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2016.12.12 : 平成28年12月定例会(第12日) 本文


◯議長(中尾 正幸君) 佐々木允君。(拍手)
*佐々木(允)議員質問


◯三番(佐々木 允君)登壇 皆さん、こんにちは。民進党・県政クラブ県議団、田川市選出の佐々木允です。ただいまから通告に従いまして大きく二点、第一点に日田彦山線の活性化及び鉄道を生かした観光振興について、第二点目に災害時における円滑な避難所運営の支援について、それぞれ質問をいたします。
 まず、日田彦山線の活性化及び鉄道を生かした観光振興についてです。先日、JR北海道が路線を大幅に縮小することを発表し、留萌本線の廃線に踏み切りました。その上で、今後順次廃線する路線を拡大することを発表しています。私はこのことを対岸の火事として楽観視してはならないと感じています。JR九州は本年十月二十五日に株式を上場し、株主が国から民間の投資家にかわることになりました。これは今後の在来線維持に大きな影響を及ぼすと危惧をしているところです。事実、国土交通省は、二〇一五年にJR九州管内の在来線二十路線のうち、黒字となっているのは篠栗線のみであるということを発表しています。また、二〇一五年度の鉄道部門の赤字は百五億円にも上ることが明らかとなっておりますが、一方で、駅ビル、不動産事業は二百四億円、建設や流通で六十一億円、外食で三十四億円の黒字となっており、事実上、駅ビル、不動産事業等の利益によって鉄道を支えていることになります。また、JR九州の上場に伴い、事業税、固定資産税、都市計画税の税優遇が順次廃止となります。その規模は六十億円とも七十億円とも言われており、福岡県税での増税分も、試算した範囲では、これまでの約一億六千万円から、約七億二千万円と約五億六千万円も増税となってしまいます。このことにより、税優遇が全てなくなる二〇一九年度以降、株主などからは赤字路線の維持について厳しい意見が出されるのは容易に想像できますし、在来線、特に日田彦山線のような路線は大きな危機を迎えるのではないかと地元県議として危惧しているところです。将来的な状況を鑑みれば、今のうちから在来線、とりわけ厳しい路線となるであろう日田彦山線に対して、本県や市町村の積極的なかかわりを行い、もって路線の活性化につなげることを目的に、以下質問をいたします。
 第一に、JR九州の株式上場に伴う在来線、とりわけ赤字路線の廃止の可能性について、知事としてどのように認識しているのか、そしてどのように取り組むのかお答えをください。
 第二に、日田彦山線について、県はどのように認識をしているのか、また日田彦山線の必要性についてもあわせてお答えください。
 第三に、日田彦山線の活性化に向けた取り組みと観光列車の活用についてです。日田彦山線は、JR九州の列車補修等を一手に引き受ける小倉総合車両センターに近く、JR九州内で活躍する観光列車を日田彦山線に引き入れることが可能な路線となっています。そのため、ことしも、あそぼーいや、みのり号など観光列車を運行することができました。また一九九九年十月には、現在のSL人吉号をSLクロスロードふくおか号として日田彦山線、後藤寺線、福北ゆたか線に走らせており、当時を知る方からは大好評だったとお聞きしました。そういった中、沿線自治体や地域の方々からは、この観光列車についてもっと回数をふやし、交流人口をふやしてほしいという声も上がっているところです。この日田彦山線での観光列車の取り組みは、鉄道ファンによる交流人口の増加はもちろんのこと、地域のおもてなしによって日田彦山線沿線のイメージアップにも大きな効果があります。また地域住民にとっても、もてなしやイベントによって、日田彦山線に親しむよい機会にもつながり、さまざまな効果があると確信しています。
