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◯二十四番(佐々木 允君)登壇 改めまして、おはようございます。民主県政クラブ県議団、田川市選出の佐々木允です。ただいまより一般質問を行います。
 まず、本県における移住、定住、関係人口に対する施策の促進について知事にお聞きします。昨年の六月議会において知事は、田川地域をはじめとする過疎地域の振興について私の一般質問に次のように答弁をされました。新型コロナウイルス感染症の拡大を契機とした新しい働き方が広がっています。都会から地方への人の流れが生まれつつあります。こうした新しい動きを踏まえて、市町村とも十分に協議しながら、過疎地域の振興につなげていきたいと考えているところです。知事が答弁をされましたように、アフターコロナ、ウイズコロナに対応し、過疎地域、特に疲弊の著しい田川地域の振興を図っていくためには、新しい働き方に地域がしっかりコミットしていくこと、そして人口減少を食い止めるための移住、定住の促進、地域のにぎわいを創出するための関係人口の拡大につなげていくことが重要になると思います。また、新しい働き方の一つであるテレワークについては確実に広がりを見せており、総務省が行った調査では、東京都のテレワーク実施率が二〇一九年の六・一%から二〇二〇年には三〇・一%と、約五倍にも増加をしております。
 知事は、この四月に企画・地域振興部内に市町村振興局を新たに創設されました。県職員出身の知事として、市町村振興に対する並々ならぬ思いの下、創設されたことだと思います。また、市町村にとっても大いに期待しているところだと思います。また、名前のとおり市町村を振興する局でありますから、振興すべき市町村にこそ積極的な連携と伴走をしていただくこと、特に私の地元田川地域も含めた過疎地域に力を入れていただきたいと思います。このような観点から、以下、知事に三点質問をいたします。
 一点目に、県のこれまでの移住、定住促進の取組の成果や課題について、知事がどのように認識されているかお尋ねをいたします。総務省が公表した二〇二一年の住民基本台帳人口移動報告によりますと、県外から本県への転入者数は十万二千二百六十九人となっています。そのうち福岡市への転入者は四万九千四百六十四人、全体の四八・四%を占めているのに対し、田川地域への転入者は七百三十八人、僅か〇・七%にしかすぎません。県がこれまで移住、定住促進のため様々な取組を行ってきたことは承知していますが、田川地域のように真に人口減少に苦しむ厳しい状況に置かれた地域にも効果がある取組であったのか、お答えをください。
 二点目に、そのような厳しい状況に置かれた地域への移住、定住促進策についてお尋ねします。本県における移住、定住に関しては福岡都市圏が注目されるため、田川地域のような厳しい地域は県外から人を呼び込む力が相対的に弱いものと考えられます。そのような地域の市町村においては、移住、定住促進のための効果的な情報発信ができていないのではないかとも危惧します。県として、そのような市町村をこれまで以上に力強く支援できないか、お答えをください。
 三点目に、関係人口の拡大についてお尋ねします。総務省は関係人口を、移住した定住人口でもなく、観光に来た交流人口でもない、地域と多様に関わる人々を指すと定義しています。人口減少や高齢化により地域外の人材が地域づくりの担い手となる関係人口の拡大は、今後ますます重要になるものと思いますし、移住、定住の促進にもつながっていくものだと考えます。コロナ禍においては、例えば田川地域の関係人口の拡大を図るために、県外だけではなく福岡都市圏と田川地域といった県内での関係人口の醸成も可能であるはずです。この点も含め、知事は今後の関係人口促進をさらに図っていくためにどのように取り組むのか、お答えをください。
 次に、県立高校の課外授業について教育長にお尋ねします。この課外授業については我が会派は、参加が事実上の強制となっていることを指摘するとともに、教員の負担軽減などについて教育長に三度にわたってただしてきたところであります。その結果、事実上強制となっていた課外授業を毎学期の選択制に改めるとともに、課外授業での正課授業の禁止など、大きく改善が見られたところであります。また、九州各県を見ても、熊本県教委が朝に行う課外授業、いわゆる朝課外廃止の方針を打ち出し、各校に検討を求めたことが報道で明らかとなっているほか、宮崎県教委も見直しを県議会で表明するとともに、大分県では二〇一八年三月末で全ての県立高校での朝課外が廃止されたとのことであります。
 さて、本年度から始まった新しい学習指導要領では、主体的、対話的で深い学びの視点を基本的な考えに挙げているところであります。こういった状況を踏まえ、教育長に以下、三点についてお尋ねいたします。
 まず一点目に、我が会派が初めて代表質問を行った二〇一七年九月定例会以降、朝課外の廃止を決定した学校は何校なのか、そして福岡地区ではどの県立高校が廃止したのか、それぞれお答えください。
 また、生徒の受講率の推移と、このことに対する教育長の認識についても、それぞれお答えをください。
 二点目に、教員の負担についてであります。本県は教職員の働き方改革として、時間外労働の縮減に取り組んでいます。朝課外は、その超過勤務時間とは別にカウントされますが、教員にとっては在校時間という観点では連続的に行われているものであり、労働時間に実質的な変化はないように思います。
 そこで、朝課外における教員の負担の現状はどのようになっているのか実態をお示しいただいた上で、教職員の働き方改革との観点から教育長はどのように認識しているのかお聞きをいたします。
