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心に響いた「潜在自然植生」

2006年03月02日

昨日から体調がすぐれず、頭が痛い&むかむかする、のが続いているんですよねえ。うーん、急に寒くなったからかなあ。

今日朝は雪でしたよ。すぐやみましたけど3月というのになんか変な天気ですね。

今日は久しぶりに大学へ。修士論文で文献集を張り忘れていたので付け足しにいってきました。その後、研究室にいてすこしボーっとしていたんですが、やはりもう大学院も修了してしまうのに一抹の寂しさを感じました。それに加え、もう学生という身分ではなくなることに対する不安も交錯し、なんとも複雑な心境でした。6年間も自由に暮らしていたら、その感覚はどうしても簡単に変えられないんですよねえ。

このごろ(というか前から)私は、農林関係に興味があるんですよね。大学院の修士論文、最初の構想は「森林政策」に関して書こうと思ったぐらいですから(その後断念しましたけど・・・)。そこでこの頃はまっているのは横浜国立大学名誉教授の宮脇昭氏が提唱している「潜在自然植生」という概念。宮脇氏は前にNHK教育番組に登場したときにたまたまテレビをつけていて、その名前を知りました。ちなみに「潜在自然植生」とは、宮脇氏曰く「すべての人間の干渉を停止したと仮定したときに、現在の自然環境が支えうる自然の緑、森のこと」とのこと。

そこで宮脇氏は「現場をよく調べれば、必ず、その土地その土地に本来育っているべき樹木が見いだせます。その潜在自然植生の主木群を植えることによって強い森を再生しようという考え方」を提唱しているんです。杉やヒノキなどは、現在その多くが放棄林として放置されている状況です。一見遠くから見たら青々とした森でも近くに行けば荒れ放題の山々が日本各地で見られます。私も住んでいるところのすぐ裏が山ですが、多くが同様の状況になっています。

また宮脇氏は次のように言っています。

「根が浅い過熟林は、台風にも地震にも弱い。土砂崩れが起こる。また、根の張り具合もざるのようなので、雨水の保全機能も水の浄化機能も低い。マツクイムシなどの虫がつきやすく、枯れて山火事が起きる。防災・環境保全機能を果たさないんですね。しかも、その土地に合わない人工林なので、人が手を入れ続けなければならない。マツなどは、薬をかけ続けなければ枯死してしまう。つまり管理コストがかかる。林業が盛んな時期なら、そうしたマイナス要素にも目をつぶることができますが、いまや安価な外国材に押され、林業は衰退し、人工林は放置されています。プラスの要素が何もない。だから、土地本来の自然の森に戻すのが、人間や動物が暮らす環境として理にかなっていて、手間いらずで長持ちします。」

私がこれまで自分の地元の裏山でなんとなく問題だと思っていたことに的確に答えてくれるものとして、宮脇氏が提唱する「潜在自然植生」の概念は非常に胸に響きました。この関係で地元の森を再生できないものなのか、この頃よく考える課題です。

なので、今は彼の本を愛読中です。といってもリンクのとおり新書もあるので簡単に読めますよ。

もしもう一回大学院に行くのなら、森林政策をしたいなあ。まあでも当分は自分で学んで理論形成するんじゃなくて、人から知識を得ることにしようと思います。

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