本文の始まりです

田川市公共下水道、恣意的な説明はもうやめるべきだ

2014年08月01日

 今日は田川市議会議員研修会として「汚水処理の基本的事項と下水道計画について」と題して全議員対象に勉強会が開催されました。
 
 田川市の下水道全体計画は、事業費だけで374億8102万円、維持管理費等を入れると571億2776万円という途方もない計画となっており、70年間の総合計で5億4706万円の黒字があると述べています。
 
 しかしこの計画のずさんさはこれまでもずっと述べてきたように素人目にも分かるようなひどいもので、事実福岡県からも「破綻のリスクが生じる危険性がある」とまで言われている状況にあります。
 
 下水道推進課が出した資料によると「田川市の現状と課題」として小型合併浄化槽の問題や、市営住宅等の大型合併浄化槽のこと、河川の水質状況などについてそれぞれ説明がありました。
 
 しかしはっきり言うといずれも意図的かつ恣意的な文章の羅列でした。
 
 まず小型合併浄化槽についての「課題」では、その設置について「建物の新築時や比較的郊外地で敷地に余裕があり」と書いています。しかし現在の小型合併浄化槽は狭い土地に設置できるものも開発されています。そもそも「郊外」や「敷地に余裕がある」ところしか浄化槽は設置できない、と印象づけるかのような文章です。その上「新築時」と書いていますが、単独浄化槽から合併浄化槽への切り替えを現に行っている世帯もあります。そう言うと担当課は「実績としてはほとんどない」と言うのでしょうが、そうだとしたら、下水道が敷設された場合、単独浄化槽やくみ取り家庭が本当に接続するのか、という疑問もわきます。なぜなら、単独浄化槽やくみ取り家庭が合併浄化槽に転換しないのは、ほとんど場合土地の問題ではなく「設置費用」であるからです。
 
 にも関わらず下水道推進課は小型合併浄化槽の課題について「経済的にゆとりがある世帯に限られる」と述べています。単独浄化槽やくみ取りから下水道に転換する場合、70万円程度のお金がかかる上、1戸あたり12万5千円の受益者負担金が発生します。浄化槽設置の場合おおむね100万円程度かかり、価格差は17万5千円高いですが、下水道設置に82万5千円かかるとすると、下水道に接続する世帯は下水道推進課の言うとおり「経済的にゆとりがある世帯に限られる」のではないかと思います。
 
 このように一面的かつアンフェアな「課題」を羅列して説明する執行部の姿勢は、下水道全体計画での説明のときも全く変わっていません。6月議会での答弁では「下水道事業は一般会計の財政運営に大きく影響を与える可能性があり、正確で実効性のある財政計画を策定する必要がある。さらに、人口減少・生活保護率・高齢化率、低所得者対策等の状況を勘案し、今後策定する下水道の財政計画はシビアな視点で検討すべきと考える。」と述べています。その答弁からも逸脱しているのではないかと思わざるを得ません。
 
 また大型合併浄化槽について、「将来改築が必要となり、膨大な建設費用がかかる」と書いています。たしかに現状の浄化槽を「一気に」更新しようと思えば32億896万円かかります。しかし平成になって作られた「松原団地汚水処理場2」「星美台汚水処理場」「松原第一団地汚水処理場」「高柳団地汚水処理場」などはすぐに改築することはありませんのでその施設を差し引いても24億467万円となります。
 しかしこれもそれ以外の施設を「一気に」更新した場合の費用です。年次計画で更新を行えば費用の平準化を図ることが可能です。
 
 その上市営住宅の住宅部分もコンクリート部分は同様に悪くなりますし、そもそも市営住宅の今後をどうするのか、という議論は当然に必要です。事実この点について県は「公営住宅そのものをどのように考えているのか。公営住宅の今後の在り方を考えずして、浄化槽の更新を迎えたから先にこれを解決するというのは、順序が逆ではないか」と断罪しています。
 
 しかもこの指摘、平成21年1月と5年7ヶ月前に指摘されていることです。5年以上前の指摘をいまだに黙殺して「課題」としてあげる感覚は、私の理解を超えています。しかしこの「課題」だけ見るとこれは問題だな、と他の議員は思うはずです。こうやって意図的かつ一面的な情報提供をここでも行っているのは、議会審議にも影響するものであり、大きな問題です。
 
 また先日、工業用水を使用している大型排水事業者と協議を行っていますが、その中身はどうだったのか、と聞くと「答弁を控えたい」と言ってきました。下水道は管渠が来たら接続義務がある事業にも拘わらず、議会にも情報を出さずにことを進めようという姿勢は、本当におかしいと思います。「なぜ控えないといけないのか。おかしいではないか」と述べると「所管の建設経済委員会に説明していないから」という理由を述べてきました。その理由もどうかと思いますが、ぜひ委員会では企業から言われたことを隠さずにぜひ早く出すべきです。
 
 一体、いつまでこのような説明を繰り返すのでしょうか。そして専門家でもない私の目からも矛盾点がすぐに指摘できるような「課題」を出してきて、一体どこに進もうとしようとしているのでしょうか。私からしたら、もはや「とにかく下水道をつくりたいんだ」としか考えられません。
 
 確かに水処理を早期に行い、河川環境と生活環境の改善を図りたい、という気持ちは全く一緒です。しかしその結果市が厳しい財政運営になる可能性が十分に考えられるものは、極めて厳しく考える必要があります。
 
 それなのに「膨大な建設費用がかかる」とか「経済的にゆとりがある世帯しかつけられない」など主観的な文言を書くことで、下水道の必要性を印象づけるかのような行為はもういい加減にやめるべきです。
 

カテゴリー

月刊アーカイブ

福岡県議会議員
佐々木まこと事務所

〒825-0002 福岡県田川市大字伊田4510-6
→アクセス

TEL 0947-85-9015

[受付] 9:00〜17:00 月〜金(日・祝日休)

FAX 0947-85-9007

[受付] 24時間・365日OK

メールでのお問い合わせ