 三点目に、朝課外そのものの在り方についてであります。先ほど述べた新学習指導要領や他県の状況、生徒や保護者、教職員の負担などを考えると、朝課外もその変化にしっかり対応することが大切だと感じます。また、服部知事の強い後押しもあり、県立学校の一人一台端末も今年度順次整備をされ、多様な学びが行える環境整備も整ってまいります。こういった状況を総合的に勘案して、この朝課外については県教委がその在り方を検証し、抜本的に変える時期に来たのではないかと思います。ただし、朝課外の変更に当たっては、結果として教員の負担増になるような授業時間の変更が起きることのないよう留意をしなければなりません。
 そこで、朝課外の在り方の検証と抜本的な改革について教育長はどのように取り組むのかお聞きをいたします。
 次に、県立学校の長時間労働の是正についてお聞きします。県教委は、二〇二〇年度に教職員の働き方改革取組指針を改定し、県立学校に対して、二〇二四年度までに超過勤務を年三百六十時間以内、月四十五時間以内とする目標を定めました。また、緊急の課題として、月八十時間超の超過勤務解消もうたっているところであります。
 そこで一点目に、超過勤務が年三百六十時間及び月八十時間を超えた教職員はどのようになっているのか、二〇二一年度の実態をお示しください。
 また、その現状についてどう認識しているのか、とりわけ月八十時間を超える超過勤務については緊急の課題であり、速やかに解消すべきだと思います。これらについて今後どのように取り組むのか、お答えをください。
 二点目に、県立学校にも校風などで大きく差があるとお聞きしていますが、県立高校及び中等教育学校の九十五校のうち、教職員の超過勤務が年三百六十時間を超える学校が何校なのかお聞きします。特に、管理職への個別の対応を強化すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか、お答えください。
 以上、答弁をよろしくお願いいたします。(拍手)

◯知事(服部 誠太郎君)登壇 御答弁申し上げます。
 まず、移住、定住の取組の成果と課題についてお尋ねがございました。東京と福岡に開設をいたしておりますふくおかよかとこ移住センターを利用して県内に移住されました方は、平成二十八年度の開設以来、毎年増加をしてきておりまして、昨年度までの六年間の累計では千百三十六名となっております。特に、コロナ禍の中での令和二年度及び三年度の直近二年間の移住者数、これは大きく増加しておりまして、五百九十一人と開設以来の累計の半数を超えているところでございます。このうち三十代以下の若い世代の移住者の割合は六割を超えている状況でございます。一方で、移住先別の内訳を見ますと、福岡都市圏への移住者が全体の四分の三を占めておりまして、その他の地域への移住促進にはさらに努力が必要であると考えております。
 市町村の取組に対する支援についてでございます。県では全国からの移住を推進いたしますため、市町村の皆さんと連携し、様々なフェアでありますとかセミナーを開催をしております。また、昨年度は、県内全ての市町村のアピールポイントをドラマ形式で紹介いたします動画を作成しまして、ポータルサイトやユーチューブで配信いたしますなど本県の市町村の魅力を積極的に紹介してまいりました。今年度は、市町村と連携し、転入者に対しまして詳細なアンケート調査を実施し、移住の動機でありますとか決め手となったことなどにつきまして実態把握、そして分析を行うことといたしております。これを踏まえまして、市町村の魅力をより効果的に伝えられるよう、移住・定住ポータルサイトをリニューアルしてまいります。また、県内には地域おこし協力隊、これは昨年度は県内三十五市町村に百二十四名いらっしゃいました。この地域おこし協力隊の地元市町村への定住を支援するために、起業や就業に必要な資格取得等につきまして財政的な支援を行うことといたしております。さらに、移住、定住に意欲的に取り組む市町村が移住者の起業、就業支援、子育て支援、住まいの確保など分野横断的な課題について地域の実情に応じて効果的に施策を実行できますよう、市町村振興局が市町村の立場に立って県庁内各部各課と折衝するなど、市町村に寄り添って丁寧に支援を行ってまいります。
 次に、関係人口の拡大についてでございます。県では、本県と継続的につながりを持っていただきます、いわゆる関係人口の拡大を図るため、一昨年、ふくおかファンクラブを設立をいたしました。登録会員に対して、市町村と連携して地域の体験イベントでありますとか、地元の祭りなどの情報を提供してまいりました。現在の登録状況は、県外が約一万六千六百人、県内が約四千四百人、合計で約二万一千人となっておりまして、コロナ禍の中では開催されなかったイベントや祭りにつきまして今後積極的に参加を促し、交流を活発化いたしますとともに、さらなる登録の拡大に取り組んでまいります。また、今年度はオンラインゲーム、マインクラフトを活用して、仮想空間福岡ワールドをつくり上げるコンテストを実施いたしますとともに、体験型のオンラインイベントを開催いたします。県内外の方に幅広く福岡県への関心を高めていただけますよう、ユーチューバー等のインフルエンサーを活用し、周知を図り、応募を呼びかけてまいります。
 市町村におきましても取組が進んでおりまして、例えばうきは市では、全国五百人のファンクラブ会員に対し定期的な情報発信や交流会を開催されております。また、大刀洗町では、全国六百人の応援大使が町に代わって国内外への情報発信を行うといった取組が行われております。こうした県の取組でありますとか先行事例に関する情報提供を通じまして、県内市町村の積極的な取組を促しますとともに、市町村の具体的な施策の企画、立案についても支援を行い、将来の移住、定住の裾野を広げることにもつながる関係人口の拡大に取り組んでまいります。


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