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10月議会最終日

2009年10月08日

今日は田川市議会本会議でした。上程されている議案についての採決などが行われました。以下報告致します。

 

認定第1号  平成20年度田川市一般会計決算

簡易採決

 

認定第2号  平成20年度田川市国民健康保険特別会計決算

簡易採決

 

認定第3号  平成20年度田川市老人保健特別会計決算

簡易採決

 

認定第4号  平成20年度田川市後期高齢者医療特別会計決算

簡易採決

 

認定第5号  平成20年度田川市休日救急医療特別会計決算

簡易採決

 

認定第6号  平成20年度田川市住宅新築資金等貸付特別会計決算

簡易採決

 

認定第7号  平成20年度田川市等三線沿線地域交通体系整備事業基金特別会計決算

簡易採決

 

認定第8号  平成20年度田川市水道事業会計決算

簡易採決

 

認定第9号  平成20年度田川市立病院事業会計決算

簡易採決

 

委員会提出議案第17号  教育予算の拡充を求める意見書について

簡易採決

これは福岡県教職員組合田川支部が出した陳情によるもので、全会一致で採択されました。

 

議員提出議案第11号  地方自治の継続性を守るための予算執行を求める意見書について

賛成15 反対

 

これは公明党が全国的に出してきている意見書です。全国的に全く同じ文章が使われていることからも証明されます。内容は現在社民党・民主党の政権が進めている補正予算見直しについて異議を唱える趣旨の意見書案になっています。

 

そもそもこの緊急経済対策の補正予算なるものは、すでに経済危機と言うより、今回の意見書案に「地方自治体が進めてきた事業について財源問題で執行の支障が生じることのないように」と書いているように、すでに自治体財政対策と断言できるものです。また「民主党のマニフェストに示された政策・制度への変更が進めれることになった」と意見書案には書かれています。これは民主党はマニフェストによって政権を国民から信託されたのにもかかわらず、それを問題だと指摘しているようにも受け取れる内容になっています。

 

以上の点から社民党市議団3名は反対、民主党市議なども含め5名が反対しましたが採択することになりました。共産党は賛成をしました。

 

請願第17号  地方の切り捨てにつながるような安易な地方分権・道州制に反対する意見書の提出に関する請願

 

これは総務文教委員会で、意見書の提出を不採択とする結果が出ています(私は採択に賛成しました)。よって本会議では、不採択に賛成(意見書提出には反対)、不採択に反対(意見書提出に賛成)という形で採択されます。

 

賛成14  反対

 

これについては私も討論をする予定でしたが、諸般の事情で討論をしませんでした。せっかく原稿を書いていますので、以下掲載します。

 

ただいまより「地方の切り捨てにつながるような安易な地方分権・道州制に反対する意見書の提出に関する請願」の趣旨に賛成し、総務文教委員会の不採択に対してこれより反対討論を行います。

まずそもそも道州制とは、北海道以外の都府県を合併し、新たに州を設け、そこに現在より高い行政権を与える制度です。現在国をはじめ東北や九州など各地域ごとに議論もされているところです。

しかしその実態は十分な理論構築がされていないばかりか、その基本となる道州の枠組みすら、地方制度調査会が2006年2月28日出した答申の中でも9州、11州、13州と3つの枠組みを提示しているなど、定まっていないのが現実です。

また道州制によって州都に資金が集中する上、その周辺部の意見ばかりが重視される結果、県組織を失った地域は一気に空洞化する危険性もあります。事実、平成の大合併における中小町村の合併とそれによる空洞化が前述の問題をまさに証明しているといえるでしょう。

また道州制は我々基礎自治体に関係する者にとっても大きく関連してきます。道州制発足に当たっては、市町村が住民にかかわる多くの事務について自己完結で事務を行う必要があります。これは明らかに新たな市町村合併を推進することにほかなりません。しかし先ほども述べたとおり、市町村合併は、特に財政力の乏しい中小町村にとっては、合併による自治体解体は「最大企業の撤退」と同様の打撃を与えるものである上、少子高齢化の中、周辺部への行政へのつながりがまさに重要になっていく中で、ますます周辺部の地域振興がおろそかになる危険性を十分にはらんでいます。

