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政治家の「懐の深さ」とは

2009年10月11日

日曜は保育園の運動会に来賓参加したあと、福岡市へ。社民党福岡県連合第7回県委員会に執行部(常任幹事)の一人として参加しました。

 

県委員会とは2年に1度の定期大会の中間年に行われる会議で、今回は衆院選の総括や次期参院選に向けた方針を決めました。

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午後からは朝日新聞コラムニストの早野透氏をお呼びして

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「連立政権と社民党の果たすべき役割」と題して講演をしていただきました。

 

福岡にいる限り、中央政界の状況はほとんどテレビや新聞でかつかむことができません。その点で今回の講演は、長年中央政治を見てきた方から見た今の中央政治の現状についてお話を聞くことができたので、とても勉強になりました。

 

早野さんが述べていたのは、社民党は極めて危機的な状況にあるが、これだけ民主党の風があったなかでも300万人が社民党と書いてもらったのは、非常に貴重な票であるということ。そして社民党もマニフェストに書いたことをしっかり認識して、それを政権内にぶつけていかなければならないし、それは術中策謀の国政においては用意周到に行うべきである、と述べていました。

 

また「政権交代は2大政党制とイコールではないはず。」とも述べていらっしゃいました。

 

個人的にはもっと社民党の顔となる部分に若手を起用しては、と思っているのですが、その点は私ももっと前に出てがんばらないといけません。

 

終了後は党幹部と早野さんとの懇親会。時間として5時間近く社民党や政治に関して話をしました。

 

その中で特に感じたのは、「懐の深さ」と「情」が政治家の要諦であるということ。政策的センスにしても、その部分が大いに重要になってくるのだなあ、と早野さんや党幹部の方々と話を聞いていて感じました。

 

もちろんこれは政治家に限らずでしょうが、私自身も、その点はまだまだ経験と知識で形成していかなければならない、と感じました。そして現場に足を運ぶことと、市民とどれだけつながるかという点。これも私はまだまだです。

 

しかし一方で、早野さんや党幹部の方々がまさに第一線で活躍してきたときの政治家と我々とは決定的に違う点があります。例えば田中角栄は、新潟の地に立派な道路を築き、住民の頼まれ事を政権与党という立場を使い、すぐに実現してきました。田中角栄に限らず、多くの「懐の深い」と言われている政治家は、その深さの形成過程にこのような利益誘導が存在していたのは事実です。

 

しかし今日、利益誘導による「懐の深さ」の形成は極めて困難になってきていますし、ダム建設や高速道路建設の中止などからも分かるように、もはや行うこと自体が問題ともなっています。

 

また日本全体が人口、特に生産人口が加速度的に減少し、予算構成比の多くを社会保障費にあてる必要が迫られています。道路建設という「大衆」への支持拡大から、社会保障をいかにするか、という「市民」への対応に、政治家は舵を切らざるを得なくなっていると言えます。

 

その点が今の政治家の「懐の深さ」を作り出す上で、大きな障害になってるだろうと私は思っています。簡単に言えば、電話一本やちょっとしたやりとりで、道路が建設され皆が便利を実感した方が圧倒的に楽に支持拡大につながるのです。一方個々人を対照した政策が増えれば増えるほど、個々人にどれだけつながる必要に迫られ、非常に手間がかかります。

 

しかし社民党が掲げる社会民主主義や市民の絆は、その部分こそ大切にする思想なのであり、そこに依拠している私は、手間がかかっても市民の絆をつないでいかなければならないと思っています。その点については私の尊敬する土山希美枝龍谷大学准教授の言葉をお借りすれば地域公共人材における「つなぎ・ひきだす」力が私にも必要である、と言えます。

 

もちろん「懐の深さ」は利益誘導だけで形成されるものではありません。人柄や受け答え、接し方に、飲み会での立ち振る舞いなど、自分を形作るすべての部分で「懐の深さ」「情」を形成されていくのだと思っています。もちろん訓練すればどうにでもなる部分とならない部分がありますが、それはともあれ経験値で形成していくしかないのでしょうね。

 

雑ぱくな意見を書いてしまいましたが、中央政治を長年第一線で見てきた人物とじっくりお話を聞く機会などそうそうないのですから、この「絆」も大切にしていきたいと思っています。

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