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実現不可能な下水道計画

2009年02月12日

今日はまず16日より行われる確定申告の準備をしました。昨年より行うようになったのですが、正直難しいところもあり、悪戦苦闘しています。

 

その後も市民相談や仕事の処理、現地見学などをしていたらあっという間に夜に。この頃は完全にオーバーワークになっており、しなければいけない仕事を落とさないか冷や冷やしながら毎日を送っています(^^;

 

話は変わり・・・

 

先日の朝日新聞筑豊版に下水道整備に関する問題が出ていました。市が作成した「田川市汚水処理基本構想及び財政計画」に関して、福岡県がクレームをつけてきたという内容でした。また市長公約との関係性についても言及していました。

 

ちなみにこの資料は

Cimg6902

これになります。1月22日の建設経済委員会の資料になります。

 

詳細について読み込んだのですが、正直福岡県が言うように、どう考えても実現性のない計画となっているのが一目瞭然です。

 

例えば今回策定した計算では、平成23年度に完成するとして、その後41年間にわたり赤字経営が続き、平成64年度から黒字になるという計算をしています。しかもこの計算はあくまでも全戸加入を前提としていたり、積算根拠があいまいだったり、問題だらけとしか言えません。

 

民間企業の皆さん、行政においてこのような計画は全国的にはままあります。普通だれもがおかしいんじゃないか、と思う計画ですが、行政では計画として機能するのです。この部分に制度的欠陥があるのだろうと思います。

 

なお、これらの策定の根拠はあくまでも国や県の一定の基準に基づいているので、田川市だけを責めてはいけないのですが、それでもこの計画の目的が、明らかに計画を策定することのみを目的とし、実施しようという計画になっていないと断言できます。

 

事実福岡県も、意見として

 

●「一般会計からの基準外繰出しを予定して収支を合わせているが、今の一般会計の状況では基準内繰出しでさえ厳しい」

●「このような状況で事業着手した場合、財政再生団体になることは明らかであるため、当課(市町村支援課か?)としては下水道事業債の発行には同意できない」

●「また仮に下水道事業着手により財政再生団体となった場合、田川市に対して支援を行うことはできない」

●「これだけ大幅な赤字が発生する計画に対して、現時点でアドバイスできることはない」

 

など非常に厳しい意見が出されたと報告されています。この意見からもこの計画がこの計画が誰が見ても実現不可能な計画であり、計画策定そのものが目的の計画であると裏付ける証明になります。

 

簡単に言えば「こんな計画なんてアドバイスする値にもならん」「下水道事業するなら、補助金もやらんし、事業がこけて破産しても福岡県は絶対助けんからな!!」と言っているようなものです。

 

しかし市の公文書で県の意見をここまで赤裸々に書き連ねるのは異例です。異例なことを好まない行政が行うのですから、田川市の執行部自身

 

●そもそも田川市も行うつもりはない

●執行部上層部として「福岡県が駄目だと言ったからできないんです」と議員や市民に思わせたいという意図がある

 

など、考えすぎる私としてはなにか他の意味があるんではないか、とかんぐってしまいます。

 

しかし多額の人件費をかけて、計画策定だけが目的のペーパーを作って、なんの意味があるのか、と憤りを隠せません。うーん、計画策定をした以上、PDCAサイクルに基づいて計画のローリングを本当にするのですかね??なぞは深まるばかりです。

 

この県とは違うのですが、福岡県の意見の中に

 

●「市全体の公共施設(特に市営住宅)の今後のあり方の検討なくして、下水道事業単独の検討はできない」

 

という一文がありました。公営住宅が市内に5000戸ある田川市において、この公営住宅のあり方は今後しっかり議論しなければならないと思います。特に経年劣化に対する対策、住宅政策やまちづくり全般から見た公営住宅のあり方、特に人口減少時代の中で公営住宅は現状維持のままだと、全世帯における公営住宅世帯比率は高まる一方ですから、その点からの検証も含め、抜本的な議論を行うことが田川市には求められています。

 

といっても私自身にいま答えがあるわけではありません。しかし現状のまま維持し続ける場合、非常に多額の税金が必要になるのは確実です。それが財政状況の悪い田川市でもつのかどうか、という点はしっかり見て議論しないといけないと思います。

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