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◯二十四番(佐々木 允君)登壇 改めまして、おはようございます。民主県政県議団、田川市選出の佐々木允です。通告に従い、里親等委託の推進について質問をいたします。
 さて、知事、本日はこの里親等委託に関係の深い記念日であります。今日は孤児院の日となっています。孤児院は現在の児童養護施設でありますが、岡山県の医師、石井十次が一八八七年(明治二十年)の今日、九月二十二日に、岡山県に日本初の孤児院を創設したことを記念して創設をされたとのことです。石井十次は、今のような制度がほとんどなかった明治の世に、家族や兄弟のぬくもりを大切にし、岡山県をはじめ東北の飢饉によって多くの孤児が出た際にもすぐに駆けつけ、孤児を全て受け入れたとのことであります。児童福祉の父と言われる石井十次のすばらしい行動に、知事も思いをはせていただきながら質問に臨んでいただければと思います。
 まず、里親等委託推進に入る前に、里親関係と関係の深い児童虐待問題についてお聞きをいたします。去る八月二十七日、厚生労働省は、昨年度に全国の児童相談所が対応した虐待相談件数を公表いたしました。これによると、全国の件数は二十万五千二十九件と一九九〇年の統計開始以来、初めて二十万件を超えています。
 そこで一点目に、本県における二〇二〇年度の児童虐待対応件数はどのようになっているのか、また年々増加する児童虐待を踏まえた虐待の防止に係る知事の思いについて、お聞かせください。
 本県では、二〇一八年以降、虐待により八名の子供、特に私の地元田川では、これまで四名の子供の命が奪われるという大変痛ましい事案が発生をしています。極めて憂慮すべき事態であり、二度とこのようなことを起こしてはならないと考えています。我が会派は、六月定例会代表質問においても、度重なる子供の虐待による死亡事例、増加する相談件数を踏まえ、児童相談所の業務執行体制の抜本的強化が必要であるとし、職員のさらなる増員や施設面の充実についてただしたところであります。知事からは、昨今の児童虐待件数の増加や事案の複雑困難化に対応するため、児童福祉司の計画的増員や一時保護所の改修等に取り組んでいくとの答弁をいただいたところです。また、先ほど申し上げた虐待による死亡事件については、専門家による検証が行われ、乳幼児健診の未受診が続く場合や子供に会えない状況が続く場合に、児童相談所と市町村が連携して子供の安全確認を行う福岡ルールの導入や、市町村の要保護児童対策地域協議会、要対協でありますが──で支援の対象となる全ての虐待ケースについて、児童相談所が主体的にリスク判断を行うなど、具体的な提言が出されているところであります。これらは、児童虐待を防ぐ上では極めて重要であります。知事におかれては、この提言に、しっかりと取り組んでいただきたいと思っています。
 さて、児童相談所では、こういった虐待などに対応し、子供を家庭から緊急的に引き離す必要がある場合や、保護者の病気による入院、失踪などで他に子供を養育する者がいない場合には、児童相談所に併設される一時保護所等で、子供の安全確保のための保護を行っています。一時保護された子供たちは、児童相談所や市町村の助言や指導等により、親子の関係が戻るなどして、再び家庭に帰っていくことになります。しかしながら、それらが難しい場合には、児童養護施設や里親家庭などで養育が行われることになります。いわゆる社会的養護、社会全体で子供を養育するという考え方であります。国は、二〇一六年の児童福祉法改正により、子供は権利の主体であることを明確化するとともに、家庭養育優先の理念を明確に規定をいたしました。これは、家庭は、子供の成長や発達にとって最も自然な環境であり、子供の心身の健やかな成長や発達のために大変重要であることから、社会的養護は、できる限り家庭と同様の養育環境で行われる必要があるとし、実親による養育が困難であれば、特別養子縁組による永続的な解決を図ることや里親による養育を推進することを明確化したものであります。私は、虐待や親の病気など様々な理由により、実親家庭における養育が難しくなった子供に対し、家庭と同様な環境の中で養育を提供する里親制度はとても重要な取組であり、ぜひ本県でさらなる施策充実を図っていただきたいと考えております。
 県が二〇二〇年三月に策定した福岡県社会的養育推進計画では、里親やファミリーホームへの委託を推進するとし、社会的養護を必要とする子供のうち、里親家庭等で生活する子供の割合を示す里親等委託率を計画の目標値として掲げられています。計画では、年齢別に分け、二〇二四年度までに、三歳未満では五二%、三歳以上就学前では四七%、就学期以降は三〇%とするとされております。また、計画時の基準となる実績値は、二〇一八年度の三歳未満が一〇%、三歳以上就学前が一六%、就学期以降が二三%でありますから、実績からすると高く設定されているとは思います。しかしながら、福岡市の二〇一八年度の実績値を見ますと、三歳未満が既に五四%、三歳以上就学前が六四%、就学期以降は四五%であることを考えると、本県として、さらなる努力が必要ではないかと感じます。
 そこで二点目に、計画策定から一年半が経過しておりますが、本県の直近の里親等への委託率はどのようになっているのか、お聞きします。
 今後、より一層、里親家庭での養育を進めていくための取組が求められています。里親等への委託を進めていくには、様々な子供の適性や状況に応じ、子供に合った養育がなされるよう、里親制度について理解が深まっていくこと、そして愛情豊かに子供を養育していただける里親に一人でも多くの方になっていただくことが重要であると考えます。また、既に子供を預かって養育されている里親の方に対する相談支援などをしっかりアフターフォローを行っていただき、養育力を高めていただくことも必要であります。こういったことを通じ、多くの里親の方による質の高い養育を実現していくことが何より重要ではないでしょうか。知事は、今年三月に発表した知事選の政策集において、子供の貧困ゼロに向けた社会づくりの推進、またきめ細かな対応が必要な子供への支援を掲げられ、その中で、社会的養護の充実、特に里親委託の推進について言及をされています。
 そこで三点目に、知事は、この里親制度の意義について、どのように認識されているのか、また県では、里親等への委託を進めていくために、これまで以上にどのように取り組んでいかれるのでしょうか、それぞれお答えをいただければと思います。
 答弁、よろしくお願いをいたします。(拍手)