 これら観光列車を生かした日田彦山線活性化の必要性についての県の考え方、今後の沿線自治体との取り組み及び県としての支援について知事のお考えと前向きな提案をぜひ求めていきたいと思います。
 最後に、観光列車という点では本県の観光部門とのかかわりは欠かせません。日田彦山線を生かした観光振興について県はどのように取り組まれてきたのか、また今後の市町村との連携や支援、発信等について、知事のお考えをお聞きし、この項の質問を終わります。
 次に、災害時における円滑な避難所運営の支援についてです。東日本大震災やことし発生した熊本地震では、多くの方が住む家を失い、長期にわたる避難所生活を余儀なくされました。一方、自治体職員や消防隊員などはインフラ整備や救命救急活動に注力せざるを得ない状況となり、特に避難所運営においては大きな支障を来した場面が多く見られたところです。今後、かなりの確率で発生が予想されている南海トラフ巨大地震や、福岡県西方沖地震の発生源でもある警固断層帯などでの大規模地震が発生した場合、被災者の支援拠点としての避難所について、開設から運営に至るさまざまな段階において、本県においても円滑に進めることが求められます。その具体的な方策として、避難所運営に係る業務全体を俯瞰する避難所運営のマニュアルというものがあります。これは、避難所を開設する際の基準、開設までの流れ、求められる機能と体制、運営の役割分担などの基本的な考えを網羅しているもので、避難所運営を行う上で必須とも言えるものであります。事実、国は二〇一三年六月の改正災害対策基本法に基づき、同年八月に、避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針が示され、避難所運営の基本的な方針を定めております。また、本年四月には国から新たな避難所運営のガイドラインが示され、都道府県に対して、このガイドラインの市町村への周知及び技術的助言が要請されているところです。避難所の運営を円滑に行うことは、被災者の健康を守り、その後の生活の再建を果たす上でも大きな意味があります。また自助、共助の精神で、地域コミュニティーなどが災害時の避難所運営に取り組むべく、平時からさまざまな取り組みを行うことを促すことを通じて本県の防災力を強化すること、そのために、市町村への避難所運営マニュアルの整備促進を本県行政として積極的に取り組むことを大きな柱として、以下質問をいたします。
 まず第一に、指定避難所及び福祉避難所運営マニュアルの策定状況について、本県の市町村での整備状況をお答えください。また、作成、未作成の市町村の規模や傾向、その理由についてもあわせてお答えください。
 第二に、指定避難所及び福祉避難所運営マニュアルについて、国は整備をどのように求めているのかお聞きします。その上で、知事はその整備について、どのようにお考えなのかお示しください。
 第三に、都道府県における指定避難所及び福祉避難所運営マニュアルの作成支援についてです。現在、全国の都道府県では、市町村の作成を支援するために、マニュアルの基本指針を多くの都道府県が作成をしているところです。指定避難所及び福祉避難所運営マニュアルの作成指針を作成している都道府県の数及び本県での取り組み状況や今後の方針、そして市町村へのマニュアルの作成のための支援について、知事はどのように取り組まれているのか、現状も踏まえお答えください。
 第四に、市町村が作成した指定避難所及び福祉避難所運営マニュアルを実効性のあるものにするための支援についてです。防災関連の計画やマニュアルは、幾らすばらしいものをつくったとしても、それらを活用する自治体職員や地域コミュニティーの方々が柔軟に使いこなす、そういった状況でなければ意味がありません。県として今後県内の市町村に指定避難所及び福祉避難所運営マニュアルが整備された際、実効性のあるものにしていくためにどのような支援を行っていくつもりなのか、知事のお考えをお示しください。
 以上、質問いたします。ありがとうございました。(拍手)


