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生活保護 その1

2012年06月06日

 芸能人の親の生活保護問題で、一気に生活保護に関してクローズアップされてきました。田川市も全国平均の約4倍の生活保護率を抱え、その数は年々増加する一方です。

 

 そして生活保護について、様々な疑問や疑念を持っている方も多いのではないかと思います。今後何度かに分け、生活保護について注目し、皆様と一緒に生活保護について考えるきっかけを作っていきたいと思っています。

 

 まず今回は、田川市を中心に現在、どれぐらいの方が生活保護を受給しているのか、またその内訳はどうなっているのかなど、現状のデータを皆様にお示ししたいと思っています。以下がそのデータです。

 

○田川市の生活保護の現状(2012年4月現在)

 生活保護率:60.9‰(6.09%)
 被保護者世帯数:2,145世帯
 被保護者人員:3,063人

 全国平均が16.2‰(1.62%)なので、全国平均の3.76倍の数が生活保護者として居住していることになります。

 

○田川郡部の生活保護の状況(2011年度平均)

 香春町 621世帯 79.2‰
 添田町 548世帯 78.8‰
 糸田町 731世帯 116.6‰
 川崎町 2,068世帯 184.0‰
 大任町 438世帯 123.8‰
 赤  村 172世帯 82.6‰
 福智町 1,676世帯 110.9‰
 田川郡全体 6,254世帯 9,963人 平均保護率118.6‰

 このように、田川郡は軒並み全国平均よりずっと多くの生活保護受給者がおり、田川市郡全体で13,026人の方々が生活保護を受給している計算になります。

 

○筑豊地区の他市(2012年3月現在)

 直方市 1,265世帯 36.5‰
 飯塚市 4,617世帯 52.1‰
 宮若市 897世帯 42.7‰
 嘉麻市 1,980世帯 72.0‰

 筑豊地域の場合を見ると、直方市や宮若市など「直鞍地域」が低い値となっているものの、飯塚市、嘉麻市は高い数字になっています。

 

○田川郡外の他の郡部(2011年度平均)

 筑紫(那珂川町のみ)
 355世帯 13.1‰

 糟屋(宇美町・篠栗町・志免町・須惠町・新宮町・久山町・粕屋町)
 2,603世帯 19.7‰

 遠賀(芦屋町・水巻町・岡垣町・遠賀町)
 2,050世帯 32.3‰

 嘉穂・鞍手郡(小竹町・鞍手町・桂川町)
 1,320世帯 49.2‰

 北筑後(大刀洗町・筑前町・東峰村)
 241世帯 7.9‰

 南筑後(大木町・広川町)
 227世帯 10.4‰

 京築(苅田町・吉富町・上毛町・みやこ町・築上町)
 1,602世帯 27.7‰

 郡部では筑豊地域では高いものの、特に筑後地域は軒並み低い数字になっているのが特徴です。

 

○その他市(2012年3月現在)

 福岡市   30,403世帯 28.6‰
 北九州市 17,925世帯 24.4‰
 久留米市 4,236世帯 19.2‰

 福岡県全体 92,119世帯 25.8‰
 全国 1,497,329世帯 2,065,896人 16.2‰

 全国をみると200万人以上が受給をしていることが分かります。

 

 次に、田川市では具体的にどのような方が生活保護を受給しているのか、その内訳を見ていきたいと思います。

 

○保護者世帯の内訳(2012年4月現在)

 高齢者世帯:982世帯(全体の45.8%)
 高齢者以外の世帯
 母子世帯:175世帯(全体の8.2%) 
 障がい者世帯:205世帯(全体の9.6%)
 傷病者世帯:608世帯(全体の28.3%)
 その他世帯:175世帯(全体の8.1%)

 福岡県の政令市・中核市(福岡市・北九州市・久留米市)を除く市町村における、内訳を見ると、高齢世帯43.5%、母子世帯8.1%、障がい世帯8.7%、傷病世帯19.8%、その他世帯19.9%です。この点からも田川市は疾病理由で生活保護を受給する傷病世帯が平均より高く、リストラ等急激な生活変化等で受給する人が多いとされるその他世帯は低い、という数値になります。

 

○稼働力類型別世帯数(2012年4月現在)

 稼働世帯(働きながら生活保護受給している世帯):208世帯
 非稼働世帯(労働賃金が全くない世帯及び年金世帯、無年金も含む):1,937世帯

 これは、他の自治体平均がデータとしてないので分かりませんが、多くが労働賃金を受給しておらず、無収入か年金のみの家庭が受給していると言うことになります。

 

