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うつ病の理解と自殺対策

2009年04月15日

今日は市役所で作業をしたり、仕事をしたりしていたらあっという間に夜に。夕方からは飲み会なども重なり、長い一日でした。

 

話は変わり・・・

 

先日、自民党の笹川参議院議員が

 

「うつ病で休業している先生はたくさんいる。国会議員には一人もいない。そんなに気が弱かったら務まらない」

 

と発言した問題がニュースとなりました。そのことに関して国際医療福祉大学の和田秀樹教授がコメントを書いていました。まずはお読みください。

 

■政治家もうつ病に理解深めよ

 ≪政治家もかかる病気だ≫

 自民党幹部が大分市で行われた党の県連大会で、「うつ病で休業している先生はたくさんいる。国会議員には一人もいない。そんなに気が弱かったら務まらない」と発言したそうだ。

 この発言は精神科医として看過できない。日本の自殺は年間3万3000人。先進国では自殺率はトップである。さらに44歳までの成人の死因の1位でもある。欧米の調査では、その7、8割がうつ病がからんでいるとされる。

 もちろん、精神科にかかっていてもうつ病で自殺する人はいるが、助けられる命はかなりの数に上るはずだ。

 そして、うつ病というのは、気が弱いからかかる病気ではない。それまで活躍していた政治家や経営者をも襲う誰もがなり得る病である。もしそのような偏見のために精神科の門を叩(たた)けない人がいるなら、むしろその誤解を解くのが為政者の役割ともいえる。

 ただ、怒っていても始まらないことにも気づいた。

 一般の人より情報が豊富なはずの政治家でさえ、この病気を正しく理解していないのであれば、むしろ彼らにそれを理解してもらうことのほうが、自殺する人を減らせるし、国益にもかなうはずだからだ。

 

 ≪隠すことでリスク高める≫

 

 自殺予防に最も有効とされるのは、地域の人たちに精神疾患に対する正しい知識を提供し、その偏見を取り除くこと、そして、援助を求めることへの抵抗を減らすとともに、どこに援助を求めたらよいかを伝える啓蒙(けいもう)活動、自殺予防教育とされる。

 実際、この対策でフィンランドは、現在の日本の自殺率より高い状況であったのを改善し、3割以上も自殺者数を減らすことに成功した。新潟県の旧東頸城郡では、メンタルヘルスに対する正しい知識を提供するとともに、高齢者のうつ病を早期に、集中的に治療するなどの対策を行ったところ、約10年の間に高齢者の自殺率がなんと7割以上も減った。

 国会議員にうつ病が一人もいないという発言を前述したが、実は、うつ病というのは、かなりありふれた病気である。アメリカの統計では、生涯のうちにかかる率は男性で5~12%、女性では10~25%におよび、WHOの推計では現時点でうつ病になっている人は3%に上る。

 実際に、涙目になったり、空虚感、体重減少、不眠、疲れやすさ、思考力や集中力の減退などの症状のうち5つ以上が2週間以上続けば、うつ病と診断される。

 テレビの記者会見で涙目になっていた上に、体重減少や不眠を報道されるなど診断基準にあてはまると思える政治家は最近でも複数いた。おそらく、同様の状態に現時点で陥っている政治家もいるだろう。現実に、過去には、何人も自殺した政治家がいた。

 しかし、自民党幹部の発言を聞く限り、自分がうつ病だと告白している政治家はいないということなのだろう。うつ病とわかっていて、隠さないといけないと思っているなら、政界にはまだまだうつ病に対する偏見が強く残っていることを意味する。

 逆に、こういう状態になっても単なるストレスだなどと思って、医者にかからないとすれば、これは自殺やうつ病に対する知識の不足を意味する。ここで、無理をすることで、自殺のリスクが高まるなど、本人のメンタルヘルスにはさまざまな悪影響がある。

 

 ≪復活したノルウェー首相≫

 

 それだけでなく、うつ病になると、ものの見方が悲観的になったり、いろいろな可能性が想定できなくなったりする。また思考力や集中力も衰える。このような形で判断力に影響を与えるとされるから、病気のまま政治家を続けるのは、好ましいことではない。

 もちろん、病気が治れば、普段通りの判断や思考ができるのであるから、むしろうつ病である期間は、休養していたほうが誤った判断をしなくてすむのである。

 だから、堂々とうつ病を告白して、休養してもらったほうが国益にかなうのだ。

 10年ほど前に、ノルウェーのボンデビック首相(当時)がうつ病を告白して、首相職を1カ月ほど休職したことがある。これが、素直に認められて、復職をした際には、喝采(かっさい)をもって受け入れられたそうだ。

 ひいてはこのことが、国民のうつ病に対する偏見を大幅に緩和したとされる。うつ病は治る病気であり、治れば、以前どおりのすばらしい能力を発揮できることを国民に示したからだ。

 ノルウェーも以前は自殺の多い国だったが、現在の自殺率は日本の半分程度となっている。政治家自身が、うつ病について正しい知識をもち、堂々と告白できるくらいに偏見を捨てることが、自らのメンタルヘルスや判断力に好影響をもたらすだけでなく、国民のメンタルヘルスを守り、自殺を減らすのだ。

 政治家に、正しい自殺予防教育を受ける機会を設けることを切に望みたい。(わだ ひでき)

(引用終了)

 

このことは国会議員だけではなく、自治体レベルでも言えることです。自治体職員もうつなどで休暇をとる場合もありますが、それは「精神的に弱い」とくくられるなどの偏見にもつながっています。

 

住民生活と密接に関係している自治体だからこそ、自殺対策は積極的に行う必要があります。田川市はその点はまだまだ不十分な点が多いと思います。

 

自殺対策については、社民党青年議員の一人、川口洋一高槻市議が積極的に取り組んでいます。私も彼に教えてもらいながら、自殺対策の政策化に取り組んでいかなければ、と引用記事を読んで改めて思った次第です。

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