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委員会視察、厚木市総合計画について勉強しました

2009年02月03日

今日は総務文教委員会行政視察。朝7:00集合で福岡空港→東京へ向かいました。

 

初日の視察先は先日も書いたとおり神奈川県厚木市。面積は約94平方キロ、人口約22万人、そして財政力指数が1.47(!)、実質公債費比率5.7%、もちろん不交付団体です。

 

ここでは厚木市総合計画について詳細を聞きました。

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ここでは市民・職員協働検討会(委員総数70名)を平成19年8月10日に発足させ、7ヶ月18回にわたって総合計画に関する提言書を作成しています。

 

市民については一般公募及び企業団体等に対する推薦公募方式を採用。職員に関しては課長級より下(だったはず)の職員を対象に公募。開催は平日の19:30~22:00ぐらいに行われたのことです。職員は事務局職員5名を除き、職務外での参加となっています。

 

市民・職員協働検討会には「明るいまちづくり班」「楽しいまちづくり班」「元気なまちづくり班」「開かれたまちづくり班」の4つの班が構成され、その下にそれぞれ2つ、合計8つの分科会に分けそれぞれが検討しています。おおむね職員と市民の割合は1対1ぐらいになっています。

 

その後小中学校作文コンクールの開催、企業・在勤者アンケートの実施、大学生とのフリートークの開催、企業訪問、パブリックコメント、市民説明会を経て、市長の付属機関である総合計画審議会を平成20年7月31日に発足。7回の審議を経て答申を平成20年10月27日に市長に提出しました。

 

その後庁内検討委員会(任意)を開催、その後市民満足度調査を平成20年11月18日から12月2日にかけ実施(基本計画基本施策における「施策の達成目標」の指標として活用)し、平成20年12月議会で総合計画基本構想を可決成立したとのことでした。

 

この厚木市の特徴は市民と職員と対等な立場で基本構想策定に当たらせた点です。そもそも他の先進地の事例では市民委員会を立ち上げ、市民が主体的に意見を述べ職員はその補完的役割を担っている場合が多いと思いますが、その点ではスタートラインが違います。

 

この点について「最終的には知識のある職員のほうが上位になってしまうのでは」と聞いたところ「おおむね雰囲気としては市民が7、職員が3と言った感じのパワーバランスだったと感じている」と担当者は答えてくれました。

 

厚木市は市民との協働による施策実施自体が初めての試みであり、その点では資料の文章にも入っていた「シンプルで市民に分かりやすい計画とすること」「市民協働を基本とすること」「実効性のある計画とすること」を基本ベースにした場合、市民と職員の並列配置は意味があるのかもしれません。

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それは担当者自身も「これをファーストステップとして、より市民が主体となれるかたちの取り組みにしていきたい」と述べていましたから、段階的に市民の主体性確保を具現化していくという点でも、面白い試みなんだと思います。

 

また計画年数は12年としており、基本計画を6年周期で見直し、またその下の実施計画は3年に1回見直すことにしています。これは勉強不足だったのですが、担当者曰く昭和44年の自治省通達で「おおむね10年」というのをパッケージとしただけで、年数に関してはもっと長くても良いということでした。なお前回の厚木市総合計画は20年という単位での総合計画だったとのことで、まだ「賞味期限」がある中での計画策定だったとのことでした。

 

ちなみに担当者の方は審議会に市議会議員が入ることに関して「昭和のころでは審議会に議員が入っていたのでしょうが」という発言をしていました。ちなみに我が田川市には各種審議会に議員が結構入っています(^^;それ自体は、先日言った鹿児島市議会では法律上入らなければいけない審議会を除き、議員の審議会入りを行わないことを決定しているなど、縮小傾向にあるのは事実です。

 

また提言提出後、総合計画審議会や庁内検討委員会、議会審議などがある中で提言自身が大幅に変わったりしなかったのか、という点は「ほとんど変わることはなかった」という答えでした。いくら市民が一生懸命考えて作った提言でも議会などが大きく趣旨を曲げていくという事例はままあることですが、その部分はやはりしっかり議論した結果の提言ですから、議員や執行部にとっても尊重すべきという雰囲気だったのだろうと思います。

 

しかし提言は一本の樹木とすれば「幹」であり、その後の枝葉をどうつけていくかは特に実施計画の策定にかかっている部分があります。どうしてもシンプルな文章構成になっていると、本来趣旨と変わっても文章解釈上OKということにもなりかねません。その部分は今後の課題でしょう。

 

またその「幹」の形成そのものには議員はタッチしていないという点で「議会軽視」という議論も出てくると思います。もちろんその議論自体がどうか、という問題もありますが。その部分は特に中小都市の市議会では十分な反駁を準備する必要があるのだろうと思います。

 

たださすがだと思ったのは、コンサルには一切頼んでいないということ。本市はこれからもコンサルに頼って作成を行うのかもしれませんが、その部分では厚木市の市民協働の実践と、それを自らつくっていこうという意識の高さを見せ付けられた気がします。

 

田川市も市長が一応「市民との協働」を述べているのなら、その具現化のために田川市もこの総合計画作成を使ってみてはと強く思います。実質職員だけ(かつコンサルも入れて)が作成した総合計画が市民のものにはなるのか、という問いは当然NOだと言えます。

 

第一、計画の方向性も決まっていない中でアンケートをとること自体、意味があるのかと思います。今後田川市ではコンサルが描いた絵に沿って、単なる事務執行上の一施策という状況下で総合計画ができはしないかというのが、本当に心配です。

 

また誤解を恐れずに言えば、コンサルが絵を描かないにしても、職員だけが一生懸命で、市民はほとんどパッケージが出来上がった後に、「帳面消し」のように参加させ、事実上の誘導をした後、それを「協働した形での総合計画を策定しました」と言ってしまわないか、と心配なのです。事実このような事例は全国に数多くあるのですから。

 

多様化した市民社会において市民との協働は必要不可欠です。田川市も10年に1度の機会をぜひ厚木市のように市民との協働の実践場をして活用していただきたいと思います。

 

最後に

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市役所前で記念撮影しました(^^)私の右横は田川議会事務局の職員であとは総務文教委員会のメンバーです。

 

またもう1ヶ所生ゴミや畜糞、選定枝を堆肥化する工場にも見学しました。

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PFI方式で建てた施設で、現在日に45トンの処理能力があるとのことです。建設費総額はやく10億円。国が50%、都道府県が7%、市が13%、企業が30%という割合で建設コストを負担しています。その後の市が支払う委託料などは発生しておらず、すべて堆肥の収入と処理をする際の受け入れ料で運営しているとのことでした。

 

また最初の処理から堆肥になるまでおおむね2ヶ月かかるとのことです。

生ゴミなど水分の多いゴミは、焼却過程でかなりのカロリーを必要とします。それがなくなっただけでもかなりの焼却炉の負担軽減になると思いますし、建設コストも抑えることも可能です。

 

またゴミを堆肥として売り出せますし、田川地域でも問題になっている畜糞処理についても解決します。環境面においても大きく貢献すると思います。

 

特に資金的な運営面や市負担がどうなっているのか、もっと詳細を知りたいところですが、このような取り組みは今後大きく注目されると思います。

 

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