◯議長(中尾 正幸君) 小川知事。
*知事答弁


◯知事(小川 洋君)登壇 お答えを申し上げます。
 まず初めに、JR九州の株式上場に伴う赤字路線の廃止の可能性についてでございます。JR九州の株式上場に際しましては、平成二十七年の十二月、国土交通省がJR九州が踏まえるべき事業経営の指針というものを定めておりまして、その中で、路線の適切な維持に努めること、これが明示されております。また、JR九州の青柳社長からは、平成二十七年五月の衆議院国土交通委員会におきまして、現在、路線の廃止を検討している区間はないと、そういった答弁がなされており、県もそのように認識をいたしているところでございます。一方で、利用者数の減少が続くなど厳しい状況の路線もありますことから、JR九州に対しまして毎年度、県内の市、町村会などで構成をいたしております福岡県地域交通体系整備促進協議会、九州各県、議会で構成しております九州地域鉄道整備促進協議会、この二つの協議会を通じまして、採算性のみで路線廃止の検討を行わないよう申し入れを行っているところでございます。
 日田彦山線の必要性でございます。筑豊地域を南北に縦断をしております日田彦山線は、北九州市、田川市への通勤、通学を初め年間二百五十万人の方が利用され、地域の方々の日常生活を支える重要な移動手段となってございます。沿線には日本三大修験山の一つでございます英彦山を初め筑豊炭田の面影を伝える産業遺産、温泉そして道の駅など多くの観光資源がございまして、観光振興の観点からも貴重な路線でございます。今後、誰もが住みなれた地域で暮らしていける、また魅力ある雇用の場をつくるといった地方創生を進めていく上で必要な路線でございまして、大切な地域の財産であるというふうに考えております。
 この活性化に向けた取り組みと観光列車の活用についてお尋ねがございました。県ではこれまで、沿線市町村で構成をしております日田彦山線活性化推進沿線自治体連絡会、これと連携をいたしまして、みのり号、あそぼーいといった観光列車の運行、ふっこう割を活用したツアーの企画、実施などを行ってきたところでございます。観光列車の運行につきましては、数日間で切符が売り切れるなど大変好評でございまして、その利用者アンケートによりますと、九割以上の方から、よかった、そういう回答をいただき、地元の特産品を知るいいきっかけになったと、そういった声もいただいているところでございます。日田彦山線の活性化のためには、今申し上げました観光列車の運行に加えまして、それに合わせたイベントの開催、特産品販売、伝統芸能の紹介を行うなど、地元住民の皆さんと一体となって地域を盛り上げる取り組みというのが必要であると考えております。県といたしましては、観光列車の増便をJR九州に働きかけていくとともに、沿線市町村の皆様と知恵を出し合い、列車を活用した地域振興に取り組んでまいります。
 次に、日田彦山線を活用した観光振興についてでございます。日田彦山線を走る観光列車では、域外からの観光客の皆さんに、まずは車窓からの眺め、また地元のおもてなしを楽しんでいただいているところでございます。また、日田彦山線の沿線には日本の近代化を支えた産業遺産であります田川の二本煙突、県の無形民俗文化財であります川渡り神幸祭、日本有数のカルスト台地でございます平尾台、三百五十年の歴史を持つ伝統的工芸品小石原焼など魅力ある多くの観光資源がございます。県では昨年度、こうした観光資源と地元グルメ、地域鉄道などの魅力を紹介する観光パンフレット「たんこう本」というものを作成をいたしました。さらに今年度は、域内の地域鉄道をテーマにしたPR動画も作成をしているところでございます。こうしたものを活用いたしまして、今後も、沿線自治体や観光協会と連携をしながら、旅行会社を対象とした観光素材説明会、旅行博覧会などさまざまな機会を捉えまして、この日田彦山線の旅と地域の魅力というものをしっかり発信するとともに、新しい旅行商品の造成というものを促してまいります。また、日田彦山線の観光列車や地域イベントに関する情報につきましても、県の観光ホームページクロスロードふくおかなどを通じまして積極的に発信をし、より多くの方々に参加をしていただくことで沿線地域の観光振興というものを図ってまいります。
 次に、指定避難所及び福祉避難所運営マニュアルの作成状況でございます。十二月現在、指定避難所運営マニュアルは県内二十二市町で作成をされておりまして、福祉避難所運営マニュアルにつきましては十一市町で作成されているところであります。現在マニュアルを作成していない市町村は、規模が小さい市町村が多く、担当されている職員が他の多くの業務を兼務されており、マニュアルの作成まで至っていない、そういったことが主な理由として考えられます。
 国におきましては、ことし四月、指定避難所運営ガイドライン及び福祉避難所の確保・運営ガイドラインというものを作成をいたしております。この中で市町村に対し、両ガイドラインを活用してマニュアルをそれぞれ策定するよう求めております。県といたしましても、各市町村において、指定避難所や福祉避難所の運営を円滑かつ統一的に行うことができるよう地域の特性や実情を踏まえたマニュアルを作成すべきであると、このように考えております。
 他県における指定避難所及び福祉避難所運営マニュアルの作成支援と私どもの取り組み状況でございます。現在、指定避難所運営マニュアルの作成指針につきましては、本県は策定をしておりませんが、全国三十三の都道府県で策定をされているところであります。また、福祉避難所運営マニュアルの作成指針につきましては、本県を含め三十二の都道府県で策定をされているところであります。マニュアルの作成指針、その策定というのは市町村のマニュアルを作成していく、それを促進していく上で有効な取り組みであると考えております。このため、現在、熊本地震における課題と対策を検討しております熊本地震検討プロジェクトチームのその検討結果を踏まえまして、指定避難所運営マニュアルの作成指針の策定、そして福祉避難所運営マニュアルの作成指針の見直し、それを年度内に行います。その上で、市町村への配付や説明会を実施、これらの指針の市町村への配付や説明会等を実施しまして、全市町村が早期に私どもの作成指針に基づきマニュアルの作成や必要な見直しを行うよう促してまいります。
 次に、市町村が作成した指定避難所及び福祉避難所運営マニュアルをより実効性のあるものにするための支援でございます。市町村において指定避難所及び福祉避難所運営マニュアルの実効性を高めていくためには、マニュアルに基づいた訓練の実施と必要に応じた見直しを行っていく必要があると考えております。県といたしましては、市町村が作成したマニュアルが実効性の高いものとなるよう、市町村に対し、防災訓練の中でこの避難所運営訓練も実施するよう引き続き働きかけを行ってまいります。あわせて、市町村がみずから困難を行いやすくするために、複数の市町村を抽出をし、居住スペースの確保、支援物資の受け入れ、要支援者の避難誘導など避難所運営にかかわる訓練というものをモデル的に行いまして、その事例を説明会等で紹介をし、他の市町村に波及させる事業にも取り組んでまいります。


