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◯二十四番(佐々木 允君)登壇 改めまして、おはようございます。民主県政県議団の佐々木允です。ただいまより浄化槽の適正管理についてお伺いをいたします。
 本県の汚水処理人口普及率は、二〇二二年三月末現在九三・九%と、全国第十四位となっており、二〇二五年度までに汚水処理人口普及率を九五%にする本県汚水処理構想の実現まで、あと一歩のところまで来ている状況であります。しかし、汚水処理人口普及率を県内六十市町村別で見ると、私の住む田川市は六五・二%、隣の川崎町は県内最下位の三二・三%であり、田川地域を中心に低い状況が続いています。県内の汚水処理人口普及率の向上には、合併浄化槽による汚水処理を推進すべき田川地域といった地域の早期整備が求められます。また、単独浄化槽はし尿のみの浄化槽で、汚水は未処理で流すため、合併浄化槽の八倍もの汚れを排出していると言われています。そのため私も、二〇一六年二月定例会において早期整備のための県のさらなる支援を訴え、その後二〇一七年度から単独浄化槽から合併浄化槽へ転換する際、撤去費、配管費について補助する仕組みが創設をされたところであります。
 さて、汚水処理率の低い自治体において、合併浄化槽の整備が加速していく中、併せて求められるのが浄化槽の適正管理であります。二〇二〇年度末における北九州、福岡両政令市及び久留米市を除く県域において、浄化槽は単独浄化槽、合併浄化槽の合計で十六万三千七百八十一基設置されており、そのほとんどが個人設置型の浄化槽となっています。この個人設置型の浄化槽は、管理責任者が設置した個人となっているため、日頃のメンテナンスが個人に委ねられているのが公共下水道と決定的に違う部分であります。そして、浄化槽は毎年、浄化槽法第十一条に基づく水質検査を受けることが必要です。なお、この十一条検査等の監督官庁は、両政令市、久留米市以外の県域は県が担うことになっており、日頃の管理を適正に行うには県の役割はとても重要であります。
 そこで一点目に、浄化槽の適正管理について知事はどのように認識しているのかお尋ねをいたします。
 さて、二〇一九年二月定例会で、私が個人設置型浄化槽の維持管理の適正化について一般質問を行った後、二〇一九年度から浄化槽の法定検査、先ほど申し上げた十一条検査の受検勧奨を目的として浄化槽法定検査受検促進事業が始まりました。
 そこで二点目に、浄化槽法定検査受検促進事業の概要や、実績、成果をお示しいただくとともに、この実績に対する知事の評価、そして課題についてお尋ねをいたします。
 三点目に、適正管理に向けた、さらなる取組の強化、そして体制強化についてお聞きをいたします。これまで県は、十一条検査の未受検者対策を推進するため、先ほど申し上げた新たな事業の実施など努力はされておられますが、いまだに相当数の未受検者がいると聞き及んでいます。また、その中には悪質な事例もあるのではないかと危惧をいたしています。長期間の未受検者によって、環境負荷の高い汚水が流される結果をもたらすことは看過できるものではないと思います。そもそも十一条検査は法定検査でありまして、刑事罰も規定されています。悪質な管理者に対しては、勧告、命令といった行政指導、行政処分も見据えた強い対応が必要と考えます。既に浄化槽法定検査受検促進事業において、一定程度悪質な未受検者の状況はつかんでいらっしゃるはずです。悪質な未受検者の指導については、直接立入りし、指導することが必要であると考えます。しかし、現在の保健福祉環境事務所の体制を見ると、浄化槽行政担当職員を専任で配置しているのは、私の地元田川市などを管轄する嘉穂・鞍手保健福祉環境事務所のみでありまして、残り五つの事務所は、いずれも兼任となっています。このような体制では、適正管理の徹底を図るための指導には、残念ながら不十分な部分もあると思いますし、その結果、不正を見過ごし、逃げ得を許すことにもつながるなど、大きな問題を生むのではないでしょうか。
 このような観点からも、今後の取組をさらに進めていくため、体制の強化が必要であると私は考えております。県は、この未受検者への対応について、全件調査の実施なども含め具体的な行動につながる取組や体制づくりなどについて今後どのように行っていくのかお尋ねをします。
 以上、答弁よろしくお願いいたします。(拍手)

◯知事(服部 誠太郎君)登壇 御答弁申し上げます。
 まず、浄化槽の適正管理についてお尋ねがございました。浄化槽は、主に住宅や店舗などに設置をされまして、台所や浴室などから排出される生活雑排水やし尿を処理する汚水処理施設でございまして、下水道と並び環境の保全及び公衆衛生の向上に欠かせないものであると認識をいたしております。この浄化槽の機能を十分に発揮させるためには、保守点検や清掃などを定期的に行って放流水の水質を確保することが必要でございます。このため、放流水の検査や清掃等の実施状況を定期的に確認いたします法定検査、いわゆる十一条検査を受検することは、浄化槽を適正に管理する観点から重要であると考えております。
 この浄化槽法定検査受検促進事業の評価や課題についてでございます。令和元年度から実施をいたしております、この浄化槽法定検査受検促進事業は、年一回の受検義務がございます法定検査を受検していない疑いのある浄化槽管理者に対し、浄化槽の使用の有無、浄化槽を使っているかどうか、あるいは維持管理の状況はどうかといったことにつきまして調査をいたしますとともに、法定検査の受検を促すことを目的とした事業でございます。この事業の開始当初は、使用及び維持管理の状況が不明確な浄化槽は二万一千六百四十二件ございました。この取組によりまして、八八%に当たる一万九千九十九件の状況を確認したところでございます。このうち未受検であるということが判明した浄化槽につきましては、浄化槽の管理者に対し、管轄の保健福祉環境事務所が電話や個別訪問によりまして受検するよう指導を行っているところでございます。
 この実績に対する評価でございますが、法定検査の受検率は、事業開始前の平成三十年度末は六八・六%でございまして、令和二年度末は七二・一%、二年間で三・五ポイント上昇いたしております。この事業の効果があったものと考えております。なお、本県の受検率七二・一%は、全国平均を見ますと、これは四五・七%でございまして、全国の平均を大きく上回っているところでございます。一方で、指導に従わずに、法定検査を受検しない浄化槽管理者がいることや、あるいは使用や受検の有無について、なお不明な浄化槽が二千五百四十三件残っております。このことが課題であると認識をいたしております。
 未受検者への今後の対応についてでございます。指導に従わずに受検しない浄化槽管理者に対しましては、引き続き電話や個別訪問により受検するよう指導を行いますとともに、立入検査などによりまして、管理が適正になされていないということが判明しました場合は、是正を強く指導してまいります。また、使用や法定検査受検の有無が不明な浄化槽、先ほど申しましたが二千五百四十三件、この全てにつきまして、市町村と連携して現地の状況確認や立入検査を実施し、実態の把握を行ってまいります。浄化槽管理者への指導等の体制を強化いたしますため、本庁職員を現地に派遣し、保健福祉環境事務所との合同立入りを行いますとともに、保健福祉環境事務所間での相互応援体制を整備いたします。さらに、度重なる行政指導に従わず、浄化槽の適正な管理を行わない浄化槽管理者に対しましては、浄化槽法に基づく行政処分を視野に、厳正に対処してまいります。これらの取組により、浄化槽の適正な管理を行わせ、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ってまいります。

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