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総務文教委員会詳報

2010年02月17日

今日は総務文教委員会が行われました。

 

今回は全て事務報告で

 

税務課

1,請願第18号 中小企業の自家労賃を必要経費として認めることを求める意見書の提出に関する請願

2,田川市寄付金控除の取扱いについて

 

財政課

1,基金条例等の見直しについて

 

人事課

1,臨時職員及び嘱託職員の賃金改定及び処遇改善について

 

教育総務課

1,田川市立中学校ランチサービス事業について

 

学校教育課

1,(所管事務調査)学力向上の施策について

 

がそれぞれ審議されました。以下詳しく報告致します。

 

税務課

 

今回も前回に引き続き、請願第18号 中小企業の自家労賃を必要経費として認めることを求める意見書の提出に関する請願が審議されました。

 

現在の所得税法では第56条で家族従業員の働き分については、「自家労賃」として必要経費として認められず、その代替措置である専従者控除も配偶者で86万円、家族で50万円しか認められていません。

 

青色申告を行えば、その部分は解消されるものの、かなり繁雑な作業であり、事実上家族経営等を行っている中小零細業者は大きな負担となってしまいます。

 

請願でも書かれていましたが、ドイツ・フランス・アメリカ等はすでに自家労賃を必要経費として認めている状況であり、全国女性税理士連盟等も所得税法第56条の廃止を強く求めています。

 

この法律の成立した昭和20年代の家族経営の状況等をみれば、自家労賃を必要経費として認めないというのいうのは考えられるかもしれません。

 

しかし、民法上も夫婦別産性は規定されていますし、男女平等の観点、そして時代変化に伴い、必要経費として認める必要があるのではないか、と私は訴えました。

 

最終的にはより深く議論する必要があることから、継続審査することとなりました。

 

つづいて、田川市寄付金控除の取扱いについて事務報告。

 

これは所得税で寄付金控除の対象となっている公益社団・財団法人、社会福祉法人、学校法人に対する寄付金を、条例で規定することにより市民税においても税額控除の対象とするものです。

 

この件については特段異議はありませんでした。

 

財政課

 

財政課からは基金条例等の見直しについて事務報告。

 

現在、田川市の場合「田川市基金条例」として一本の条例があり、そのなかで、財政調整基金や退職手当基金等が規定をされているのが現状です。

 

しかし、その田川市基金条例の不備について財政課としては「本来は一基金、一条例となるべき」という考えから、この3月議会で1つの基金にそれぞれ1つの条例を制定し、所属の課等も明確にして、基金の趣旨を明確化したいとのことでした。

 

またこれまで財政調整基金の性格の強かった基金や、すでに残金が0円の基金については統廃合することにしています。

 

なお今回は田川市特定農業施設管理基金等特定基金については、見直しの対象外としています。

 

この方法自体は特に問題ないと思ったのですが、一点、「職員退職手当基金」の廃止は問題ではないかと感じました。

 

そもそも退職金は制度上確立されているものであり、多くは将来予想可能な債務です。よって本来は年次計画を立て、必要な退職金について計画的に基金積み増し等を行うべきです。しかしその努力は残金0円ということからも、全くされてきませんでした。財政当局の責任は重大です。

 

しかし今回廃止をしたと言うことは、退職金については今後積立を行わないということになります。その点について総務部長にただしました。

 

総務部長からは「言うとおりであり、今後は退職基金に変わる基金の創設も含め検討課題としていかなければならない」と答弁がありました。

 

またすでに定年退職に関しても発行が認められた退職手当債についても、もしかしたら今後議論されるのかもしれません。しかし、この退職手当債は、将来世代に全く恩恵がなく、負担だけを与える債務であり、極めていびつな制度です。というか、そもそも人件費を借金で払うなんて、民間企業なら破綻状態です。

 

そういう事態に陥らないためにも、この職員退職手当基金の廃止は慎重に取り扱う必要があるのではないか、と感じました。

 

人事課

 

人事課からは臨時職員及び嘱託職員の賃金改定及び処遇改善について事務報告。

 

これは現在増加している臨時・嘱託職員の待遇改善のために給与・有給休暇・任用期間等を改正するものです。以下報告致しますが、実施時期は今年4月からとなっています。

 

具体的には以下の通りになります。

 

賃金

1,これまで年2回あった期末割増賃金が廃止され、その分を日給に反映させます。

具体的は

臨時職員

             現行         改正

  • 事務補助:日額5,460円 → 日額6,400円
  • 給食調理:日額5,460円 → 日額6,600円
  • ごみ収集:日額5,460円 → 日額6,800円

 

嘱託職員

             現行          改正

  • 事務補助:月額116,500円 → 月額147,900円
  • 給食調理:月額116,500円 → 月額151,600円
  • ごみ収集:月額116,500円 → 月額154,700円

 

となっており、年額で約2万円程度の給与アップになるとの説明がありました。

 

2,嘱託職員については昇給制度を導入します。

 