◯議長(中尾 正幸君) 佐々木允君。


◯三番(佐々木 允君)登壇 答弁をいただきました。大きく二点要望をしたいと思います。
 まず、災害時における円滑な避難所運営の支援について、今回の質問で、残念ながら、本県が避難所運営に関する取り組み、特に、マニュアルの作成ができていなかったということでありますので、全国で見ても、残念ながら遅かったということが明らかとなったところであります。ただ、熊本地震を教訓に、また今回の答弁でも、マニュアルの作成を県として今年度中に作成、また改定をすること、それを市町村にしっかり伝えて、その上で早期に全市町村でマニュアルの整備が進むよう支援することが答弁をされております。また、自治体による訓練のモデル的実施を行って、またそれをフィードバックするというところも御答弁いただきましたので、今後、避難所運営の支援に関する取り組みは大きく前進することになると思います。しかし、先ほど答弁でもあったように、既に三十三の都道府県で取り組みが進んでいるという状況は、逆を言えば、本県は三十三都道府県の知見を最大限に生かした上で、それ以上の取り組みを行うことができるということであります。おくれの挽回は、全都道府県の中で最もすばらしい避難所運営マニュアルの作成支援によって県民にお示ししていただきたいと思っております。ぜひ知事にその点を強く要望をしたいと思います。
 日田彦山線については、観光列車の増便の働きかけを市町村とともに行うこと、列車を使った地域振興に努める決意を知事からお聞きをいたしました。ぜひ多くの鉄道ファンをうならせるような企画を市町村と一緒に取り組んでいただきたいと思っております。
 また、知事は、知事就任以降、県内の移動は、ほぼ公用車での移動のため、在来線、特に日田彦山線にお乗りになったことは恐らくないと思われます。ぜひ観光列車が走った暁には、知事も一緒に乗車をされて、列車から見えるすてきな風景に目を癒やし、地域のおもてなしに心を弾ませ、おいしい食事に舌鼓を打っていただきますよう要望いたしまして、終わりとしたいと思います。
 ありがとうございました。(拍手)

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