◯副議長(十中 大雅君) 服部知事。
*知事答弁

◯知事(服部 誠太郎君)登壇 御答弁を申し上げます。
 まず、児童虐待の対応件数についてでございます。両政令市を含めました県内の児童相談所が昨年度対応いたしました児童虐待の件数は一万二百七十二件となっておりまして、過去最高の件数となっております。子供の虐待は絶対に許すことはできません。子供の命と権利を断固として守っていかなければなりません。子供を虐待から守るためには、県民の皆様はもとより、県、市町村、学校、医療機関等が子供に対するそれぞれの責務と役割を明確に認識し、より緊密に連携していくことが不可欠でございます。このため、これらを明確にした条例を来年二月の二月定例県議会に提案させていただけますよう準備を進めておるところでございます。併せまして、児童福祉司の計画的な増員を図るなど、児童相談所の体制強化に取り組んでまいります。
 次に、里親等への委託についてお尋ねがございました。昨年度の本県における里親等への委託率でございますが、三歳未満の児童では一三・九%、三歳以上就学前の児童で二四・五%、就学期以降の児童で二四・七%となっております。虐待や親の病気など様々な理由により家庭における養育が困難になった子供に対し、温かな愛情と正しい理解を持った家庭の中で養育を提供いたします里親制度は、子供の健全な育成を図る上でとても大事な制度であると考えております。県では、里親登録者を拡大いたしますために、平成二十四年度から、児童相談所に里親委託を推進いたします専任の職員を配置いたしまして、児童養護施設等の里親支援専門相談員と連携しながら、里親制度を周知するための説明会、あるいは里親になりたい方への養育技術を習得するための研修会、里親の不安あるいは悩みを解消するための里親同士で情報交換を行う里親サロンの開催や児童を委託した里親への訪問支援、こういったことに取り組んでおるところでございます。また昨年度から、福岡児童相談所と久留米児童相談所におきましては、専門性と経験を持ち、継続した里親支援を行っておりますNPO法人等に委託することによりフォスタリング機関を整備をいたしまして、里親の募集から研修、委託後のフォローまで一貫した里親支援に取り組んでおるところでございます。さらに今年度は、これを田川児童相談所、宗像児童相談所に広げて実施をしているところでございます。こういった取組によりまして、今年九月末現在の里親登録数は三百三十人と、この一年半ほどで六十二人増加をしておるところでございます。今後、この取組を県内全ての児童相談所に拡大してまいる考えでございます。

◯副議長(十中 大雅君) 佐々木允君。

◯二十四番(佐々木 允君)登壇 答弁をいただき、要望を二点いたします。
 まず、虐待対応件数が本県で初めて一万件を超えるという結果が分かりました。体制強化に向けて大胆な予算、人員の配置を強く望むところであります。
 また、里親委託等についてですが、今年三月末で三歳未満児が一三・九%であり、社会的養育推進計画において三年後に達成すべき目標五二%と比較すると、実に三・七四倍の開きがあることも分かりました。この三歳未満の児童の委託率が、三歳以上就学前、そして就学期以降の三つの計画数値目標がありますけれども、この三つの中でも最も目標と現状に差があるわけであります。この三歳未満児童というのは、思い起こせば分かると思いますが、家庭的養護がとりわけ求められる年齢、そして特別養子縁組にとっても重要な年齢であります。里親委託に関するNPOの委託を県内全域に拡大していくということも表明をされました。ここで三歳未満児童の強化をぜひ図っていただきたいと思っております。また、NPOの取組に、やはり県行政もしっかり伴走していただき、目標の達成以上の成果が出るよう強く要望し、私の一般質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

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