中学校の女性ＰＴＡ会長は１名、２８課ある課のうち女性課長は３名、部長は０名、という状況です。男女共同参画条例や同プランを田川市は策定しており、その理念と規定に基づいて誠実に行動することが執行部の責務です。今回の質問で抜本的見直しはもはや答えは出ているので、ぜひ大きな変化があるよう、私も注視していきたいと思います。