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長野県松本市議会視察

2012年11月13日

 今日は、長野県松本市議会を議会運営委員会で視察しました。松本市議会は早稲田大学マニフェスト研究会の議会改革度ランキングで全国1位を2011年に獲得するなど議会改革に熱心に取り組んでいる議会です。

 松本市議会の特徴は、議会改革を継続的に続けていくために、推進組織を常任委員会とは別に部会で立ち上げているところです(詳しくは
こちら)。例えば政策部会では請願陳情の趣旨説明の導入を行ったり、「移動委員会」として、地域住民に関心が高く、関わりの深い議題については、当該地域で常任委員会を開催するための仕組みなどを話し合います。

 また広報部会では、委員会の審査状況および直近の議会活動等を地元ケーブルテレビで放送したり、議会報告会の運営などについてを話し合います。

 交流委員会では、各種団体との意見交換会の準備や、市民交流会議として「松本市議会ステップアップ市民会議」を開催(これについて後述します)の段取りなどを行います。

 また常任委員会(松本市議会は、総務、教育民生、経済環境、建設の4委員会)で年に1回テーマを決め、研究を行い(所管事務調査に近い形)、その後中間報告し素案作成段階では市民や専門家、関係団体に意見も求めます。

 この仕組みの秀逸なところはこの後です。最終的には素案を「議会政策討論会」というところで行い、各常任委員会の委員が、所属していない議員に対して、政策結果の説明を行います。そしてそれらについて所属していない議員が質疑、議論を行っていくのです。なので、机もいつもは執行部が座るところに、常任委員会の議員全員が順番に座り、説明員として対応することになっています。議員間討議でもここまでしっかり行っている議会はとても珍しいです。

 その後、政策提言すべきと討論会で判断された事項については、市長に対して「政策提言」として市長に手渡すことになっています。ただ、その後この政策提言を市長や執行部がどのようにしていくかについては「まだまだこれから」とのことでした。ただ進んでいるものもあるようで、今後、より体系化していきたいと述べていらっしゃいました。

 またステップアップ市民会議という議会主催の市民交流会議をつくっているところも特徴的な取り組みです。これは公募された市民19名で構成し、①説明責任、情報発信②議会機能の強化、議会運営③市民交流・参加・意見の把握 の3つの部会に分かれ、それぞれ議論を行い、提言書をまとめ、議長に手渡しています。

 その中には「議員定数半減・議員歳費半減」と言った厳しい提言書もありました。その結果については議会も議会運営委員会や各常任委員会で議論し、提言書に対する回答や取り組みについて報告も行っていました。

 ほかにも積極的な情報公開(
HPはかなり充実しています)や議会見集会の年2回開催、議会報告会の開催なども積極的に行っています。

 まず最初の印象としては、さすが全国1位になるぐらいの市議会だと強く感じました。議員間討議もかなり進めていますし、なによりも市民に対してかかんに近づいている姿勢は本当に学ばされます。それだけに、議員の活動の日程がかなり入っている状況もあるようで、その点は大変なところも多いと思います。

 また議会事務局の役割もこのような取り組みをすればするほど求められます。情報収集能力や議会側にたった執行部とのやりとりなど、議会事務局機能の強化などについても意見交換をさせて頂きました。

 田川市議会でもぜひ取り入れたいことが沢山あります。議会運営委員長としてしっかりとりまとめを行い、今後の議会運営に反映させていきたいと思います。

 ちなみに市役所のすぐ前が国宝松本城でした。

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 この建物も取り壊し寸前だったものを市民が建白書を書き、運動を起こして資金集めを行って保存したとのことでした。

 またその近くには旧開智学校があります。

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 ここも明治初期に建てられた擬洋風建築で、建設費の7割を住民の寄付で賄ったそうです。また昭和37年まで現役で使われていたそうです。当時の松本市民の教育に対する思いの強さをとても感じさせられる建物でした。

 私も教育を預かる総務文教委員会所属の議員として、これほどの思いをしっかりもって教育に向き合い、行動していかなくてはならないと強く感じたところです。

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