○医療扶助人員(2012年4月現在) 

 入院:253世帯(うち精神148世帯)
 入院外:2,432世帯

 医療扶助単給世帯(医療扶助費のみ支給している世帯のこと):126世帯(うち入院中の世帯は118世帯)

 入院中の方は精神疾患を抱えている方が多いのが特徴です。

 

 ○生活保護開始・廃止等の状況(2011年度合計)

 面接相談件数:604世帯
 申請件数:244世帯
 開始件数:234世帯
 廃止件数:152世帯

 このことからも廃止より開始が多いため、年間では82世帯の増加となります。ただしこの1年でどのような方が増えたのか、また廃止された方は、お亡くなりになったのか、収入があるために廃止となったのかのデータは持ち合わせていませんでした。この点を追っていけば、傾向が見えますし対策も考えられると思います。

 

○生活保護扶助費の推移(2012年度見込額)

 生活扶助費:17億3,721万4千円
 住宅扶助費:4億5,772万9千円
 教育扶助費:3,298万3千円
 医療扶助費:26億7,765万1千円
 出産扶助費:516万1千円
 生業扶助費:1757万5千円
 葬祭扶助費:2,130万1千円
 介護扶助費:1億909万円
 合計:50億8,975万8千円

 このように、実は生活に直接関係する生活扶助費より、医療費にかかる医療扶助費が高くなっていることが分かります。そのほかにも生活保護には子どもの教育関連の経費、出産に係る経費、お亡くなりになった葬祭費(13歳以上の大人226,770円 火葬費用20,000円)など、かなり細分化して受給します。また当初予算での額ですので、毎年この額よりも多くなる傾向にあります。

 

 では次に、個人単位でどのような受給額となるのかを見ていきたいと思います。まずは、母子家庭(母35歳、子ども5歳、子ども10歳)の例から見ていたいと思います。

 

○居宅1類(個人毎に支払われるもの)
 35歳:34,830円
 5歳:22,790円
 10歳:29,470円

○居宅2類(世帯として支払われるもの)
 3人家族:46,100円
 他に冬期算として11~3月:4,130円、年に1度期末扶助として36,810円

○母子加算(18歳まで)
 2人養育:23,360円

○児童養育加算(中学校修了までの児童)
 2人養育 20,000円

○小学校教育扶助費
 基準額:3,650円、学習支援費2,560円、学級費600円、給食費3,650円

合計:185,510円

なおアパート等に住んでいる場合、家賃補助が加算される
家賃補助:32,000円(32,000円以上のアパート等には居住できない)

 合計217,510円

 

 このように、持ち家の場合18万5千円が、アパートの場合21万7千円をこの家庭の最低生活費として計算します。ただこの家庭の場合、児童手当20,000円、児童扶養手当46,550円が生活保護の有無に関わらず支給されていますので、実際は収入が118,960円以下の場合、最低生活費以下となります。

  

 つぎに高齢者(75歳)一人暮らしの場合です。

 

 居宅1類:28,300円
 居宅2類:37,570円

 合計:65,870円

 家賃補助:32,000円

 合計:97,870円

 

 高齢者一人暮らしだと、最低生活費は現在6万5千円程度です。ただし、高齢者の場合、医療機関に行く場合が多いので、その分も生活保護費から支出(自己負担なし)されます。もちろんこれは、現役世代も同様です。

 

 今回は、まずデータを示すことからさせて頂きました。次回以降は申請手続きの事や、実際の課題などについて、述べていきたいと思います。

 

 田川市の予算の20%近くを生活保護費に費やしており、職員も臨時嘱託職員を含めると30名以上の方々が対応しています。

 

 私も含め、いつ我々も生活保護を受給する立場になるか分かりません。だからこそ生活保護の課題にもっと真正面で向き合い、皆様と考えて、議論し、その中から新しい答えを導き出すことが大切だと思います。

 

 ただ私は失敗や、辛い状況にあたたかい社会であるべきと思っています。憲法25条で保障された生存権を形にした生活保護(もちろん生保がもらえず餓死する問題も発生しました)と、それを支えるシステムとして生活保護費の受給の目指すべき方向性は大切にすべきものです。ぜひこの点踏まえ、議論を重ねていきたいと思います。

 

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