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たがわの医療を考えるシンポジウム開催!

2010年04月03日

今日は田川青少年ホールで開催された「たがわの医療を考えるシンポジウム」に参加しました。これは市民団体や労組などで構成する「たがわの医療を考える会」が主催したもので、特に田川市立病院の今後や田川地域の医療全体について講演会及びシンポジウムを行いました。

まず自身も放射線技師として医療に従事し、隠岐広域連合立隠岐病院の再建を事務長として手がけた米田幸夫さんから

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基調講演が行われました。

 

現在の医療問題全般や公立病院の経営状況、または問題点や今後のあり方などについて発言がありました。

 

そこでは、福岡県が策定した医療圏域や病院ベット数等について定めた地域保健医療計画について。ちなみに田川市は基準病床数806床に対して平成19年8月1日現在のベット数は1397床と大幅に多いことが紹介されていました。

 

また、平成18年度の急患搬送件数7126件(7258人)のうち、37.3%の方々が軽症患者であることも紹介されました。特に夜間における急患搬送は医師疲労の原因となっています。米田さんもこの数字については「この軽症患者が減るだけでも大いに医師の疲労は軽減される」とおっしゃっていました。

 

また医師数が最も減ってきている産婦人科における周産期医療等についても言及し、「普通分娩の場合は医師の指示の元、訓練された助産師が出産の受け持つことも必要になってきている。そういう助産師活用のプログラムも立ち上げれば」いう意見もいただきました。

 

外国との比較を見ても、日本は明らかにベット数が多いことが紹介されていました。これから先、日本においては長期入院による看取りではなく、訪問看護や訪問診療、緩和ケアなど在宅医療の充実をする必要性があるのだろうと、強く感じました。

 

つづいて

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パネルディスカッションを開催。市長、田川市立病院長、医師会副理事長、商店街振興組合会長がシンポジストとして参加しました。

 

まず田川市立病院長池田喜彦先生からは、夜勤をし、そのまま外来も受けなければならず、眠れない日々を送っている医師が多い」と、田川市立病院に勤める医師のの厳しい勤務状況が紹介されました。

 

事実、県内同規模公立病院との医師負担比較を見てみると、医師一人あたりの入院患者数は、大牟田市立総合病院(ベット数350床)では4.9人に対し、田川市立病院(ベット数342床)は9.1人と倍近くを受け持っています。また同じく外来患者数を見てみると、大牟田では8.5人に対し、田川市では17.4人と倍以上を受け持っています。

 

このことからも、そもそも公立病院自身が医師から人気ではない上、田川市立病院は医師一人あたりの負担の多さが他の公立病院に比べ突出していることが分かります。

 

そのことからも病院長は「大学引き上げだけではなく、田川市立病院がきつすぎるという理由で辞められる方もいる」とおっしゃっていました。

 

続いて、田川医師会を代表して倉員健一先生から発言。まず田川医師会として、特に平日夜間の初期救急の充実を図るために、現在田川医師会として初期救急を受け入れることができないか、協議をしているとのことでした。

 

その体制ができれば、軽症患者が次々と田川市立病院に運ばれずにすみますし、田川市立病院は手術が必要な患者にしっかり対応することも可能です。

 

また福岡県立大学看護学部と田川市立病院がしっかり連携すべきともおっしゃっていました。詳しくは分かりませんが、おそらく田川市立病院と県立大学看護学部が組織的な連携をしているということを聞いたことがありません。

 

しかし、たださえ看護師不足の中、また先ほど米田さんがおっしゃっていた助産師活用による出産支援のことなどを考えると、看護師養成の専門分野である看護学部との連携はぜひ行うべき事です。

 

ほかにも田川市立病院の医師の間の交流をもっと進め、医師会と市立病院との連携を強化していきたいとも話されていました。

 

後藤寺商店街振興組合中寺利和さんからは、まず市立病院が全部適用になった初日である4月1日に受診した際、雰囲気が変わったことをあげ「これから変わるという雰囲気を強く感じた」とおっしゃっていました。

 

その上で「住民にできることはなんなのか」ということを問題提起していました。また「民間からすれば公務員体質な部分もあるのではないか」と厳しい提起もおっしゃっていました。

 

住民としてできることに関しては池田病院長からは「夜の診療でも『ありがとうございました』という言葉だけで疲れはどっととれる」とおっしゃっていました。

 

またこのことは夜間の軽症患者に関して、わざわざ夜間救急に行かなくても大丈夫な症状については次の日に来院してもらうなど、いろんな工夫をすべきとも感じました。またそのための情報提供も病院や市として必要なのではないかと思います。

 

田川市立病院は今年度福岡県の支援によって新たに6名(とおっしゃっていました)の医師が来ると紹介されていました。また事業管理者の斉藤先生も加え、新たな病院体制がはじまります。

 

しかし市民向けに田川市の行政に関して直接対話するシンポジウムは私が議員になってからは初めてでした。池田病院長も「いままでこのような市民向けの対話ができなかったことを悔やんでいる。これからはもっと市民との対話を増やしていきたい」とおっしゃっていたことからも、

 

やはり市民との対話や協働はこの会を通じてもとても大切なんだということを強く感じました。田川市ももっと行政の意思決定過程に市民が参画していく仕組みを構築する必要があります。

 

大きく変わろうとしている田川市立病院を、議会・議員という立場からも大いに応援してまいります。

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