本文の始まりです

田川市小学校長、給食費横領で懲戒免職

2012年05月09日

 先日のブログでも書いたとおり、田川市立大藪小学校の校長だった方が、給食費を横領した事件で、福岡県教育委員会は、懲戒免職の判断を下しました。まずは記事をご覧下さい。以下は引用です。

 

 福岡県田川市立小の元校長を懲戒免職「横領に相当」

 福岡県教育委員会は7日、田川市立鎮西小学校の広門清・前校長(55)を同日付で懲戒免職とすることを決めた。県教委によると、広門前校長は田川市立大藪小学校の校長だった2009年12月、給食費の剰余金約50万円を自分名義の口座に移した。鎮西小に異動後の10年6月に50万円を引き出し、翌7月、住宅ローンの返済に使っている自分名義の別の口座に入金したという。県教委では「保護者から預かっている給食費は公金に準ずるおカネであり、横領に相当する行為と判断した」としている。

 田川市教委は11年11月に事態を把握していたが、本人が全額を弁済したうえ、「間違えて引き出してしまった」などと釈明したため、口頭での厳重注意にとどめ、県教委には報告していなかった。県教委は3月下旬に市教委に再調査を指示。広門前校長は3月31日付で辞職願を提出したが受理されず、飯塚市内の中学校長に異動する人事が取り消されて自宅待機となっていた。

 田川市教委は7日に記者会見を開き、尾垣有三教育長は「教育に対する信頼を裏切ったことに対し、心からおわびを申し上げます」と謝罪。再発防止策として、6月をめどに、給食費の管理や監査について定めた「給食費取扱要領」をもうける考えを示した。また、市内全小中学校の保護者に、近くおわびの文書を配布するという。

 昨年11月時点で県教委へ報告せず、口頭での厳重注意にとどめたことについては、尾垣教育長は「私的流用はないと判断した。今から考えると私の判断が間違っていたと反省している」と話し、今後は自身の処分についても検討する考えを示した。

 

 また県教委は福岡県庁で行った記者会見で、「今回の田川市教委の対応は非常に残念」と言っていたそうです(その場にいた記者から聞きました)。この「残念」という用語は、簡単に言えば怒っていると言っているようなものです。

 

 それには理由があります。今回の報道でもあるように、また以前にも指摘したとおり、まずこの元校長の事件が発覚した後、市教委は彼を口頭による「厳重注意」=不利益処分に該当しない、と判断、これを県教委にも報告していませんでした。

 

 しかし県教委が今回の一件を把握し、再度調査するよう指示があった後、元校長が住宅ローン用口座にまでお金を移し替え、横領をしていたことが発覚しています。 

 

 もし、県教委の指摘がなければ今回の件は完全に闇に消えます。その点でも市教委の対応に大きな問題があったのは確かです。市教委は小中学校の全保護者に謝罪文を送付するとしており、教育長などの処分も行っていくそうです。

 

 今回の件でただただ危惧するのは、まず県教委が田川市教委に完全にご立腹だと言うこと。加配教員の配置を始めとして県教委の権限はとても大きなものがあります。今回の件でそれらの「締め付け」があるのは必至だと思います。そして市の執行部との関係。これまで私も教育委員会を下部機関としかみていない執行部の姿勢を批判し、独立性を高めることを訴えてきました。今回の一件で立場が弱くなるのは確実です。

 

 それだけ、今回の一件は罪深いのです。なので私は今回の罪については容赦しません。大切な公金をこのような処理をし信頼を傷つけたこと、今後の教育行政に大きな影響を及ぼすこと、それが子どもの教育に影響してしまうことを考えると、擁護などできようがないからです。

 

 ただ罪について容赦しない、というのは、市教委を糾弾することや個人攻撃を行うことではありません。今回の問題の根本的な原因は何だったのか、なぜこのような判断をしてしまったのか、などの背景を徹底的に検証し、今後このような問題がないようにいかに組織の再構築を果たすかについて、徹底して臨むことこそ、大切です。

 

 市教委が進めている要綱作成や、給食費に関する条例の制定、監査体制の強化など具体的に検討すべきは沢山あります。なによりも、田川市はコンプライアンス(法令遵守)についてかなり甘い部分が散見されます。法の執行者として、単に「これまでこのような運用をしてきた」というようなものではなく、法律に則って適正なのかどうかという視点について、もっと力を付けるべきです。

カテゴリー

月刊アーカイブ

福岡県議会議員
佐々木まこと事務所

〒825-0002 福岡県田川市大字伊田4510-6
→アクセス

TEL 0947-85-9015

[受付] 9:00〜17:00 月〜金(日・祝日休)

FAX 0947-85-9007

[受付] 24時間・365日OK

メールでのお問い合わせ

  • LINE公式アカウント