2006年10月12日に九州市長会が提言した「九州府構想」では、九州沖縄8県で九州府を構成することを提言しています。しかしその内容は九州府という新たな組織を作る一方、現行の県区域を基本に、基礎自治体との協議をする機関として「地域振興局」なるものを設置するとしています。それは結局既存の県組織を温存させたうえで、新たに府という行政組織を構築するものであり、道州制が掲げる効率化とは逆行します。事実北海道でも北海道、支庁、自治体という三重行政が長年問題となっていることからもこれらが証明できるのです。

さて今回の請願は「国と地方の役割の在り方を検討すること自体を否定するものではありません」とあるように、地方分権議論そのものを否定したものではありません。しかし国の役割を外交、防衛、治安などに限定していく流れに問題があると示しています。

また医療や教育、または外交上も大きな意味をもつようになった環境の保全、国をあげた防災システムの確立、道路整備など社会的インフラ整備などはまさに「ナショナルミニマム」、国民に保障されるべき公共サービスは国の責任として行うべきであり、その責任放棄は地方の切り捨てになると述べています。

全国世論調査会が2006年12月に行った調査では、道州制に「賛成」・「どちらかといえば賛成」はわずか29%なのに対し、「反対」・「どちらかといえば反対」は62%となっています。国民的意見としてもこの道州制は安易に進めてはいけない、と示しています。

道州制は社会制度を大きく変えるものであり、まさに安易に進めてはならないものです。その点からもこの意見書は国に対し「地方の切り捨てにつながるような安易な地方分権・道州制に反対する」という意思表明をするものであり、このことは現在われわれ市町村が訴えている内容そのものだといえます。

道州制は社会制度の根本を変える大変革です。メリットもあればデメリットもあります。しかしそれだけ重要な制度変革である道州制をユートピアである、メリットしかないなどといった議論は、私としては賛同できるものではありません。

以上の点から「地方の切り捨てにつながるような安易な地方分権・道州制に反対する意見書の提出に関する請願」の趣旨に賛同し、総務文教委員会の不採択という決定に反対します。

 

共産党市議団の反対討論では「道州制は財界提案のものである」と財界批判を繰り返していました。もちろんこの問題は財界マターの話である部分もあると思います。しかし仮にそうだとしても、制度・政策を扱う議会としては、政策的にどこに問題があり、よって反対するのだ、というメッセージがもっとあってもいいのではないか、と思ってしまいます。

 

採決では社民党市議団3名や共産党市議団らが不採択に反対しましたが、不採択多数で、不採択となりました。

 

最後にある議員から

 

「総務文教委員会で審議されたものを、本会議で総務文教委員会所属議員が意見を述べるのは、法的な問題はないものの、これまで田川市議会が長年培ってきた不文律的なものに反する。議長が精査してほしい」

 

という発言が本会議でありました。

 

それは総務文教委員会所属の柿田議員が、今回の道州制に関する本会議討論を行ったことに対しての意見だと思います。

 

しかし私はその発言の後に

 

「議会は自由な発言が保障された場である。どういった場合でも議論が何らかの形で制限をされるような制度を作るのは好ましくないというのが民主主義の基本的なルールではないか。議会運営委員会や代表者会議で話すならその点をしっかり認識した上で議論すべき」

 

と発言しました。

 

田川市議会に限らず全国の自治体議会ではこういった「不文律的なもの」や議会運営に関する規則などで、発言を極めて制限させたりしているところがたくさんあります。

 

その点田川市議会はかなり自由な発言が許されている議会の方だと私は思っています(もちろんもっと変えるべきとも思いますが)。だからこそ制限がかかるような動きは絶対にすべきではありません。

 

もっと行政も議会も法治に基づく運営がされることを切に望みます。

 

という感じで、今日の議会は終了しました。

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