3,嘱託職員についてこれまでなかった時間外勤務割増賃金等を支給します(臨時職員にはすでに支給している)

 

年次有給休暇

任用期間に応じて、臨時職員はこれまでの年間4日から年間最大10日へ、嘱託職員は最大15日が付与されます。

 

任用期間

1,臨時職員については、地方公務員法の規定に基づき最大1年間の任用とします。

 

2,嘱託職員については、原則5年までの任用に一本化した上で、有資格者等で継続勤務の必要がある人(保育士・学芸員・図書司書等)は最大10年まで任用とすると規定します。

 

この件については、私が昨年6月議会で臨時・嘱託職員に関して、任用期間の延長や、昇給制度の実施、給与アップについて一般質問をしました。まさに今回の事務報告は私が要望したことの多くを実現する形の事務報告になっています

 

その点では個人的にもとてもうれしいことですし、臨時・嘱託職員にとってもかなり大規模な待遇改善なので、その点でも喜ぶことができる内容となっています。

 

後残された課題は、仕事の中身についてです。臨時・嘱託職員の先進事例である東京都荒川区でも、待遇改善とともに臨時・嘱託職員の勤務形態の明確化も行っています。本来待遇改善と事務はセットなのですから、任用から事務執行、退職までの一連の流れがスムーズに行くような体制となるよう、十分考えてほしいと訴えました。

 

田川市においても、待遇改善とともに、臨時・嘱託職員の方々にどのような仕事を行わせていくのか、正規職員との機能分担等について十分議論を深め、明確化していくべきと課長に訴えました。

 

教育総務課

 

教育総務課からは田川市中学校ランチサービス事業について事務報告。

 

このランチサービス事業は、教育委員会の肝いりで今年6月1日から始まった制度で、外部業者が作った弁当を希望する中学生に持っていく制度で、一食あたり350円で提供しています。現在試行校として、弓削田中学校と鎮西中学校で行っています。

 

しかし注文数が伸び悩み、教育委員会も保護者向けの試食会の実施や、当初は月単位のメニューで注文を受けていたものを最終的にはその日単位まで短くしたりと改善を実施しました。しかしその日単位の注文でも全生徒の3.9%しか利用がないという状況です。

 

以上の点から、現在の受託業者も採算性の点から難色を示している状況とのことで、最終的には今年度末をもって中学校ランチサービス事業は中止するという結論に立ったとのことでした。

 

また中学校給食については、現在案してある給食センター方式による実施について、最終的に可能かどうかを今年度末までに結論を出すことも報告されました。

 

私自身は、教育委員会があれだけ肝いりで導入を推進した(2008年9月18日のブログ参照)のに、こうもあっさりやめるのか、というのが気になりました。結局のところ、あの議論はなんだったのか、という思いにならざるを得ません。

 

またそもそも根本の問題は中学校給食のあり方についてです。私自身は何らかの形で中学校給食は実施すべきと思っています。その問題は今年度末の給食センター方式の整理がつき次第、継続的に総務文教委員会としても取り上げることになりました。

 

学校教育課

 

学校教育課は所管事務調査として学力向上の施策について事務報告がありました。具体的には学力の二極化への対応等について話し合われました。

 

詳細な数字が出されましたが、特に要保護・準要保護(就学援助をもらっている家庭)の割合が高い学校と学力の相関関係ははっきりしています。そういった経済的に厳しい家庭に対して、教育的にどのような施策を打ち出せばいいのか話し合われました。

 

私自身は、1つは35人以下学級の早期実施を図り、学校にマンパワーを増やすことが先決だと思っています。私は昨年の当初予算に教育予算、とくに35人以下学級の実施や備品費の増加が見られないと言うことで反対をしました(詳細は2009年3月24日参照)。この35人以下学級の実施は他の多くの総務文教委員からも出され、教育委員会としても早急に執行部に要望すべき、等の議論がされました。

 

もう一つは、単に教育委員会だけではなく、他の組織をクロスした形での子どもの支えが必要なのではないかと訴えました。保護課のケースワーカー、子育て支援課の担当者、児童相談所、スクールカウンセラー等、子どもを支える組織は様々あります。しかし連携体制が十分に取っているとはいえず、その負担は教職員に大きくのしかかっているのが現状です。

 

また先ほどあげたメンバーはどれも人員不足となっています。保護課のケースワーカーは福岡県は平均65~80程度の方を担当しているのに対し、田川市は平均100件近くの方を対応しているとのことです。児童相談所の担当職員も田川地域では1名だけですし、スクールカウンセラーも1,2週に1度しか学校に来ないという現状です。

 

所管事務調査といっても我々は政策研究をする立場ではなく、政策実現をしていく立場ですから、調査の結果どのような施策を講じる必要があるのかを考える必要があります。やはり教育関係予算に十分な予算を投じる必要が執行部にはあるだろうと思っていますし、その点は3月議会における総務文教委員会の大きな議題にしたいと思っています。

 

以上が今回の総務文教委員会の審議内容です。

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